☀太陽の子【創作童話】
ボクは太陽の子。
いつもこんなに悲しいのに、どうしてボクは『明るい』んだろう……。
いつも、いつも、どうしてなんだろう……。
※
今日もイヤなことがあったよ。
友達の雲くんはたくさんの友達を呼んで、ボクの前をさえぎるんだ。
毎日ボクのことを待っているノボルくんに、今日も会えなかったよ……。
その日の夜、ノボルくんの友達の人形くんが、ボクに会いに来たんだ。
ノボル君がキミに会いたいから「明日こそちゃんと会いに来て」って。
ボクだってノボルくんに会いたかったのに、ボクの気持ちも知らないんだもんな……。
※
今日はノボルくんに会えそうだったのに、やっぱり会えなかったよ……。
雨雲さんがボクの前でお仕事を始めたんだ。
雨雲さんはみんなのためにお仕事しているから「ちょっとどいてよ」とは言えなくて、けっきょく今日も夜になっちゃったよ……。
今日も会えなくて、ノボルくんは怒っているのかな……。
明日こそちゃんと会いに行くからね。
※
今日はノボルくんのところに行けそうだったよ。
でも、けっきょくノボルくんには会えなかった。
ノボルくんの家まで行ったんだけど、ノボルくんはなぜか家から出てこなかったんだ。
いつもいつもノボルくんとの約束をやぶっちゃったから、ボクは嫌われちゃったのかな……。
なんだか、悲しい気持ちになっちゃったよ……。
でも、その日の夜に人形くんがボクに会いに来たんだ。
ノボルくんはキミに会いたがっていたんだけど、ノボルのママがキミとは「会っちゃいけない」って言われたらしいんだ……。
どうしてだろう?
ボクはノボルくんのママに嫌われているのかな?
だからボクは、人形くんにたずねたんだ。「どうして?」って。
人形君はこう答えたんだ。
ノボルくんのママはキミのことは嫌いじゃないって、むしろキミのことは好きなんだって。
ノボルくんのママに嫌われていないだってわかったら、ホッとしたよ。
それなら、どうしてだろう?
人形くんは続けてこう言ったんだ。
「ノボルくんがキミに会うと病気になるからキミに会えないんだ」って。
???
ボクに会うとノボルくんは病気になるの? どうして?
その日の夜、ボクはいつもにまして悲しかった……。
昨日のこともあって、今日のボクはいつもより元気がなかった。
だから、ノボルくんの周りの人たちは、寒くて寒くて、厚着をしていたよ。
その厚着をしている中にノボルくんを見つけたんだ。
だけど、ノボルくんは頭も体も洋服に包まれて、肌の部分が全部隠れていたんだ。
ちょっと変で、ボクは笑っちゃった。
でも、ノボルくんがこんな服装をしているのは、ボクのせいなんだって、すぐにわかったよ。
ボクに会うと病気になっちゃうからなんだね……。
だから、その日はノボルくんに会う勇気がなくて、今日は遠くからノボルくんを見ていたんだ。
※
その日の夜、ボクが悩んでいたら、太陽のパパがボクのところに来たんだ。
パパはすごく大きくて、いつも真っ赤な顔して怒っているみたいだけど、ほんとうはとても優しいんだ。
パパはボクにこう教えてくれたんだ。
ボクは元気がありすぎるんだって。
でも、ボクが元気がありすぎるのと、ノボルくんの病気はどう関係するんだろう?
ますますボクは悩んじゃうよ……。
※
まえまえから思っていたんだけど、ボクにはイヤなことがあるんだ。
毎日、毎日、スプレーやエアコンなどからフロンくんが出てきて暴れているんだ。
フロンくんたちが暴れるから、ボクの友達のオゾンくんたちが、たくさんどこかに引越して行っちゃうし……。
オゾンくんたちは、フロンくんたちが苦手なんだね。
オゾンくんたちがたくさんいたことろは、みんな楽しく外で遊んでたのに、最近はあまり遊んでいないんだ。
さみしいな・・・。
※
日に日にオゾンくんたちはいなくなっていったよ。
そして、日に日に暑い日でも、頭や体も厚着をしている人が多くなったよ……。
ボクは変だと思った。
だって暑いのに、洋服を厚着をしているんだもん。
でも、そのときわかっちゃったんだ。
それがボクのせいだってことに……。
だって、ノボルくんがボクに会うと病気になるって、言われたときのノボルくんのかっこうと同じだから……。
ボクって悪い子なのかな……?
ボクはどうしたらいいのかな……?
もう、ボクはだれにも会いないのかな……?
その日の夜は、すごく悲しかったよ……。
※
さいきん、ボクはだれとも会っていないんだ……。
だけど、ノボルくんのことだけは毎日遠くから見ているよ。
ノボルくんはボクに会えなくなってから、木を植えたんだ。
そして、勉強を毎日毎日がんばってやってるみたいだよ。
※
花は何回も何回も枯れては咲き、枯れては咲きを繰り返してたよ。
植えた木は、もうノボルくんの家より大きくなっていたんだ。
それだけじゃないんだ。
ノボルくんはたくさんの友達を集めて、フロンくんたちをおとなしくする呼びかけをしてたんだ。
ボクはうれしかったよ。
だって、フロンくんたちがおとなしくなると、オゾンくんたちが戻ってきてくれるんだもん。
まるで、ノボルくんたちは魔法使いみたいだよね。
それからまもなくボクは、おじいちゃんになったノボルくんに会えたんだ。
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最後までお読み頂き、ありがとうございました💖
太陽の日差しを擬人化した童話を創作しました🌟
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