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72:途上国で生活することの難しさ / メンタルの維持

 Bonjour!

 途上国での生活で難しいのは「メンタルの維持」だと思っています。

 最近の私は無気力な日が多いことに加えて、何もないのに涙が出る(多分生理前)、体が全く動かない、何を食べても「美味しい」と感じなくなってしまっているなど、我ながらマズいな…と。

 先月はついに1週間引きこもりました(発熱や祝日・土日もありましたが…)。元同任地の先輩が「1ヶ月引きこもったことがある」と仰っていましたが、私にもその時期が来たかーという感じ。

 でも、「モチベーションは保って頑張りたい」という気持ちはもちろんあります。

 今回の記事はそうなってしまった要因と解決策を客観的に分析していきます。

1個25FCFA=6円のオレンジ
20個購入し、実だけにして凍らせて食べるのが
マイブーム


 ①選択肢のなさ

 食べ物・娯楽が全くない。

 日本からたくさんの調味料などを持ってきましたが、そもそも食材(肉・魚・野菜・乳製品)が手に入りません。

 私は基本何を食べても「美味しい」と感じることができて、毎日同じものを食べていても平気な人間でした。

 しかし選択肢がたくさんある日本で生まれ育った私にとって選択肢がないことは想像以上に堪えるんだなーと。

 お洒落なカフェ、ましてや娯楽施設があるわけでもありません。自分が望んでここに来たはずなのに、日常的に美味しいものを食べている他国隊員のSNSを見て「いいなー」と思ってしまう私。弱!

 あとは、毎日毎日3食の食事を1人で食べることは日本ではなかったので、そういうのも「美味しくない」に繋がっているのかもしれません。

 選択肢がないことなんて、一番分かっていたことのはずなのになー。

 「3食フルーツと水だけで十分」という感じですが、何とか無理やり食べている日々。


 ②家にいる生き物たち

 Gはまだ3回しかみたことがないものの、最近はネズミとの戦いに心身共にやられました。

 夜中に遭遇し、寝れない=生活リズムが数日狂ってしまい、余計にイライラ。しかもまだ退治できていないという…。

 ちなみに蟻は撲滅済み、蜘蛛・ヤモリとは同居しています。

 ③狭いコミュニティ

 ベナン人と分かり合えないのはすぐ諦めがつきます。言語も生まれ育った環境も違うのだから。

 しかし、日本人に対してはそうはいきません。

 数少ない日本人=分かり合える相手だと勝手に認識=勝手に期待してしまっている以上、これがかなりのストレスになるのです。

 同じ日本人だからって考え方は人それぞれ。

 そんなこと頭では分かっているし、日本にいたときは「苦手な人とは最低限しか関わらない」主義で上手く(?)やっていましたが、ここでは…。

 「協力隊で一番大変なのは日本人同士の付き合い」だといろんな人から聞いていましたが、今ではその意味がすごくよく分かります。


 ④暇

 日本ではあり得ない、無いものねだりの贅沢な悩みですね。

 社会人になって時間がないのはもちろんのこと、学生の頃も数時間暇な時間がある=バイトを入れるという日々を送っていたので、時間がある今、何をしたら良いのか(フラ語勉強しろ)。

 ベナンは全国で時間割が統一されており、算数はどの学校も10:30〜12:00と決まっています。午後は先生がそもそも出勤しない=学級崩壊状態なので、学校に行ったところで…。もちろん行く日もありますが、言語関係なく指示が通らない(叫ぶ・走り回る等)100人規模の子どもたちを何時間も相手にするのは無理です。


 ⑤逃げ場がない

 ベナンの国土は日本の3分の1の大きさしかない上、治安的に一部の地域しか行くことが許されていません。日本で例えると愛知県+岐阜県の半分くらいの大きさ。

 どこへ行っても同じ景色・同じ食べ物。

 観光地もほとんどないので、逃げ場=リフレッシュする場所がないに等しいです。

 そして、乗合タクシーの移動も心身ともに毎回かなりやられます。


 (⑥自宅)

 数ヶ月前から同居をしています。

 寝室・トイレ・シャワーは別なのでほとんど問題ありませんが、電話やキッチンを使う時間等一人暮らしの時に比べて気を遣うのは事実です。

 彼女はとても良い方ですし、私が同居のOKをJICAに伝えたのですが、異国で他人同士の同居はできるなら辞めた方が…と思います。活動以外のストレスはできるだけ0にした方が良い!

 私たちが今派遣中の全世界の隊員で唯一の同居隊員だと思われます。


 (⑦インフラ)

 停電・断水が当たり前の日常。

 しかし、ベナン生活も9ヶ月目。停電や断水になっても慣れて何も感じなくなりました=ストレスではなくなりました。しかも、私の任地はナイジェリアとの国境付近ということもあって、比較的停電時間が短いし(電気はナイジェリアから輸入している)、断水の頻度も少ないです。

 洗濯機・クーラー・電子レンジ等々がない生活もすぐ慣れました。

 しかし、一般的にインフラが整っていないことはストレスの大きな原因になるので記載しておきます。 


 (⑧活動においての価値観の違いと語学)

 言うまでもないですね。

 しかしこれは覚悟していたことですし、本来のストレスなので問題なしです。一方で、派遣人数を増やすことに重きを置いているJICAに対してどうなのかなと思うことがあるのも事実です(他国の隊員で同じ配属先で同じ職種の人がいるので…)。

 そして私は語学の習得が大の大の苦手です。人より頑張らないと。

上京して食べたカツ丼が本当に美味しかった
8000FCFA=2000円

 解決策を自分なりに考えてみました。

 ①休む

 無理な日は休めばいいと思っています。それができるのも今だけ。

 必要とされていなし、いても困らない存在なので(私の場合)(職種による)、心身が壊れる前に休みましょう。


 ②家族や友人に頼る

 私は結構な頻度で電話します。

 ガラケーしかない10年前の隊員生活は考えらない!


 ③運動をする

 簡単な筋トレやストレッチは毎日やるよう心がけています。

 食事的に?どんどん筋肉がなくなる我らベナン隊…。


 ④自分に課金する

 普段の生活は節約しています。お金を使う場面もないですし。

 しかし、上京した時くらい美味しいものを食べてリフレッシュすればいいと思います。物価は日本の倍以上するのですが、必要経費です。

 ドラマや映画が見れるように課金するのもありですよね。


 ⑤読書をする

 JICA支所にはたくさんの本が置いてあり、それらを借りることができます。

 国際協力関係の本を中心に読んでいます。

 ⑥任国内・任国外旅行に行く

 国内旅行は行くところが無いと言っても過言ではないですが、もっとベナンを知るためにも隊員がいる地域は全て回ろうと思っています。

 そして、私達隊員は20日の上限で日本を含む海外旅行が認められています。私も11月に家族とタンザニアへ行く予定です。

 外の空気を吸うとまた新たに頑張れるのでは?と個人的には思います。

 ⑦任期を短縮する

 これは最終手段ですし考えたこともありませんが、鬱になるくらいであれば任短すればいいと思っています。

 実際任短する隊員の話はたまに聞きます。

元ベナン公邸料理人のレストラン
上京するたび行ってしまう月一のお楽しみ

 私が趣味がないのが問題ですね。笑笑

 絵とか裁縫とか家でできる趣味があればなあ。

 いろいろありますが、家から一歩外へ出ると「先生〜!」「なお〜!」と子どもから大人までたくさんの人が声をかけてくれます。

 ベナン人の人と人との距離の近さに救われることが多々あります。

 とにかく悔いのない隊員生活が送れたら…そして自分の言動が誰かのきっかけになれば。それだけです。

 ぼちぼちいきましょう。


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