虫よけチンキ 収穫と調合
畑でハーブ園をつくっています。有志数人と手入れをして、ハーブの活用の仕方をゆっくり試しながら、無理なく暮らしに役立てています。ハーブは1株からでもたくさん採れるので、何人かでやると、余すところなく楽しめます。
春のハーブは、5月から6月にかけて最盛期をむかえます。涼やかな紫色のラベンダーはこぼれんばかりに咲き誇り、セージやマロウ、カモミールなど、どの花もきそうように花を咲かせます。ハーブの花の紫やピンクは神秘的で奥深く、鑑賞用の花のそれとは、何かがちがう。華やかだけど、自然の素朴さがあります。ラベンダーにしても、マロウにしても、花をつんであげることが、株の負担を減らすので、花をつむ罪悪感はなく、まるでそれがわたしの生きものとしての役割のようにさえ感じられます。
その元気なハーブたちをつかって、みんなでチンキを作りました。昔、ヨードチンキという消毒液がありましたが、チンキとは、ハーブを濃度の濃いアルコールにつけて薬用成分を抽出した簡単なお薬のような液のことです。
虫よけに効果のある、つみたてのハーブを、それぞれ好きなだけ瓶につめていきます。この時期は、和のハーブの代表、ドクダミの花もあります。花や草をつんできて、瓶につめる作業は、子どもの頃のような自由な楽しさ。綺麗にもりつける必要はないのに、みんな嬉しくて、綺麗につめていきます。
これだけで、同じものを入れていても、きっとちょっとずつ、じぶんにあった調合になっているような気がします。魅惑的な香りをはなちながら、様々なハーブが瓶のなかに閉じこめられていく。
ハーブをいれたら、ウォッカをしずかに注ぎます。蓋をして、時々様子見に振りながら、あとは冷暗所で1か月ほど寝かすだけ。つみたてのハーブの薬用成分がじっくり、ゆっくり、溶け出していきます。
今まで虫よけスプレーは、同様のハーブを煮出して作っていましたが、チンキを作るのは初めてです。チンキのパワーを感じるのが楽しみ。次回記事に続きます。