代わりに消えるのなら
大好きな短歌のひとつ。
江戸雪は現代歌人だが、この句を読むと戦時中に生きていた人なのかと錯覚する。
大事な君の代わりに戦争に行ってあげるとは。
ここで思い出すのが中学時代の生物の先生。
彼は言った。自分が世界で一番大切だと。
だから、自分と妻とでどちらかひとつの命しか選べないとしたら、迷いなく自分が死ぬと。
妻のいない世界を生きたくなんてないから、と。
このふたつの物語は矛盾している?
君のかわりに僕は死ねるよ。
君のいない世界ならいらないから僕が死ぬよ。
それだけ君が大好きなんだ。
これを書いていて、短歌の魅力を思い出した。
虫武一俊が大好きだ。穂村弘ももちろん。
配送料を2000円かけて、欲しかったシチェードリンの翻訳を日本から取り寄せた。
1940年の岩波文庫だ。
そこにおそらく同時代と思われる講談社学術文庫のしおりが挟まっていた。
いいねえ。
雑記: 最近の散文っぷりがすごい。