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【展覧会レポ】アサヒグループ大山崎山荘美術館「中国やきもの7000年の旅ー大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」
【約4,200文字、写真約50枚】
アサヒグループ大山崎山荘美術館(京都)に初めて行き「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅 ―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」を鑑賞しました。その感想を書きます。
【この投稿で伝えたいこと】
❶大自然に囲まれた山の上の環境が最高!、❷登録有形文化財の山荘の居心地とテラスからの景色が最高!、❸安藤忠雄の地下建築の雰囲気が最高!❹京都駅から近いため関西観光にもおすすめ。
おすすめ度:★★★★☆
会話できる度:★★☆☆☆
混み具合:★★☆☆☆
展覧会名:愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅 ―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー
場所:アサヒグループ大山崎山荘美術館
会期:2024年6月1日(土)-9月1日(日)
休館日:月曜日
開館時間: 午前10時~午後5時
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5−3
アクセス:山﨑駅から徒歩約15分
入場料(一般):1,200円
事前予約:ー
展覧所要時間:1時間〜1時間半
撮影:館内は一切不可
URL:https://www.asahigroup-oyamazaki.com/exhibition/chineseceramics/
▶︎訪問のきっかけ
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最近、安藤忠雄の建築に行く機会が増えたり、著作を読むことで興味が増していました。そこで、関西に行ったタイミングで、安藤忠雄が建築に携わったアサヒグループ大山崎山荘美術館(以下:山荘美術館)に行きました。京都駅から近いため、アクセスが良い点も訪問理由の一つでした。
▼安藤忠雄による建築の「国際子ども図書館」
▼安藤忠雄の生涯・考え方が分かりやすかった本
▶︎アクセス
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アクセスは、京都駅→(電車約15分)→山崎駅→(徒歩約15分)→山荘美術館です。旅行者の場合、京都駅に荷物を預けると便利です(私は京都伊勢丹9階で手荷物一時預かりを利用しました)。
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山崎駅から山荘美術館へは、徒歩、無料バスを選べます。坂道が異常に急勾配のため、足腰に自信がない方は、無料バスがおすすめです。
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美術館へ行く道は坂がすごいため、上り始めた瞬間に息が切れました。しかし、私は徒歩がおすすめです。歩けば10分程度ですし、行く途中で大自然や、山崎付近にはどのような名所があるか分かるからです。ここでは1582年、羽柴秀吉の軍と明智光秀の軍が激突した山崎の戦いがありました。
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美術館の入り口に来るまで、緑の匂い、汗で光る手など「自然にキターッ!」という感じで、テンションが上がりました。
ただ、足腰が弱い人は来ちゃダメだと思いました。館内にはエレベーターなども完備されていました。しかし、美術館までの道は、坂道・砂利道のため、車椅子の人などはどうやって辿り着くのか謎でした。
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なお、美術館に行く途中のレストハウスにあるロッカーに荷物を預けることをおすすめします(美術館内はpaypay使用可)。美術館では「リュックは必ず前で抱えるように」と言われるなど、館内保護にセンシティブだったためです。
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住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5−3
▶︎アサヒグループ大山崎山荘美術館とは
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✔️概要
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山荘美術館は、関西の実業家であった加賀正太郎が建てた「大山崎山荘」を創建当時の姿に修復のうえ、安藤忠雄設計の「地中の宝石箱」「夢の箱」を加え、1996年4月に開館。2004年に登録有形文化財に指定。所蔵品は、山本爲三郎が支援した民藝運動にまつわる作品や、モネの《睡蓮》連作など。
なお、館内の撮影は、廊下なども含めて一切禁止。「ここなら撮ってもええんちゃうかな」と思われそうな空間にも、私の心を先読みするように撮影禁止マークが頻繁に置かれていました😅
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✔️山荘の歴史的建築
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ニッカウヰスキーの設立に参加していた加賀正太郎は、朝日麦酒株式会社初代社長・山本爲三郎と親交がありました。加賀正太郎の没後、荒廃寸前だった大山崎山荘を山本爲三郎が再生しました。
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人が住んでいた山荘を利用して、美術品を展示している点が普通の美術館と違って面白かったです(キュレーションはセンスや経験が問われそう)。趣としては、東京都庭園美術館のようでした。豪華な室内は手入れが大変そうだけど、別荘としては最高にゆったり過ごせそうでした。室内は空調が効いていて快適でした。
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▼過去に訪れた東京都庭園美術館の展覧会
✔️最高のテラス席
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項目を分けてテラスを取り上げたのは、この場所があまりにも最高だったためです!この喫茶室は、入館料を払わないと入れない本館2階の喫茶室にあります。喫茶室の席は、店内とテラスがありますが、テラスが断然最高!
ここに座ると、緑の匂い、風の音、蝉の声、全てが最高に感じられます。普段の生活の中に「自然」は必要だな、と改めて実感しました。
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喫茶室のメニューは、ドリンクがメインです(食事系はほぼなし)。私は、青森のれんが倉庫美術館で飲めなかったシードルを注文。とてもスッキリしていて飲みやすく、暑い日には最高の組み合わせでした。
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✔️安藤忠雄の建築
安藤忠雄が建築に携わったきっかけは、アサヒビールの樋口廣太郎が、安藤忠雄の中之島の中央公会堂再生案を見た後、事務所にアポなし・単独で訪れて、山荘美術館の設計を依頼してきたことらしいです。
山荘美術館には「夢の箱」「地中の宝石箱」があります。「夢の箱」は四角形のコンクリート造。もとは蘭栽培をしていた温室があった場所でした。
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「地中の宝石箱」は、周囲の景観との調和をはかるため半地下構造で設計され、円柱形の展示空間上部には植栽があります。地下空間には、6点のみ(モネ、ミロ、ピカソ、ドガ)展示されている贅沢な空間でした。私は特に「地中の宝石箱」が気に入りました。
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作品と山荘美術館の場所が美しくマッチしていました。モネの絵画を見ていると、絵の中の光、風が感じられ、蝉の声まで聞こえてきそうでした。印象派のボヤっとした雰囲気と、安藤忠雄のコンクリート打ちっぱなしの建築との対比も新鮮でした。建築が絵の良さをさらに引き出していました。
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✔️豊かなな自然と庭園
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山荘美術館は豊かな自然のど真ん中に位置し、敷地内に丁寧に整備された庭園もあります。私は真夏に訪れたため、一面は緑でした。HPを見ると、秋や冬は全然違った趣がありそうでした。
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どこかで見たことがあるウサギだと思ったら、福岡市美術館でもバリーの作品がありました。
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▶︎「愛知県陶磁美術館コレクション 中国やきもの7000年の旅 ―大山崎山荘でめぐる陶磁器ヒストリー」感想
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愛知県陶磁美術館のコレクション約80点により、中国新石器時代から清朝にいたるまで7000年に及ぶ悠久の中国陶磁の歴史を概観します。神秘的な土器の世界、副葬品として用いられた多彩色の器や日常の世界を再現する建築明器、世界に影響を与えた青花や、五彩をはじめとする数多くの技法などを、中国各地の窯の代表作品を通じて紹介します。
要は、愛知県陶磁美術館からレンタルした陶磁を77点を並べた展覧会です。愛知県陶磁美術館は、2023年6月〜2025年3月まで工事でお休み。そのコレクションの有効活用として、山荘美術館で展覧会を実施しているのでしょう。なお、77点中、3点は山荘美術館の所蔵でした。
約1ヶ月前に訪れた大和文華館の企画展と内容が被っていたため、その復習や、中国陶磁の背景を改めて知ることができました。紀元前の焼き物は、棺を豪華に飾るもの、お墓の中に副葬するものが多かったです。死んだら自分では確認できないし、その作品を誰も鑑賞できないのはもったいないと思いました。中国の人が見栄を重視するのは紀元前からの伝統なんですね。
作品のキャプションにはルビが多かったり、クセのあるキャッチコピーが印象的でした。「イヤリングつきおしゃれ壺」「2000年前のタワーマンション」「シンプル・イズ・ベスト 茶碗」など。展示品自体に興味が沸きづらかったとしても、楽しく鑑賞できる丁寧な工夫だと思いました。それも含めて展示品は全体的に見やすいと感じました。
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中国では、時代、場所により、焼き物の特徴が大きく変わります。例えば、シルクロードで新しい考えや動物が導入されたり、燃料が薪から石炭になったことから安定した温度で焼けるため、丈夫で質が高い焼き物ができるようになりました。キャプションにも、⚫︎⚫︎時代、⚫︎⚫︎窯と記載がありました。
中国の焼き物をたくさん見ていると、面白さが徐々に分かってきた気がします。企画展の内容は渋いですが、来場者は女性が多かったです。女性は男性に比べ、山荘とか自然に惹かれるのでしょうか。
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▶︎まとめ
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いかがだったでしょうか?企画展の内容も良かったですが、大自然に囲まれた登録有形文化財の山荘、絶景が望めるテラス席、安藤忠雄の建築!「自然 x 美術館」が大好物な私にとって、満足度の高い美術館でした。特に「地中の宝石箱」は必見!京都駅からも近いため、関西観光の一つにも組み込むべき美術館だと思います。
▶︎今日の美術館飯
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