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「一息」#インスタントフィクション

お久しぶりです。卒論に追われており、心の余裕がないnankaです。
なかなか本を読むこともできなくなり、読んだとしても、ここに書くくらい感想を深められずにいます。

そんな中、友人の勧めでピースの又吉さんのyoutubeの企画「インスタントフィクション」をみてみることに。又吉さんの解説に度肝を抜かれると同時に、友達よろしく自分も書いてみたいと思いました。400字という短い量で書けるので、アイデアさえあれば一瞬で書けるのが魅力的です。

拙い文章ですが、感想などいただけると喜びます。


一息

朝7時、僕は今日も玄関の扉を開ける。
二人の男女に手を引かれ、駅へと向かう。
8時には駅に到着した。見送ってくれる男女を、僕は名残惜しく思った。

僕の職場には、バスで1時間、電車で30分、地下鉄で30分かかる。
どの交通機関も満員。ひしめき合う空間を僕は必死に耐えた。

地下鉄を降りるともう10時。職場まではレンタサイクルで40分もかかる。
一息つく暇もなく、迷いながらも、なんとか職場にたどり着いた。

12時。同僚の女の子と少し遅めのランチをした。
初めて会ったがとても気が合う。これから一緒にやっていけそう。
まだまだ一息つくには早い。

退社は5時。僕は彼女と一緒にタクシーで帰ることにした。

「とっても楽しかったよ。ありがとうね」
「こちらこそ、ありがとう」

彼女は自分の家へと帰った。どうしようもなく切なかった。
もう少しで一息つきたい。

8時43分。どうしようもなく疲れて、家の前で倒れてしまった。
真っ黒なコートの男に支えられ、家に入る。

促されるまま入った自分の家で、僕はひといきついた。

「何してたんだっけ」


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