夏の祖母の味。
夏に田舎とか実家とかを近く感じるのは、盆と夏休みのせいだろうな。
小学校時代から高校生時代まで、多感なころ、それも学校もない非日常的な時間をすごしたところだから。
中学卒業まで親とマトモに暮らしたことがなく、祖父母の家でくらしてた、ぼくの多感なころ。
夏になると、祖母はきまって紫蘇(しそ)ジュースをつくってくれた。
赤紫蘇からつくる、キレイな色のジュース。
彼女さんと、夏だねー、そうめん食べたいねー ゴーヤチャンプルー食べたいねー なんて話をしてるとき、ふと思い出した紫蘇ジュース。
カゴメさんのホームページ見ながら作ってみた。
(クックパッド先生もいいんだけど、調味料を出してる会社のホームページのレシピっておいしいイメージ)
◇
赤しそ300g。西友で350円くらい。
あらって、大葉(緑いろの紫蘇)3枚くらいと一緒に沸騰させた水に入れて煮込む。
…台所に立つ祖母の光景を思い出す。
庭からモッサーと赤紫蘇とってきてた。頭に手ぬぐいまいてた。
ぼくがいま使ってるのはニトリのステンレス鍋。祖母がいつも使っていたのは金色のアルミ鍋だった。よく豚汁とか作る、こんなやつ。
いつも、ドリフで上から降ってくるやつみたいって思いながら見てた。
あの時はでかく見えたけど、もしも2つの鍋を比べたら、実はおなじくらいの大きさなのかもな。
15分経過。ワインみたいな色になる。
紫蘇をこして木べらでしぼる。
(しぼったやつは乾かしてふりかけと佃煮にしちゃう)
赤紫蘇って煮ると緑色になるんだ。らんま1/2か。
マジかよっていう量の砂糖(500g)を弱火にかけながら溶かして、溶けたら冷ます。
お菓子作りコーナーにあるクエン酸を入れて(リンゴ酢でもいけるらしい)、
きれいな色になったらできあがり。
水とかソーダ水で割って飲むのだ。
◇
…うまー。
ばあちゃんの味だ。
そういえばばあちゃんは牛乳でわってたな……それは、今日はいいや。
(飲んだあとのコップがエグいのをよく覚えてる)
一人暮らしでこんなんつくるわけもなく、じつに22年振りに飲む。
祖母が他界して17年。
あの時いっしょに住んでた家も、何年か前に取り壊されてなくなった。
生きてるうちに、結婚した姿も孫の姿も見せられなかったな。
思い出したら、盆も彼岸も、墓参り5年くらい行ってないな。
いろいろ、ごめん。今年は行くから。
カラコロン。
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