見出し画像

ほかほか蕗ごはん~居酒屋ぜんやシリーズ1

紙の本を読んでいたとき、「みをつくし料理帖」という本が好きで、全巻読んで、テレビドラマも、映画も見るほどハマった時代小説だった。

それ以来の時代物の人情料理小説の扉を開けてみた。

Audible25冊目になる。

30代の頃は時代小説には抵抗があったのだが、前述のみをつくし料理帖から、料理小説に限っては抵抗がなくなった。

というより、好きになったのだ。

Audibleをはじめてからも、何度かこの「居酒屋ぜんやシリーズ」を聴くべきか悩んだんだけど、なるほど、このシリーズは人気出るわ、早く次が読みたい気持ちになっている。


御家人の次男坊で腕っぷしに自信がなく、ウグイスの扱いで一家の家計を支えている只次郎。

その只次郎が、あるきっかけでふらりと寄った居酒屋ぜんやから物語ははじまる。

そこには何やら訳ありで料理上手な女将さんのお妙と口うるさい年増のお勝で切り盛りしている。

後々、お妙とお勝の関係性もわかってくるんだが、この3人を取り巻く近所の人間との人情話だ。

どうしても比べてしまうが、「みをつくし料理帖」も人情話ではあるんだけど、居酒屋ぜんやの方が、柔らかいというか、ご隠居さんや小僧さんなんかも出てきて、落語に近い世界観で描かれているような気がした。

まだまだエピソード1の段階なので、なんとも答えにはならないけど、読了感(聴了感)は爽やかで面白い。

こういうスラスラと入ってくる小説は、早く次が読みたいんだけど、このシリーズばかり続けて読むと、偏った読書感想になりそうなので、月に1~2冊にしておこう。


それにしても、みをつくし料理帖も然りなのだが、居酒屋ぜんやに出てくる料理もどれも旨そうでおなかが空く。

考えさせられるような、小説の間にこのシリーズを入れるとバランスが取れそうな気もする。

Audible25冊目、とても秀作でした。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集