【人事ノウハウ】意外と知らない、採用を科学するKPIメソッド
こんにちは、こんばんは、ごきげんよう!(ごきげんよう馴染んだかな)
フリーランス人事の清水奈央(しみず なお)です。
独立してから2か月が経ちました。
フリーランスとしての1日の動きが健康的にルーティン化されてきていて、
7:00~9:00 タスクの確認、作業系の仕事
~一度身支度~
10:00~13:00 仕事
~お昼休憩~
14:00~17:00 仕事
~念入りな散歩、夕飯準備~
20:00以降 終わってなければちょこっと作業
という感じで、健康な身体と精神でお仕事に向き合えているなと感じています。
最近では我が家の猫2匹が在宅の私に構ってもらう方法を覚えてしまったようで…
賢くてかわいいけれど、対策が必要だなぁと思う今日この頃です。
さて、最近よくご相談いただくのはやはり「採用」についてです。
例えば、
・採用目標を達成できない
・そもそも採用計画の立て方が分からない
・各事業部からの採用オーダーが厳しすぎて採用が進まない
・採用の振り返りができない
このようなご相談が多い印象です。
実はこの一見バラバラに見える課題も、根っこは同じ課題につながっています。
ですが、採用担当として経営、各事業部や現場、候補者様と様々な視点を通して採用課題を見る必要がある人事こそ、混乱に陥りやすいものです。
そこで、少しでも悩める人事の皆さんにひとつのTipsをご提供できればと思い、今回のnoteでは「採用KPI」のメソッドについて、私なりに大事にしていることを書いていきたいと思います。
採用のポイント4選
採用は営業である、ということはHR領域に関わる方なら身をもって経験しているのではないでしょうか?
かくいう私も、長く人材紹介の営業職としてKPIを指標に目標を達成してきた経験が、そのまま採用業務に生きていると感じています。
採用をKPI管理を軸に成功させるため、以下4つのポイントに絞ってご説明していきます。
ポイント①
採用の原則「採用の設計はゴール設定から。採用の遂行は最も手前の母集団形成から」
ポイント②
大切なのは、率よりも圧倒的に数である
ポイント③
採用に関わるメンバーは、KPIの意味を理解しているか?
ポイント④
その採用計画は、事業部と連動しているか?
ポイント①
採用の原則「採用の設計はゴール設定から。採用の遂行は最も手前の母集団形成から」
採用活動は、ゴール設定を明確にしたうえで細かく手前のKPIに細分化する採用計画の設計作業と、実際に設定した採用計画を手前の数字から着実に埋めていく作業の大きくわけて2段階があります。
いわゆる「予実」ってやつです。
曖昧に設定されたゴールでは、すぐに始めなくてはいけない行動が正しく見えてこず、せっかく明確にゴールを設定しても、手前の母集団形成をおろそかにしては再現性のない博打的採用に終始してしまいます。
そこで、まず大切なのは「〇月〇日に△名●●ポジションで入社している必要がある」というゴール設計を各ポジションで明確に決めることです。
この入社目標から順を追って逆算すれば、
入社必要人数と期限の設定
↓
承諾必要数と期限の設定
↓
内定必要数と期限の設定
↓
最終面接実施必要数と期限の設定
↓
1次面接実施必要数と期限の設定
↓
書類選考実施必要数と期限の設定
↓
必要エントリー数と期限の設定
と、各フェーズでの必要なKPIと期限を設定することが出来ます。
ここまで計算できれば、あとは遂行です。
必要エントリー数に対しどんな採用チャネルが有効なのか、そのチャネルで日次で追うべき行動量はどのくらいなのか、仮説立てながら母集団形成に動くことが出来ます。
シンプルなようで、意外とこの通りに遂行するのが難しいのが採用KPIです。
緻密にKPIを設定しきれないまま走っていたり、決めたはずのKPIをなんの仮説検証もなく変更したり、PDCAが回らず気が付いたら期限を大幅未達で迎えていたり…
そこで、緻密にゴールに紐づくKPIを設定し、KPI通りに採用が進まない際も効果的にPDCAを回すのに必要なのが、ポイント②の「大切なのは、率よりも圧倒的に数である」という考え方です。
ポイント②
大切なのは、率よりも圧倒的に数である
そもそもゴール設定から逆算してKPIを定めていくとき、重要なのは「通過率」と「通過人数」です。
通過率…候補者がそれぞれ次の選考フェーズに進んだ率を平均化した数値
通過人数…それぞれの選考フェーズを実行した候補者総数
逆算でKPIを設定する際、例えば「必要な承諾人数に対し、過去内定から承諾に至った通過率が●%なので、内定は〇名必要」という手順で通過率をもとに必要な実行数を出すことが出来るので、採用KPIにおける「率」と「数」は連動して考える必要があります。
さて、率と数、採用のKPI達成にはどちらを重要視した行動が求められるでしょうか?
・・・そうです、圧倒的に「数」なんです。
なぜなら、通過率が達成していてもそもそも通過人数が足りなければ、承諾数や入社決定人数と言う目標を達成することはないから、です。
例えば応募数が3人しかきていないけど、書類通過率は75%で達成しているからOK!と錯覚してしまう、みたいな…
これは極端な例ですが、意外とKPI議論の場では出ている話です。
そして「数」を達成するために必要なアクションはやはり「数」。
まずは定量的なアクション管理をするところからやっていくことをお勧めします。
想像してみてください。
例えば1次面接の通過率を上げたいと思ったとき、そのためにはまず何が通過率の低下に起因しているのかを正しく割り出すところから始める必要があります。
例えばこれを、定性的な側面から見るとどうでしょう?
・面接官のスキル不足
・アトラクトがうまくできていない
・エージェントとの関係構築不足
・選考ハードルのズレ
などなど、、目に見えない部分が大きく、ちょっと短期で変えるのは難しそうですよね。
もちろん大事なことではあるので、定性課題の深掘り&対策をすることも大切です。
それに対し、一定数を担保することは短期でも可能です。
・採用チャネルやターゲット層を増やす
・具体的に要件ラインの一部引き下げ、母集団の大きいところにスカウトを打つ
・エージェントブリーフィングを一定の期間、一定の回数を行う
など短期で取り組める打ち手が多いのは数をストレッチする動きなのです。
数値的な仮説をクリアしてるのにも関わらず、どうしても結果が出ない場合定性的な課題に取り組むという順番の方が結果が出やすかった、と言うのが私の経験です。
(まあ、いろんなケースがあるので具体はぜひ相談してください笑)
ポイント①でお話しした、決めたはずのKPIでPDCAが回らず変更が重なり、結局未達成になったり再現性のない採用活動になてしまう要因は、率を上げることにこだわって大元の数の担保のための動きを取れていないことが多いです。
ポイント③
採用に関わるメンバーは、KPIの意味を理解しているか?
ここまで、採用KPIのゴール設定の仕方、遂行の仕方、そして遂行する上で率よりも数に着目し追っていくことが必要であることをお話ししました。
このロジックをまず1番理解し、想定外の場合も臨機応変に率と数を見定め行動量をコントロールする必要があるのは、もちろん人事リクルーターとして採用をリードする方になります。
しかしこのロジックは、実際に手を動かす採用メンバーや現場の面接官、人員計画を定める経営層に至るまで、採用に関わる全ての人が理解しているに越したことはありません。
採用という多くの人が関わることで複雑化しやすいプロジェクトは、ある程度全員が共通認識の元自分の役割を認識し、自分の行動が次にどんな結果につながり最終的な実績を生むのかという共通理解があるだけで、微細なPDCAを回しやすく、KPIの崩壊を防ぐことができます。
なので、開示できる情報の制限は必要ですが、「採用定例」と呼ばれる会議には、リクルーターだけでなく、事業責任者はもちろん面接官となる方の出席もおすすめします。
ホットな情報をきちんと共有して、他者を巻き込み採用を賑わせることも、リクルーターにとって大事な仕事です。
ポイント④
その採用計画は、事業部と連動しているか?
そして最後に、とても大切なことが事業部との連携です。
ポイント①でお話しした明確なゴール設計が、本当に各事業部の状況に即した目標なのか対話し、時には提言することが人事という立場では求められます。
例えば、採用計画に対し現場の育成が間に合っておらず実はその人数の新入社員を受け入れることが不可能な場合もあります。
また、職種によっては繁忙期があり、採用のオフシーズンが生まれることもあります。その場合、繁忙期と同じKPIで採用を行うのか?リクルーター、人事の工数をどのように使うのか?などは議論するとより生産性の高い採用活動ができそうですよね。
採用という観点から事業部のオーダーや採用計画が現実的なのか見定め、ファクトを持って事業部と折衝することが大切です。
最後に
今回は、「意外と知らない、採用を科学するKPIメソッド」というテーマで人事ノウハウを紐解いてみました。
とはいえ、HR領域に関わる方やもしかしたら営業職の方も、実は日々当たり前に実践している内容だったのではないかなと思います。(すんません)
人事や採用という、人と人の結びつきで複雑化して見える業務も、実はシンプルに数字に落とし込んで進んでいけるということが、改めて読んでくださった方の活力につながれば幸いです。
フリーランス人事としてKPI設計やノウハウレクチャーもしているので、各社の課題に合わせて壁打ちすることも可能です。
いつでもお気兼ねなくご連絡ください!
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