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肩甲骨の動きを理解し、イメージする
肩甲骨とは?
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肩甲骨は競泳だけでなく、日常生活においても動かすことの多い骨になります。上腕骨・鎖骨と関節面を持ち、肋骨とも機能的な関節である肩甲胸郭関節を構成しています。
水泳のキャッチで多い内旋動作は、上腕骨と肩甲骨が構成する肩甲上腕関節の運動で起こり、水を押さえるためには肩甲胸郭関節の安定性が必要になると考えています。
以上のことから、肩甲骨はあらゆる局面に応じて様々な役割を担っており、その名称や運動を覚えることは指導や競技力向上に大きく貢献できると考えています。
言語ベースの知識は手に取られないことが多いですが、だからこそ他の選手や指導者との差別化が明確にできると考えています。ご興味のある方は最後まで読んでみてください。
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肩甲骨の名称
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名称を押さえておくことは筋肉の起始・停止を把握するために必要不可欠になります。肩甲骨の各名称は筋肉ともリンクしていることが多く比較的覚えやすいと思います。(個人的な感想)
肩甲棘→その上下なので『棘上窩↔︎棘上筋』『棘下窩↔︎棘下筋』
肩甲下窩→肩甲下筋が付着している
烏口突起→烏口腕筋が付着している
成人から水泳を始めた方は、この肩甲骨に付着している筋の可動域低下や筋バランスが崩れていることが多く肩周りに痛みが出てしまうことが多いです。
選手クラスに在籍している比較的若年層にも、スマホや姿勢不良の影響で肩に炎症が起きやすくなっている可能性があります。『どこで?何が?なぜ?』を考えられるようにしっかり押さえておきたいポイントと考えています。
肩甲骨の運動
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肩甲骨の運動を押さえる上で、必要な考え方があります。それは『3つの基本面』になります。3つの基本面とは
前額面・・前後から見た面(前から/後ろから見る)
矢状面・・左右から見た面(横から見る面)
水平面・・上下から見た面(上から/下から見る)
競泳では胸椎伸展↔︎屈曲を繰り返すことが多いですが、意外と矢状面・水平面の動きに対して意識できていないことが多いと感じています。
特に矢状面の動きである、肩甲骨の後傾(前額面上だと内転・下制)が胸椎伸展に必須の動きであるため動作が苦手な方は獲得していきたい動きだと考えています。
競泳と肩甲骨の関係性
3つ基本面から肩甲骨は多種多様に動き回る部位だということはお分かりいただけたかと思います。肩甲骨が競泳競技のパフォーマンスに与える影響について少しずつ考えていきましょう。
肩甲上腕リズム
肩甲上腕リズムとは上肢挙上に際し、上腕骨と肩甲骨が2:1の比率で動いていることを示しています。
・180度屈曲/外転位・・上腕骨120°+肩甲骨60°
競泳はストリームラインの時点で180°以上の外転位を保持することが必要になるため、上腕骨・肩甲骨の可動性を確保することは必須となります。
また、上肢挙上に際し
肩甲上腕関節
肩甲胸郭関節
肩鎖関節
胸鎖関節
がぞれぞれ連動し、動きを確保することで代償のないストリームラインが作れると考えています。どこで動きづらさを感じるか?可動域不足による代償動作は出ていないか?
障害予防のためにも、この運動学上の知識はぜひ押さえてほしいポイントと考えています。
お腹に力を入れて水を掻くは逆効果?
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可動域を確保することは今までの記述を読んでいただければ何となくイメージできるかと思います。次は推進力を生み出すために必要な要素である肩甲骨の『安定性』について述べていきます。
可動域が改善して、より遠くの水をキャッチできても、水をしっかり押すことができなければ泳速度に変化を起こすことはできません。では、どうするか?
それは肩甲骨をしっかり『固定』しておく機能を獲得することにあります。
肩甲骨の固定力が高まると体幹の機能と末端が連動し、結果として『お腹に力を入れて掻く』ということが可能になります。
逆に、肩甲骨の安定性が乏しければいくらお腹に力を入れても推進力に大きな影響を及ぼすことはできません。
物事には『本質』があります。結果がよくフォーカスされることが多いですがそれは表面的なものであり、段階的に動作がしっかり獲得できているかを見極めなければなりません。
まずは肩甲骨の可動性・連動性を高め、固定力を強化する。そうして初めてお腹の筋肉と連動した力強いストロークが獲得できると考えています。
まとめ
以上、肩甲骨の名称と運動についてご紹介させていただきました。この記事はが競技力向上や指導現場にご活用いただければ幸いです。
肩甲骨の動作獲得や固定力を強化するトレーニングについても発信予定ですのでフォローしてお待ちください。