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捨てて、のびのび生きていく


最近、わたしは捨てることを覚えた。

物理的に物を捨てる「断捨離」もそうなのだけど、ここで言う「捨てるもの」とは、どちらかというと物ではなく「やること」という意味合いが強い。


今までわたしは、多趣味で飽き性で、気になったものには瞬時に飛びかかるけれど、すぐ他のことに目移りして、いろいろなことが常に同時進行している、という生き方をしてきた。

特に大学生の頃はそれが顕著で、「特技はマルチタスク」「趣味は勝負ごとと乗り物以外全部」なんて豪語していたほど、あらゆることに手を出したり、あらゆる場所に顔を出したりしていた。

当然時間は限られているので、タフなのをいいことに睡眠時間をなるべく削って動いていたし、バイトでそこそこ稼いでもいたので、貯金はほぼせずに興味のあることや人、時間に惜しみなく使っていた。


けれど社会人になり、仕事中心の生活になってから、これを続けるのは無理だぞと悟ったタイミングがあった。

平日は朝から晩まで仕事をして、帰宅したらすぐにご飯を食べてお風呂に入って、寝るだけの生活。

それでもなるべく週末は人に会いたいから、平日同様に朝から晩まで予定を入れる。

無理やり予定を入れずに自分の時間をつくれたときにも、本を読んでインプットしたり、Instagramの分析をしたり、自分の振り返りをしたりと、ここでも仕事と同じようにその日のTODOリストを作って動いていた。

そんなことを繰り返していたら、あるとき体力の限界がきた。と同時に、心の限界も突然やってきたのだった。


こうなったときのわたしはとても極端で、もう何もかもすべて投げ出したくなり、「森に一週間くらい篭りたい」か「温泉行きたい」が口癖になる。

そして本当は心も身体も疲れきっていて、しばらくひとりにしてほしいと思うのだけど、断る、ということが大の苦手なので、誘われるまままた顔を出して、終わった後に極度の疲労感と後悔に苛まれる。

最近ようやく自分の時間を意図的につくれるようになってきたのだけど、それでもわたしはやりたいこと、やらなきゃいけないことを常に抱えていて、毎日口元ぎりぎりまでのプールに爪先立ちで浸かっているみたいな日々を送っていた。


少し前置きが長くなってしまったけれど、そんなわたしも、25年間生きてきてようやく「捨てること」を覚えた。

きっかけはダイエットだった。

いくら筋トレや激しい運動をしたところで、食べる量と質が変わらなければ意味がない、ということに気づいて、自粛期間中に人生初の「デザート断ち」に成功した。

わたしは物心ついたときから約20年間、毎日かかさずに食後のデザート(だいたい、アイス)を食べていて、それは歯磨きと同じくらい習慣になっていた。

けれど、いつか読んだ「ぼくたちは習慣で、できている」が頭の中にずっと残っていた。

効果的なのは、新しい習慣をはじめることよりも、既存の悪い習慣をやめることだ、というフレーズが、数年間ずっと頭の中でリフレインしていた。

そこで今回はじめて、「毎日デザートをきっぱりやめる」という、既存の習慣をひとつやめてみた。

それが無事に成功したこともあって、やればできるじゃないかと自信をつけたわたしは、今やるべきこととやらなきゃいけないことをとりあえずすべて羅列して、優先度をつけることにした。


最初は、これが一番と決めても他のことが気になったり、やらないと決めたことに対して誘惑や焦りみたいなものも感じていたのだけど、毎日noteをはじめてからは、それも少しずつ減っていった。

そもそも毎日noteを書くのは物理的にとても大変だし、他のことに気を揉んでいる余裕もないから、気にすることが減った、ということもあるかもしれない。

最近では、色々やりたいことが並行してあるとき、ちょっと待てよと立ち止まり、冷静に考えられるようになってきた。

今はこれが一番優先、あとは同列と考えることで、心が落ち着いて、今はこれに手を出すのはやめようと、意外と自分を納得させられるようになった。

ひとつのことに集中できると、心も安定するし、自己肯定感もあがることがわかって、わたしにとって「捨てること」は、一石二鳥の解決策だった。


捨てるものを決めて絞って取り組んでいることによって、今はだいぶ、精神的にも物理的にも余裕ができた。

そして、今は仕事に加えて、毎日のnoteの更新、英会話、読書を日々のルーティンにしている。

(それでも多いぞ、と思うかもしれない。けれど実際は優先度を決めているので、時間がない時はnoteの更新だけを何がなんでもやる、他は捨てる、という感じで過ごしている。)


最初はnoteの更新だけだったけれど、途中で英会話も追加できたので、ひとつひとつ日々の習慣に組み込んでいけば、少しずつ増やしていけるんじゃないかと思っている。(それでも、また調子に乗ってパンクしないようにだけは注意したい…)

これらが自然に自分の生活に馴染むようになったら、次はここに運動を追加しようと目論んでいる。

大人に一歩近づいた今年は、こんな風に少しずつ自分の性格や生活を見直して、より自分がのびのびと過ごせるように考えて動いていきたいなあと思う。

(なんだか今日は、真面目な話になっちゃった。)


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