モノづくりとブランディングの関係とは?
良いものを作っていればブランドは育つ??
今回は日本の得意なモノづくりとブランディングの関係について触れておきたいと思います。
まずは、高度成長期まで過去に遡りましょう。かつては、追いつけ追いこせという掛け声のもと、戦後復興から特需などの力を得ながら、経済は右肩上がりに成長し、そのうち、世界各国に方を並べるほどになりました。その成長の原動力の一つは、世界を相手に競争できるモノづくりでした。その成長の先には、バブル経済という盛り上がりを見せて、弾けてしまいましたが、このモノづくりという価値観は、実はずっと(今でも)日本の産業の勝ち方とされてきました。
さて、このモノづくりとブランディング、なんの関係があるのだろう?と思った方は少なくないのではないでしょうか。実は、モノづくりとブランディングはかなり影響し合うものなのです。多くの方が日本は過去よりモノづくりが得意だと認識しているので、
良いものを作っていればブランドは自然と育つ
と考えがちなのです。しかし、これは全然違っていて、良いものだけも作っていてもちっとも強いブランドは育ちません。
良いものの定義を今一度確認してみよう。
確かに、オンリーワンの突き抜けたベネフィットを持った商品やサービス、誰もが真似をできないテクノロジーなど、ブランドを形作るために、かなり重要な要素であることは事実です。しかし、問題なのは、日本における「良いもの」の定義なのです。
世界中で稀に見る30年も続くデフレ。30年といえば、干支が二回り以上回ってしまうくらいの多く世代がデフレが当たり前の環境の中で経済活動をしてきてしまった影響なのか、
良いもの=安くて品質の良いもの
ということを信じてやまない人が多いのです。ここで、ピンときている人は理解されたと思いますが、この「安くて」という考え方自体がブランディングとは相反するのです。ブランドとは、有形無形の付加された価値のことであって、ブランディングとは、平たく言うと商品やサービスを高くても買っていただけるようにする一連の作業なのです。つまり、安くする、という概念がブランディングにはないのです。
モノづくりをどうブランドに活かすか。
では、どうすれば良いのか?という示唆も実務をされている読者の方々に示しておく必要があると思っていますので、リードの部分のみ、買いておこうと思います。(この部分のソリューションはallcompassで伴走しながら提供しています)上記したように、モノづくりそのものはブランドの大切な一要素ですし、良いものでない商品やサービスをブランデイングするのは相当に困難を極めます。ただし、モノづくりの方向性を今の時流に合わせてきちんとアジャストをしていく必要がある、ということなのです。決して、価格が高くて価格競争力がない=マイナスポイントとして考えるのではなく、マーケティング的な視点で市場を分析していくことが求められます。その際、必要なのは、「高くても売れている」という事実から目を離さないことが大切です。