朝の魔法
朝にハマっている。
もこがごそごそする音で目が覚めて、むくっと起きるとそのまま上着だけはおって散歩に出かける。
前はきっかり5時に起きていたのに、もこはわたしが仕事をやめてから、「もうちょっと寝てていいよ」と言わんばかりに30分から1時間ほど寝坊するようになった。もこが起きないとわたしも起きない。目覚ましは何カ月もかけていない。
いつまでも交代してくれない夏の暑さがいろんなところでネタになっていたけど、秋分あたりから急にちゃんと秋めいてきてすーっと風もすずやかになり、毎朝玄関のドアを開けるときわくわくする。
ウォーキングしながらすれちがっていく顔なじみの人は、相も変わらず今日も同じコースを淡々と歩いていて、いつも同じような笑顔でおはようございます、と声をかけてくれる。1時間くらい寝坊したはずなのに、あの人も涼しくなったから起きる時間、遅くしたのかな。
トテチテ歩いているもこの背中に今登ったばかりの朝日がさして、今日ももこは元気で歩いてくれてるんだなぁ、と世界のいろんなものに感謝したくなる。なんでこう、朝は神聖な気持ちというかおごそかな気持ちみたいなものに自然となれるんだろう。朝をのぞいて一日のうちのいつだったとしても、こんなにおごそかな気分にはなれないと思う。
毎日変わる空の色とか、風とか、田んぼの広がる風景とかをひとしきりながめて気が済んだら、散歩から帰ってきてごはんをあげる。おなかがいっぱいになると丸まって寝始めるもこをながめながら、noteを書きたいときは書いたり、白湯を飲みながらぼーっとしたり、きのうの夜のうちに来ていたLINEを返したりする時間がめちゃくちゃしあわせだ。朝のルーティンがおわったあとのぼーっとタイム。この時点でまだ6時台か、7時台なのだ。魔法。
前は仕事前のギリギリまで寝ているうえに朝が大嫌いだったわたしは、朝ごはんなんか当たり前に食べられなかったのに、早くから起きているとちゃんとお腹が空くようになったので、最近は朝ごはんも作るようになった。
卵焼きか、目玉焼きか、卵かけごはんか。どれも捨てがたすぎる。なんでこんなに卵って美味しいんだろう。永遠に食べても飽きない。あ、ゆでたまごもいいよな。たまごってまじで無限の存在。塩か、マヨネーズか、醤油か。朝ごはんに卵をどんな形態で食べるかって永遠の問いだからこれからも一生悩んでることになるんだろうな。
もこが来なかったら朝の素晴らしさを一生知ることもなかったかもしれないので、犬と住むってこんな副次的な良いこともあるんだなあと思う。
そろそろおなかが空いたので、朝ごはんを食べて、一日を始まろうと思います。