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『ふーんwwおもしれー男ww』

我が夫は、基本は何の面白みもない男である。

ただ面白くないだけならまだしも、おしゃべりが下手で、普通にした質問にさえ答えてもらえない事など日常茶飯事だ。

『普通の女だったらキレちゃってるね』

などと、ヤレヤレ、こっちが大人になってやるよと、ドヤっているそこそこ奇行種な私が妻な時点で、夫は『おもしれー男』なのかもしれない。


少女漫画によくある台詞『おもしれー女』
の逆版はないのかとか思ってたのよねぇ。


普段、全く面白くない夫が、なんと「おもしれー男」という台詞を私に言わせ(思わせてだな)てくるなんて!!


漫画のあのツンデレ俺様な雰囲気の「おもしれー」とは全く違うけど、おもしれーとこあるんだわ。我が夫。

そう、これは他所様からしたら、本当にくだらない、笑えるかもわからない、妻から見た夫の超身内ネタ話なのである。

『おもしれー男』の実態➀

ある日のファミレス。
ドリンクバーへ向かった夫。
夫が席をたって少ししたら、楽しげな音楽で現れた配膳ロボ。私は何気なく受け取り、『はい、ありがとうね』と、受け取りボタンを押した。
配膳ロボは満足そうに帰路につこうと通路を進んでいく。
そこに、登場する珈琲を持った夫。
私は夫は広いドリンクバーコーナーで待つものと思ったが、彼は構わずに歩いてきた。たぶん、珈琲を見つめていた。こぼさないように。
そして、彼等は出会う。狭いファミレスの通路のコーナーで。
ロボも、夫も、コーナーでアワアワしている。ロボはクルクル向きを変えてその場でどうしたものかと待機しているし、夫はもじもじしつつ凄い大袈裟な避け方(まるでロボに怯えるかのように)をしている。
夫がロボを振り返りつつ歩いてくる。
ロボはまた音楽を鳴らし、お互いホッとした様子。
一部始終を見ていた私は心の中で
『おもしれー男wwww』と盛大に笑い、席についた夫に「めっちゃ面白かったよwwww」と伝えたのであった。

『おもしれー男』の実態②

私が奇行が多いのは以前記事に書いた。お読みでない方はぜひ目を通していただいて、我が夫である。
長年一緒に過ごして思うのが、彼はどちらかといえば堅物で、表情筋も硬い方だということだ。
そんな人なわけで、あまりおふざけな態度というのはとらなかった。
とらなかったのに、とうとう私の奇行が伝染しだしたのである。
ある日、先に寝るといい寝室の布団に倒れ込んだ夫は「ふにゃんっうにゃーねむねむ」と鳴いた。
私は思わず「うん?」と返事をした。
私がそのような鳴き声を出すのは日常茶飯事なので、あれだが、夫が鳴くのは珍しすぎた。
その後もなにかウニャウニャと鳴いている。
私はニヤニヤしながら布団にいる夫を撫でに行く。
「何鳴いてるのーっうるさいー」
ケタケタ笑いながら夫を撫でくりまわして
「はやく寝な」
といいつつ心の中で『おもしれー男』と思った。
キャラにあわないからこそギャップ面白なのだ。


『おもしれー男』の実態➂

これは、人によっては『おもしれー』とはならないかな。
夫が夜勤の日。なので、夜ご飯のタイミングは夫に任せていた。ゲーム画面をみつめたまま、急に夫が「お腹空いた?」と聞いてきた。明らかに文末に「?」があった。なので、「ん?まだ空いてないかなー」というと、もう一度「お腹空いた…?」というのだ。我が家の猫が鳴いていると「お腹空いたのかな」とか言う人なので、猫の事かと思ったが、猫は鳴いていない。試しに「誰がお腹空いてるの?」と聞いたら、なんでかちょっと照れた感じで「んー…俺?」とか言ってくる。
お腹空いたからご飯準備お願いって話だったらしい。
『自分のことなのにクエスチョンマークつけてくるのwwwなんなのwwはぁーwwおもしろっwwwwwあー、おもしれー男』と私は心で盛大に笑い「あははっwそっかそっか!俺かぁwそうだよねwご飯用意しようねぇwwお腹空いたねぇw」声に出して笑って夫を撫でた。夫は照れてニヤニヤしていた。

いかがだったろうか?
我が家のおもしれー男は。
たぶん、これって普段から夫をみていない人からすると『何がおもろいの?』となるんだとは思うんだけどね。笑

思い出したが、彼氏のうちから『おもしれー男』感はあったのだ。
思い出される。街歩きデート。甘党で、外食の好きな夫はお店に敏感だ。
しかし、解せないことがひとつある。
それはカフェを喫茶店ということ。
〇〇カフェと看板に書いてあっても「あぁ、あそこに喫茶店あるね」とか言うのだ。私が「うん、カフェがあるねぇ」と言い直して見ても、お構いなしに「あの喫茶店のホットケーキ美味しそうだね」などと言って譲らない。
この話は、友達には「レトロ彼氏」とか言われてネタになった。
あの頃から、本人はその気がなくても『おもしれー』を生み出していたんだ。


養殖じゃない。天然物。天然のおもしれー男。


私にとって夫は巣穴だし、長く共に過ごせては居るもののアロマンティックな傾向の強い私は夫とも恋愛はしているようでしていない。それでも結婚しただけはあるのかもしれない。
たまにムカつきすぎて『別に離婚しても困らん気がする~』などと思ったりするのだが、なかなかどうして興味深い生態をしているので、今の所ムカつきつつも寄り添って生きていけそうである。


こんな私と一緒に暮らして、絶妙な距離感で付き合ってくれる夫には感謝している。
まぁ、夫も感謝しろ。私だからなんとかなってるんだぞ!!と偉そうにしつつ、これからも年を重ねていけたらいいかなーと思う私でしたとさ。


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