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コンビニ店員になると、世界と繋がれる彼女は「コンビニ人間」と呼ばれた。
図書館で借りたある一冊の本。
もともとそれは、わたしが好きな作家さんが読んで自著に感想をまとめたことからわたしも知って「読みたいな」となった。
本を読み進めていくほどに「普通ってなんなの?」と問われている気がした。
例えば、公園でご臨終になった鳥達をみて
「花を添えてお墓を作ってあげる」ことで供養するのではなく、「妹が焼き鳥好きだから持って帰って食べよう」としたり
学校で起こった男子同士の「戦争」がほっといたら止まらないから手っ取り早く止めるためにその子たちにスコップで頭を殴って「戦争」を止めさせそうとしたりするその子は、
世間一般で言うと“サイコパス」かもしれない。
でも、その子は働ける年になって
コンビニ店員としてバイトをする。
バイトのためだけに表情筋を使い、
「みんながどのようにして笑っているのか」
「こんな場面ではどんな受け答えが正しいのか」を学ぼうとする。
作ったお話だから多少の盛られ感は脇に置いておいたとしても、それでも「いや、これはないで、これは…」「サイコパス過ぎん?」って感想が出てくるんだ。
でも、わたしもそんなこと書いていても「普通」という言葉が嫌いで、だからあまり口にしたくないワードの一つ。
わたし以外の誰かもそうであるように。
その主人公の妹が姉に放った一言が、衝撃的すぎた。
体の中を電撃が走るみたいに
今でもまだ、わたしの頭の中に強く残ってるの。
「なんでお姉ちゃんは“普通”になれないの?
カウンセリングに行ってちゃんと“治して”貰おうよ」
妹が放つこの言葉の意味は、わたしは理解できるけど、姉(主人公)の立場からするとどうなんだろうね。
自分は至って“普通”であるつもりなのに
人さまからみた自分は異常なんだと烙印を押されたー
面白くないよね。
だから、反抗の一つや二つもしたくなる。
「わたしは大丈夫、正常よ」と。
これは、現実世界でそこら中繰り広げられてるんじゃないのかなと思った。
例えば、ダイエットしてるんだと自分で思い込みたくて「自分が決めた範囲内で」
食事を制限していたとする。
「あの子みたいになりたいから」
「モデルやアイドルの誰それさんみたいになる!」って、目標をもってそこに向かっていくことには問題ないし、やれば良い。
けど、それがやりすぎのもとになり「ダイエット」から「拒食してる」に移行してるんだって気づくのに時間が掛かる。
で、本人も周りも、それに気づくのに時間がかかる。
…ていうのはほんの一例だけど、
自分以外の人から「あなたは異常です」
って言われることは結構傷つく。
それがたとえ、どんだけ親しい間柄だったとしてもね。
でも、自分の代わりはどうがんばったって早々見つかるもんじゃないし、そんなに簡単なもんじゃいけないと思う。
人には言えなかったとしても、あなたも
この本の主人公みたいに、
人前では言えない純粋な疑問を抱く
「コンビニ人間」であってほしい。
雨の日の夜にまとめる
読書感想文でした📕
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