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EC CRM(顧客関係管理)|導入メリットや売上を伸ばす活用方法を解説

こんにちは!NA×NAです。

ECベンダーとしての視点から、業界のトレンドや課題を的確に把握し、最適な情報配信を行っています。ECサイト(オンラインショップ)の立ち上げから、売上UPや顧客満足度向上など、EC運営のサポートしています。

EC業界に限らず、幅広い分野・業界の知識を活かして正確な情報配信を心がけています!


ECサイトにおける顧客管理は、売上向上に欠かせない要素です。

顧客一人ひとりのデータを効果的に活用することで、パーソナライズされたサービスを提供し、リピーターの獲得や顧客満足度の向上を図ることができます。

本記事では、ECサイトにCRMを導入するメリットや活用方法、注意点を詳しく解説します。さらに、ECサイトに最適なCRMツールを紹介し、実践的な運用方法を提案します。


CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客情報を一元管理し、既存顧客との関係を深めることでリピーターを増やし、売上拡大を目指す手法・ツールです。

ECサイトでは、商品購入後のフォローメールや割引クーポンなどの施策を通じて顧客満足度を高め、リピーターの獲得を図ります。

また、顧客のニーズや傾向を分析することで、営業、マーケティング、カスタマーサポートの施策改善に役立ち、集客やプロモーション戦略の強化にも繋がります。CRMを活用することで、売上の最大化が実現できます。

CRMとMAとの違い

CRM(顧客関係管理)は、主に既存顧客との関係を強化し、リピーターを増やすことに焦点を当てています。

顧客情報を一元管理し、購入履歴や問い合わせ履歴をもとにパーソナライズされたサービスやサポートを提供することが目的です。主に営業チームやカスタマーサポートが活用し、顧客との長期的な関係を構築します。

一方、MA(マーケティングオートメーション)は主に見込み顧客(リード)との関係を育成し、購買意欲を高めることに特化しています。

大量のリードに対して、メールキャンペーンや自動化されたプロセスを用いて、効率的に関与を深め、最終的には顧客に転換させることが目的です。

MAはマーケティングチームが主に活用し、集客からリード育成までを自動化します。

CRMは既存顧客との関係維持に重きを置く一方、MAは見込み顧客の獲得や育成を自動化するツールです。

どちらも異なる目的を持ちながら、補完的に使用することで、より効果的な顧客管理とマーケティング活動を実現できます。

ECにおいてCRMが必要な理由

競争が激化するECサイトにおいて、売上拡大のためには新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客のリピート化やファン化が不可欠です。

しかし、顧客が一度購入した後に離れてしまうと、永遠に新規開拓を続けることになり、売上は伸びません。そこで重要なのが、顧客との関係を深め、再度購入してもらうための仕組み作りです。

この課題を解決するために、CRM(顧客関係管理)を活用することが効果的です。CRMは、顧客の性別、年齢、購入履歴などの詳細な情報を効率的に把握・分析・蓄積し、One to Oneマーケティングを実現します。

これにより、顧客に合わせたメルマガやクーポン配信などの施策を行い、顧客満足度やロイヤルティを向上させ、リピート顧客やファンの獲得につなげます。顧客との継続的な関係を築くことが、売上の持続的な拡大を支える鍵となります。

ECサイトにCRMを導入するメリット

ECサイトにCRMを導入する主なメリットを3つ紹介します。

顧客情報の可視化と一元管理

1つ目は、顧客情報を一元管理できることです。

これにより、顧客の属性や購入履歴、閲覧履歴、訪問頻度など、さまざまなデータを一つのプラットフォームで確認できるようになります。

例えば、顧客が過去に購入した商品や、サイト内でよく閲覧している商品を把握することで、個別のニーズに合わせたアプローチが可能になります。

また、これらのデータを分析することで、顧客ごとにパーソナライズされたマーケティング施策を実行でき、より効果的なコミュニケーションが可能となります。

業務効率向上

2つ目は、業務の効率化が大幅に進みます。

顧客情報が一元化されているため、手作業で顧客データを確認・更新する手間が省け、営業担当者やカスタマーサポートが迅速に必要な情報にアクセスできるようになります。

例えば、過去の購入履歴や問い合わせ履歴を即座に確認できるため、顧客対応がスムーズに進み、対応時間を短縮できます。

また、CRMは自動化機能も備えているため、定期的なメール配信やフォローアップのタスクなども自動化でき、従業員の負担を軽減します。

このように業務の効率化が進むことで、スタッフはより戦略的な業務に集中できるようになります。

マーケティング効果向上

3つ目は、マーケティングの精度が向上し、効果的な施策が展開できるようになります。

顧客データをもとに、個別のニーズや購買傾向を分析できるため、ターゲット層を明確に絞り込んだマーケティング施策を行うことができます。

例えば、過去に購入した商品に関連する商品を提案するレコメンデーション機能や、特定の顧客層に向けた割引クーポンの配信など、パーソナライズされたマーケティングが可能になります。

また、CRMにより顧客との接点をデータで管理できるため、キャンペーンやプロモーションの効果測定が行いやすく、次回の施策に活かすことができます。このように、データに基づくマーケティング活動を行うことで、売上の向上や顧客満足度の向上につながります。


以上のように、ECサイトにCRMを導入することで、顧客情報の効率的な管理、業務の効率化、そしてマーケティング効果の向上といった多くのメリットを享受でき、ビジネスの成長に貢献します。

ECサイトでCRMシステム選定ポイント

CRMシステムを選定する際には、操作性や視認性、セキュリティ、他システムとの連携、そしてサポート体制などが主なポイントとなります。

これらの要素をしっかりと確認し、自社の業務フローや運用ニーズに最適なCRMシステムを選ぶことで、顧客管理の効率化やマーケティングの精度向上が実現し、結果として売上や顧客満足度の向上につながります。

操作性や視認性は問題ないか

ECサイトでCRMシステムを選定する際、操作性や視認性は非常に重要なポイントです。使いやすいインターフェースは、チームの誰でも迅速に操作でき、業務の効率化に直結します。

例えば、顧客情報やデータを直感的に閲覧・編集できるダッシュボードや、フィルター機能を活用した検索機能など、シンプルで視認性の高い設計が求められます。

複雑すぎる操作は、従業員の使い勝手を悪化させ、学習コストを増加させる原因となるため、直感的に使えるシステムであることが大切です。

また、視覚的にわかりやすいレポートやデータのグラフ化ができる機能が備わっていると、結果を素早く分析し、意思決定がしやすくなります。

セキュリティ対策は十分か

顧客情報を取り扱うCRMシステムにおいて、セキュリティ対策は絶対に欠かせません。

ECサイトでは、顧客の個人情報や購入履歴、決済情報など、非常に機密性の高いデータを扱うため、セキュリティ面に十分な配慮が必要です。

選定時には、データ暗号化(SSL/TLS)、アクセス権限の管理、二段階認証、定期的なセキュリティアップデートの実施など、強固なセキュリティ対策が施されているかを確認しましょう。

加えて、クラウドベースのCRMシステムを使用する場合、データセンターのセキュリティやバックアップ体制も重要な要素となります。

これにより、顧客情報を安全に管理し、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。

他システムと連携は可能か

CRMシステムは、他の業務システムやツールとの連携が可能かどうかも選定の重要なポイントです。

ECサイトでは、在庫管理システム、受注管理システム、メール配信ツール、マーケティングオートメーション(MA)ツールなど、さまざまなシステムと連携することが一般的です。

そのため、CRMシステムがこれらの他システムとスムーズに連携できるか、API(アプリケーションプログラミングインターフェース)やインテグレーション機能が備わっているかを確認することが大切です。

例えば、CRMに登録された顧客情報をMAツールに連携させることで、パーソナライズされたキャンペーンを実施したり、在庫情報をリアルタイムで反映させて注文管理を効率化することが可能になります。

サポート体制は充実しているか

CRMシステムを導入した後の運用において、サポート体制がしっかりしているかどうかは大きなポイントです。

特にシステムに不具合が発生した場合や、設定変更が必要な場合など、迅速にサポートを受けられることが重要です。サポート内容には、電話サポートやチャットサポート、メールサポート、さらには専用のオンラインマニュアルやFAQが充実しているかなどが含まれます。

また、導入後のトレーニングやカスタマイズ支援があると、システム導入後の運用がスムーズに進みます。さらに、システムのアップデートや新機能の提供に関する情報提供も重要です。

サポート体制が充実していれば、システム運用の中で生じる疑問やトラブルを迅速に解決し、業務を滞りなく進めることができます。

CRMでECの売上を伸ばす3ステップ

CRMを活用してECサイトの売上を伸ばすためには、まず顧客情報を徹底的に収集・分析し、そのデータを基に全体戦略を立てます。

そして、戦略に基づいた最適なアプローチを実行することで、顧客一人ひとりに合ったマーケティングを展開し、売上を伸ばすことができます。このプロセスを繰り返し行うことで、より高い効果を得られるようになります。

1. 顧客情報を収集・分析する

ECサイトで売上を伸ばすためには、まず顧客情報を徹底的に収集し、分析することが重要です。

CRMシステムを活用することで、顧客の基本情報(氏名、年齢、性別など)から購買履歴、サイトの閲覧履歴、カートに追加した商品、過去のキャンペーンへの反応まで、さまざまなデータを一元管理できます。

このデータを詳細に分析することで、顧客の購買傾向や行動パターンを把握でき、今後のアプローチを最適化するための基盤が整います。

例えば、どのタイミングで顧客が購買を決定するのか、特定の商品にどのような反応を示すのかがわかると、パーソナライズされた施策を立てやすくなります。データをもとに顧客一人ひとりのニーズを明確にすることで、次のステップでの戦略立案に活かすことができます。

2. 分析データを基に全体戦略を立てる

顧客情報を収集して分析した後は、対象となる顧客が既存顧客なのか、潜在顧客・見込み客なのかによって大きく異なります。

既存顧客を対象にする場合、主にカスタマーサポートやアップセル・クロスセルに注力し、潜在顧客や見込み客にはマーケティングやインサイドセールスに予算を割くのが一般的です。

そのため、施策を実施する前に、対象を明確にすることが重要です。

既存顧客を対象にRFM分析を実施する際は、顧客を「優良顧客」「一般顧客」「新規顧客」「休眠顧客」の4つのカテゴリに分類し、それぞれに最適な施策を考案します。

優良顧客:購入頻度(F)・購入金額(M)が高く、直近の購入日(R)も近い、最も価値の高い顧客
施策例
・限定商品の提案
・コミュニティサイト構築
・レビュー投稿促進
・カスタマーサクセスの提案

一般顧客:購入頻度(F)・購入金額(M)の水準が高く、優良顧客には及ばないが優先的にアプローチすべき顧客
施策例
・継続割引キャンペーン
・アップセル
・クロスセル
・ポイントカードの案内

新規顧客:見込み客から顧客に転換したばかりで、R・F・Mの水準が低い、育成が必要
施策例
・SNSフォロー
・リピート購入特典
・友達紹介キャンペーン

休眠顧客:長期間購入がなく、再来店を促す施策が必要
施策例
・クーポンの配布
・リマーケティング広告
・ポイント失効の案内

3. 全体戦略を基に最適なアプローチを行う

最後に、立てた全体戦略を基に、最適なアプローチを実行します。ここでは、収集したデータに基づいて、顧客一人ひとりに最適なタイミングで適切なメッセージを届けることが求められます。

例えば、過去に特定の商品を購入した顧客には、その商品に関連する新商品や追加商品を提案するパーソナライズされたメールを送信したり、カートに商品を入れたまま購入に至らなかった顧客に対して、割引クーポンを提供して購入を促進するなどのアプローチを行います。

また、広告においてもリマーケティング広告を活用して、以前サイトを訪れた顧客に特定の商品を再提案することで購買の決断を促すことができます。

このように、全体戦略を基にした精度の高いアプローチを実行することで、ECサイトの売上を効果的に伸ばすことができます。

ECの売上を伸ばすCRM施策

ECサイトでの売上向上を目指すためには、CRM(顧客関係管理)を活用して、以下のような課題に対応するための施策を実施することが重要です。

それぞれの課題に対して、どのようなCRM施策を取るべきかを具体的に説明します。

カゴ落ちが多い

カゴ落ちとは、顧客が商品をカートに入れたものの、購入手続きを完了せずにサイトを離れてしまう現象です。

このカゴ落ち率が高いと、せっかく顧客の関心を引き付けた商品が購入に至らず、売上が伸びません。これに対処するためには、リマインダーメールを活用することが効果的です。

顧客がカートに商品を残したまま離れた場合、購入を促すリマインダーメールを送信することで、再度購入意欲を高めることができます。

さらに、リマインダーメールには、限定割引や送料無料などのインセンティブを提供することで、顧客の再訪を促し、購入へと導くことができます。

また、カートに商品を追加した顧客には、関連商品や人気商品を提案するパーソナライズされたアプローチを行うことで、追加購入を促すこともできます。

F2転換・リピート購入に繋がらない

初回購入後のF2転換(初回購入から再購入への転換)やリピート購入が少ない場合、売上の安定化が難しくなります。

ECサイトにとって、リピーターを増やすことは非常に重要です。F2転換を促進するためには、初回購入後のフォローメールを送信し、再購入を促す施策を取ることが効果的です。

例えば、過去に購入した商品の関連商品を提案したり、次回購入時に使用できる割引クーポンを提供することで、再度顧客にアプローチすることができます。また、リピート購入を促進するためには、特典やポイント制度を導入するのが有効です。

リピーターに対しては、次回購入時の割引やポイント還元などのインセンティブを提供することで、再購入を促し、顧客のロイヤルティを高めることができます。

休眠顧客が多い

休眠顧客は、長期間ECサイトで購入していない顧客を指します。休眠顧客を放置しておくと、将来の売上機会を逃してしまいます。

休眠顧客を再度アクティブ化させるためには、再活性化キャンペーンを実施することが重要です。

一定期間以上購入がない顧客に対しては、特別な割引クーポンや限定オファーを提供し、再度サイトを訪問させるインセンティブを与えます。

例えば「クーポン情報などのメッセージとともに、再購入を促すキャンペーンを実施することで、休眠顧客を呼び戻すことができます。

また、休眠顧客にはリマーケティング広告を表示することも効果的です。過去に閲覧した商品や関連商品を再提案する広告を表示することで、顧客の再訪問を促進し、再購入に繋げることができます。

 ロイヤルカスタマーの獲得・維持ができない

ロイヤルカスタマーは、ECサイトの売上の中核を成す重要な顧客層です。

ロイヤルカスタマーを獲得し、維持することは、安定した売上を確保するためには不可欠です。ロイヤルカスタマーを維持するためには、特別な特典やサービスを提供することが効果的です。

例えば、VIP会員プログラムを導入し、限定商品の先行販売や誕生日特典を提供することで、顧客に特別感を与えることができます。

また、ロイヤルカスタマーには専任のサポート担当を割り当て、個別対応を行うことで、顧客満足度を向上させ、長期的な関係を築くことができます。

さらに、ロイヤルカスタマーからのフィードバックを積極的に取り入れ、商品の改善や新商品の開発に反映させることで、顧客のロイヤルティを強化し、より深い関係を築くことができます。

おすすめしたいECサイト向けCRM5選

kintone(サイボウズ株式会社)

サイボウズ株式会社が提供する「kintone」は、業務改善プラットフォームです。ECサイトのCRMとして活用されているほか、コンテンツ管理や受注管理、在庫管理のシステムとしての導入事例もあります。

必要なシステムをノーコードで簡単に作成できるため、自社の業務に最適なシステムの構築が可能です。また、顧客情報管理や問い合わせ管理アプリなど、複数のアプリを連携させて稼働できるのも強みです。

HubSpotCRM(HubSpot Japan株式会社)

HubSpot Japan株式会社が提供する「HubSpotCRM」は、CRMの基本機能を完全無料で利用できます。

100万件の顧客情報の登録ができるほか、ユーザー数やストレージ容量に制限はありません。ビジネスの拡大で高度な機能が必要になる場合は、同社の有料製品へアップグレードが可能です。

うちでのこづち(株式会社E-Grant)

株式会社E-Grantが提供する「うちでのこづち」は、EC事業に特化したCRM/MAツールです。

ECカート・基幹システム・POSデータなど、各システムとの連携機能に優れており、EC事業に必要な機能を網羅しています。顧客分析やLTV分析なども可能です。

LTV-Lab(株式会社LTV-X)

株式会社LTV-Xが提供する「LTV-Lab」は、アパレル・化粧品・食品など、さまざまな業種の通販に対応したCRMシステムです。

リピート率の分析や、シナリオを無制限で設定できるステップメール、カートシステムとの自動連携など、LTVを最大化する機能が搭載されています。

WEBCAS CRM(株式会社WOW WORLD)

株式会社WOW WORLDが提供する「WEBCAS CRM」は、10,000社以上の導入実績をもつクラウド型のマーケティングプラットフォームです。

顧客データベースの作成・運用から、Web登録フォームの作成、メール配信、Webアンケートの作成まで対応可能です。LINE配信やSMS配信、外部システムとの連携もオプションで実施できます。

まとめ

CRMは、顧客情報を一元管理し、既存顧客との関係を深めてリピーターを増やし、売上拡大を目指す手法です。

ECサイトでは、フォローメールやクーポンなどを活用して顧客満足度を高め、リピート購入を促進します。CRMは、顧客の購買傾向を分析し、マーケティング施策に活かすことで、集客や売上向上に繋がります。

また、CRMとマーケティングオートメーション(MA)は異なる役割を持ちながら補完的に活用することで効果的な顧客管理と売上向上を実現します。

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