【詩】南浪(みなみ)、琉球を去る朧月
遠く南浪(みなみ)から離れ
朧月のように
靄の向こうに隠した本心
山脈にそびえ立つ
強気な言葉は
罪の意識の裏返し
だけどもう自分の足で
歩くと決めたから
私のことは心配しないで
心配される程に
自分の無力を思い知らされて
何も信じられなくなるから
もうそっとしておいて
いまの君に願うのは
子を一番に思う親であることだから
私のことは遠くに置いて
君は、私のようなつまらぬ者の
嘘と色恋沙汰に進言はしなくていいから
自分の愛する琉球が
子が妻が親が友が
何より君自身が
魂を奪われぬ為だけに
韻を踏まねば
「この国は最低だ」と
思うのは当然だから
押し付けられた理不尽を
許すことはしなくていいから
私から自由になってと
窓辺から射す月光に祈る日