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個別最適な学びについて考える(5)ー小金井正巳,森川久雄(1975)行動目標と授業の科学科ーから
今回は授業の目標の視点から個別最適な学びを考えていきたいと思います。事前に目標の話をしてからでもいいかなと思いましたが,ゼミで話題になった本がこちらでしたので,目標に関することが書かれている基礎的な本の紹介はまた今度にしようと思います。
個別最適な学びだけでなく,授業での目標というものは非常に重要だと感じさせられるばかりです。何となく教科書の目標のままにしておくと,できる子・できない子に差が生まれ,結果的に教室内がバラバラになっていくということを経験したことがあります。そのため,絶妙な目標が大事そうです。
そこで今回は,「小金井正巳,森川久雄(1975)行動目標と授業の科学科.明治図書,東京」を読んでいきたいと思います。
授業目標を明確化しなければならないという要求は授業,つまり,教授学習過程が成功したかどうかをどのようにして確認したらよいかという,教師の立場から要求されている.
これには,教育ということをどのようなして解釈したらよいかという,教育観の間題が根底に積わっている.
従来,教育は,教師が,生徒にこうなってもらいたい(行動の変容) という意図を持って,生徒に働きかける活動というように解されていた.
教師の立場から要求されることが多いとは思いますが,子どもの立場から考えても要求されるのではないでしょうか。
学習進度もその子のスピードと言われている中で,どこがゴールかということが明確化されていることは非常に重要なことだと思います。
学習指導要領で教師が見ているゴールを子どもたちにも見せてあげて,一緒にゴールを目指していくことも重要なのではないかと考えます。それが難しければ,教師用の教科書くらいの粒度で見せてあげることもいいのかなと思います。
ゴールが明確化されているだけでも,学習方法等人によって違っていくような個別最適な学びの世界では,明確がより必要になってきそうだなと考えました。
行動目標の難易度は,まず第一に,どう目標としてとらせようとするのか,いいかえれば,どういう行動的動詞で表現するかということによってきまる.Foxによれば,一般的にいって,内容が同一であれば,次の5段階が区別できるという.段階が進むほど難しいわけである.
レベル 1:模倣する,複製する,同じことを反復する
レベル 2:気づく,同定する,億い出す,分類する
レベル 3:対比する,関係づける,譲別する,再設定する,解説する
レベル 4:説明する,正当化する,予測する,推計する,解釈する,
批判する,推論する.
レベル5:創造する,発見する,再組織する,新しい問題や仮説を提起
する
このように動詞によっても目標のレベルは変わっていくと思います。自分の示している目標が如何に明確でなかったと考えさせられると共に,自分の学級はこの単元でどのレベルだったらこの行動目標にできそうかと考えることができます。
簡単すぎてもダメで,難しすぎてもダメなので,実態を掴む必要があります。
目標は難しい部分ですが,この後の振り返りにも影響を与えるとても重要なものです。今だからこそ,自分の授業の目標を見返してみると面白いですね。(こういうことを言って自分の首も絞めています。笑)
今回は長めに書いてしまいました…。次回の記事は読みやすいようになるべく短めにします。それではまた次の記事で!
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