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北野武監督の性癖ダダ漏れ!? 映画『首』 2023/11/23公開

※以前Filmarksにて掲載したレビューを、やや修正して再掲する


★★★☆☆


この映画の主役は誰だ?

北野武監督が意図したものか否かは不明だが、
映画『首』は、主役不在の映画であった。
そして、北野武監督の性癖丸出し映画でもあった。(後述する)

予告動画で、にゃーにゃー言っている加瀬亮を最初に観た時から、
劇場に行こうと決めていた。
その加瀬亮が主演かと勝手に思っていたが、そこまでではなく、かといって、
ビートたけしが主演でもなく、西島秀俊でも、中村獅童でもなく…。
本当に「主役不在」だった。
このことが、良いとか悪いとかでは無く、ただただそう感じた。

北野監督の癖丸出し映画

映画には、性的な意味に限らず、監督の所謂”性癖”が
そのまま表れているものが偶にある。
この映画は、その代表格と言っても良いかもしれない。
ここでいう性癖は、性的な趣味嗜好のほか、
強い拘りや思い入れなどを指すこととしたい。

普段は大御所のポジションで、風格もある俳優が、
経歴などから見たら格下と言える俳優に暴言を吐かれながら、
尚も媚びへつらい、へらへらと笑っている画が撮りたいとか、
はたまた、主役級の同性の俳優同士が、
誰にも言えぬ道ならぬ恋をしたりだとか…。

普段はせいぜい、頭の中で妄想するだけで、
口に出すなら、友人や職場の人間からの信頼がなくなることを覚悟しなければならないようなことを、平気な顔をして自ら堂々と映像に落とし込んでいく。
それを私は、監督の自慰映画と勝手に呼んでいる。
ちなみに、酷い言い方に聞こえているかも知れないが、
私は自慰映画は嫌いではない。
大抵の人が隠したがることを、世界に向けて発信してしまうとは、
なんて可笑しな、面白い人だろうかと思うからである。

あなたは性癖を面白がれるか

よって、この映画は、人の色んな意味での性癖を面白がれる人と、そうで無い人、自身の癖とは一致せずに拒否反応が出てしまう人とで、好き嫌いがハッキリと分かれると想像する。

北野武監督は、そもそも自慰映画を撮りがちだと思っていたが、
『首』はその最上位にあると言っても過言ではないだろう。

こんなにも脱線して長々と書き連ねたが、結果的には、
この映画は悪くないなというのが、私の持った感想である。

ここまで読まれた方はいないでしょうが、一言・・・
本編、ちょっと長い!!!
故に3点とする。


1997年生まれ、丑年。
幼少期から、様々な本や映像作品に浸りながら生活する。
愛読歴は小学生の時に図書館で出会った『シートン動物記』から始まる。

映画・ドラマ愛は、いつ始まったかも定かでないほど、Babyの時から親しむ。
昔から、バラエティ番組からCMに至るまで、
"画面の中で動くもの"全般に異様な興味があった。

MBTIはENFP-T。不思議なまでに、何度やっても結果は同じである。
コミュニケーションが好きで、明朗快活な性格であるが、
文章を書こうとすると何故か、Tの部分が如何なく滲み出た、暗い調子になる。(明るい文章もお任せあれ!)

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