頼んでいないものが次々届く恐怖
那珂です。
今日は、学校ICTの話です。
先日、校内の先生が集められ、研究の話し合いそっちのけで 一本の動画を見せられました。
「・・・ん。なんだこりゃ。聞いてないよ・・・」
いきなり今年の春から導入されるシステムの紹介動画でした。
L-Gate と MEXCBT
なんとなく想像はつきましたが、また、いきなりだよ。。。
MEXと、CBTとくっついた言葉なので、想像はできました。
で、L-Gate って何だ?
調べてみたら、大手商社が中心となって作っている学習プラットフォームなのですね。
先行して使用している学校が相当数あって、来年度から、本格的な運用が始まる模様。
それから、MEXCBT は、文科省が進めているテストシステム。
学力状況調査なんかを、これで実施したいということのようで。。。
学力状況調査って、新学期始まってすぐじゃなかったかい。。。。?
30分の動画でしたが、わかったような、わからなかったような。。。
その後、自分で調べてみましたが、
SIS(校務システム)とLMS(学習支援システム)のハブがL-Gateと考えて良さそう。
それらのデータをつなぐのが、One Roaster というものなのですが、
これもまた、開発中ということで、一般教員には情報が得られず、何も知らされていない感じです。
私の勤務地は、校務支援システムと、学習プラットフォームが全く連動していませんし、公務支援システムは「支援」になっていないくらい、使いにくいなあと思ってしまいます。
そして、何年もしないうちに、コロコロとシステムが変更されて、操作もその都度覚えなければならない。
一人1端末がスタートしたときは、google をプラットフォームにして、Google Educationをメインに使っていくんだろうな、と思っていました。
だから、googleの資格を取ろうと思っていたのに、取得する間もなく、変わってしまうなんて、、、、。
L-Gateから、既存のプラットフォームを使用することはできるのですが、今までのように必ずgoogleを経由する必要がなくなります。
端末がgoogle クロームである必要もないわけで、全国の教育機関がL-Gateに置き換わっていけば、その他のプラットフォームは、駆逐されてしまうのは明らかです。
国内ではいくつかのプラットフォームがあるのですが、教科書の選定と同じように
一般教員、下々のものには選択の余地は与えられていません。
なぜ、どのようにしてそのプラットフォームが選択されたのかの説明は一切聞いていないのです。
それも、モヤモヤする原因の一つなのかもしれません。
私たちが必要としているのは、業務削減、人員不足の解消です。
高校入試の手続きのほとんども、中学校教員が行っています。大量の入学願書を点検し、各学校に提出、その後の大量の書類のやりとりなど、IT化が進んでもほとんど変わることはありません。
全国的に見ても、受験生本人が志望校へWEB出願し、中学校は調査書を渡すのみ、という地域が多いのかもしれませんが、今の勤務地の中学校で、進路業務は大きな負担であることに変わりありません。
現場が望んでいるIT化のニーズと、上から降りてくるIT化のシステムが乖離していると感じるのは私だけでしょうか。
今、人手不足が深刻な介護職について、上野千鶴子先生が次のように言及しています。
「不足する人材を外国の実習生に求め、IT化をすすめ、オートメーション化によりその問題を解決しようとしているが、それは全く根本的な解決にならない。」
これはまさに、教職のマンパワー不足の解決方法と重なっている、と感じました。
私たちが必要としているのは、対話のない授業ではありません。
複雑な操作が必要なシステムでもありません。
世の中から求められるままに現場に降りてくる、○○力を詰め込むような
カリキュラムでもありません。
私たちが望んできたICT化とは、果たしてこれなのだろうか?
現場の声は、届いているのだろうか?
これから、中学校の教育現場は、私の望む方向へ進んでいくのかどうかとても不安に感じています。
新しいシステムが採用されるたびに、私はどんどん不安になるのです。
頼んでいないものが、次々に届く。
自分で頼んでいないから、何が入っているのかわからない。
受け取り拒否もできないままに、段ボールが積み上がっていくような
そんな恐怖にかられてしまうのです。
これは、正しい方向なのだろうか?
積み上げられた段ボールを開ける気力も無く、
その段ボールに押しつぶされてしまうんじゃないだろうか。
現場の不安を取り除くことが、
ICTの推進には、何よりも欠かせないことだと思うのですが。
#教師のバトン
#L-gate
#MEXCBT
#ICT
この記事が参加している募集
サポートありがとうございます。頂いたサポートは、地元の小さな本屋さんや、そこを応援する地元のお店をサポートするために、活用させていただきます!