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あの恋の物語。

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あのとき私は、たしかに恋をしていた。 届くことのなかった、忘れたくない恋の記憶。
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2019年8月の記事一覧

午前零時の安全地帯

そこは、今のわたしにとって、 この世界で最後の安全地帯地だった。 いつからだろう。 その…

すべてを夏のせいにして

告白された。思わぬ相手から。 それは突然のできごとだった。 さっきまで、出会ったときと全…

夏の蓋は開いたまま

情けないけれど、わたしは、 まだ彼のことを忘れられない。 終わった、なんて格好つけて宣言…

晩夏の夜に

「懐かしい」という感情は、全てを過去に 引き戻す強い引力がある。 あのときの匂い、肌に触…

最初で最後の花火の日

毎年、夏がくると思い出す。 花火大会の帰り道で見た、彼のあの背中を。 あの夏のことは、今…

夏と美瑛と戻れないふたり

美瑛に来た。 もう、恋人同士ではなくなった彼と。 別れる前の、最後のわがままだった。 彼…