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試合になると緊張してしまうのはなぜ?

「練習のときは気持ちよく打てるのに・・・」
いざ試合となると、緊張してしまって練習どおりのプレイができないと悩んでいませんか?

テニスは、素晴らしいテクニックを身につけていても、それを発揮できるメンタルがなければ結果が期待できないスポーツですね。

ここでは、試合で緊張する原因とその対処法を解説していきます。しっかり自分に向き合って、緊張を意識しながら試合に勝っていきましょう。

緊張する原因

どうして試合になると緊張してしまうのでしょうか。
試合になっても練習と同じように生き生きとプレイしている人を見ると羨ましく思ったり、「こんな自分はダメだ」と思ったりしていませんか。

まずは代表的な緊張の原因を3つ紹介します。
試合で緊張するときの自分を振り返ってみてください。

結果を意識してしまう

緊張を生み出す大きな要因として、結果を意識することが挙げられます。試合に参加するのですから、誰でも「勝ちたい!」と思うでしょう。しかし、その気持ちだけに心を支配されると緊張状態になってしまいます。

プレイ中に「勝てるかも」や「このままだと負けてしまう」と試合後の結果ばかりを考えてしまうと、心が緊張し始め、やがて体も緊張し始めます。練習のように伸び伸びとしたプレイはできなくなってしまうでしょう。

試合の結果は1ポイント、1ポイントの積み重ねによるもの。1つ1つのプレイに集中することが、勝利への道を築くのです。

新たなチャレンジをしようとする

試合中、練習していないプレイをしようとしていませんか。普段の練習では諦めてしまうようなボールを追いかけたり、やったことがないプレイに挑戦したりすると、緊張が生まれます。

ふと思いついて、「できるような気がする」と勘違いするだけで、心は俄かに緊張状態になってしまいます。

試合で活かせるプレイは練習で培ったプレイのみ。努力で身につけたプレイだけが試合で有効なプレイです。

不安な気持ちになる

プレイ中「どうしよう」と幾度となく考えていませんか。「どうしよう」の言葉が頭から離れない状態に陥ってしまったら、もう緊張は止まりません。

「ミスしたらどうしよう」
「負けたらどうしよう」
「相手がミスしてくれない、どうしよう」
「決め手が見つからない、どうしよう」

自分のプレイに自信が持てず、「どうしよう」に取り憑かれたようになってしまうと、心も体も極度の緊張状態に陥ってしまうのです。

不安に心が支配された状態では、ドキドキが止まらず、プレイに集中するのも難しいでしょう。

緊張は敵ではない

緊張している時、体は交感神経系がスイッチオンの状態になっています。交感神経系が活発に作用することで、体内エネルギーが燃え、パワーがみなぎり、やる気もアップ!

緊張状態は、人間が外敵から身を守るための防衛本能として備わっている機能で、脳や筋力の働きが最大になる仕組み。つまり試合で最高のパフォーマンスをするのに最適な状態と言えます。

「勝つぞ!」「頑張る!」と強く思えば、交感神経系の働きはますます活発になり、鼓動が速くなったり、血圧が上昇したりします。

一方で、緊張し過ぎると、筋肉がスムーズに動かなくなったり、腹痛を起こしたりと気持ちよくプレイできなくなってしまうことも。過度の緊張は精神的にも肉体的にも良くありません。

適度な緊張。それこそが試合に必要不可欠な状態なのです。

緊張を味方にする方法

緊張を味方にすれば、試合でも練習どおりのプレイができるはず。では味方にするにはどうしたらよいのでしょうか。

ここでは、緊張と上手に付き合う方法を紹介します。
日々の生活の中に取り入れて、習慣化するのがおすすめです。

「今、ここ」を意識する

緊張を味方にする方法の1つ目は「今、ここ」に集中することです。

例えば「ミスしたらどうしよう」と思いかけたら、今、目の前にある黄色いボールをしっかり見て「このボールを打とう!」と思い直しましょう。

また「次のポイントを取ったら、勝てる!」と思いかけたら、「今、ここ!」と思い直し、ラケットに視点を落としながら、次の準備に取りかかるようにしましょう。

人は「どうにもならないこと」を考えると不安な気持ちになります。私たちの体は不安を感じると防衛本能が働くようになっているので、緊張するのです。不安が大きければ緊張の程度も大きくなり、伸び伸びプレイできなくなってしまいます。

「どうにもならないこと」とは、自分で変えようのないことのこと。例えば過去の事実や未来のこと。起こったことはもう変えようがありませんし、これから起きることなど誰にも分かりませんね。

先に緊張する原因として挙げた3つはすべて「どうにもならないこと」です。これから起きることを少しでも考えると、不安な気持ちになり緊張状態が始まります。最高のパフォーマンスをするには、不安な気持ちは最小限にとどめておきましょう。

先のことを考えている自分に気づいたら、今、目の前にあるものに視点を移し、今の気持ちに思い直すことで、不安がスッと消えるはずです。

アファメーションを活用する

アファメーションとは、「肯定的な自己暗示」のこと。理想の自分に近づくよう、自分に言い聞かせることで、よいパフォーマンスを実現する手法です。

例えばサーブを打つ前「ファーストサーブはしっかり打てる!」と呟いたり、エラーをした後に「大丈夫、大丈夫」と呟いたりすることがアファメーションです。

アファメーションとして使用する言葉は肯定的な言葉にすることがポイントの1つ。「しっかり打とう」ではなく「しっかり打てる」と断定表現にすることも大切です。ミスした時には「大丈夫、それでいいよ」と自分を許す表現も有効です。「苦手」「ミス」などのネガティブな要素が含まれないように注意しましょう。

アファメーションは実際に声に出さず、口パクでもOK。言葉を唱えるときに拳を握りしめたり、お腹に手を当てたりするなど、動作を決めておくのもおすすめです。

セルフコンパッションを心がける

セルフコンパッションとは、自分を愛おしく思い、大切にする気持ちのことです。素晴らしいショットを打つ自分もミスばかりの自分も、同様に大切にしてあげましょう。

ミスをした時「こんなミスばかりして私はダメだ」と自己否定すると、不安な気持ちになり緊張は高まります。自分の気持ちを立て直すには、まずミスした自分を受け入れてあげることが大切。「ダメだ」と否定感情からは一歩前に進むのは難しいのです。

否定せず「ミスしちゃった」と、まずはミスした事実を認め、それから「ミスしてもよし!次のポイントに行こう」と「今、ここ」に意識を向けると不安になりません。過度の緊張にならず、集中してプレイできるでしょう。

どんなプレイでも、どんな精神状態でも、試合中の自分を否定せず、「これが自分なんだ」と受け入れることで、どんな状況でもネガティブにならずプレイを続けられます。

先にあげた「今、ここ」の集中やアファメーションが存分に効果を発揮し、よいパフォーマンスができるでしょう。

まとめ

試合で良いパフォーマンスをするのに必要な緊張。しかし緊張とうまく付き合えないと、集中できなかったり、思うように体が動かなかったりします。

緊張し始める原因は、頭の中で考えている「どうにもならないこと」かもしれません。未来のことが頭に浮かんできたら、ゆっくり息を吐き出しましょう。

「自分はできる!」と自己暗示をかけ、「今、ここ」に集中です!

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