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リモートワークで会社は稼げるのか?
※2020年7月16日 に公開した記事です
みなさんこんにちは!AfterUPDATEのお時間です。
こちらのnoteでは主に私が番組で学んだこと、感じたこと、共感したことを綴っていこうと思います。
今回のテーマは「リモートワークで会社は稼げるのか?」。急速にスタンダードになったリモートワークで企業は業績をジャンプアップできるのか?また、どうすればリモートでも稼げるようになるのかを議論しました。
ダイジェストはこちら▶︎ https://youtu.be/QdsLqChZ-go
多くの企業がリモートワークを実施してから数ヶ月ですがその結果、コロナ後も「原則在宅勤務」と決めた企業もあれば、生産性の低下などを理由に、「基本は出社」という通常通りの出社体制に戻した会社も。
新たな働き方、ニューノーマルとしてのリモートワークは、業務効率化や従業員の満足度向上、企業のDX推進加速などのメリットが挙げられる一方、評価がしにくい点や、社員のコミュニケーション不足、特に長期的でみると、計画的な人材育成が難しくなるという懸念点もあります。
「業種と職種による」は禁止で(笑)、稼げる会社にするためのリモートワーク戦略を議論していただきました。
ゲストはTwitter Japan 代表取締役の笹本裕さん、クラウドワークス 代表取締役社長 CEOの吉田浩一郎さん、ワンメディア代表取締役の明石ガクトさん、そしてポーラ代表取締役社長の及川美紀さん。
TwitterやワンメディアのようなIT・ベンチャー企業から、ポーラのような老舗大企業まで、様々な形態の企業の社長等がこの事態にどう対応しているのでしょうか。
ちなみにNewsPicks Studiosも会議や打ち合わせは専らリモートワーク ですが、やはり企画会議なんかは難しいと感じます。おそらく多くのクリエイティブに従事する方はそう感じている方が多いと思いますが、あーだこーだ、わいわい話ながらアイディアを練っていくような会議はリモートだと厳しいです。「神」企画は対面での雑談からうまれることが多いと言われていますし。
さて、議論の前に抑えておきたいポイントとしてまずはこちらの記事を紹介しています。
【解説】リモートワークはなぜ「歴史的に失敗」してきたのか
https://m.newspicks.com/news/5028152/
過去にリモートワークを試みた企業の中には、収益が低迷し、従業員を結局オフィスに呼び戻したケースもあります。国内だけではなく海外でもそのケースはみられており、その原因は従業員のモチベーションの低下や上司の監視欲などリモートワークには課題があるのです。
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パーソル総合研究所が2万人のビジネスパーソンに行った、リモートワーク実施率の推移をみると、緊急事態宣言直後の3日間でリモートワークを実施した人は27.9%。ですがその割合は緊急事態宣言解除後の3日間で2.2ポイント下がり25.7%にとどまっています。
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リモートワークで働いている人に対して、「このままリモートワークを続けたいか?」と聞いた調査では、およそ7割の人が「続けたい」と回答しており、リモートワークから通常通りの出社体制に戻す会社も増えている一方で、実際に働く人々は「このままリモートワークを続けたい」という人が多いようです。
企業の間でもリモートワークを継続するか、それとも以前のように出社体制に戻すかで対応が分かれています。例えば伊藤忠商事はリモートワークから原則出社としています。サイバーエージェントは原則リモートワークとしていましたが、時差出勤などでの出社を6月から解禁しました。富士通は社員約8万人を対象に原則リモートワークとしています。
一方、ツイッター社は従業員が望めば永続的にリモートワークを可能にしましたが、もともとツイッター社は「世界のどこにいても仕事ができるように」と、リモートワークを推奨していたので比較的スムーズに受け入れられました。
まず前半の「リモートワークで会社は稼げるの?」に対するゲストの意見は
笹本さん Yes
吉田さん Yes
明石さん Yes
及川さん Yes
佐々木さん Noに近い
でした。
ポーラの及川さんのYesに関しては、売り場はリモート対象除外ということですが、ビジョン次第でリモートでも稼げる会社になれるとのことでした。
難しいと思われていた新人育成もポーラではリモートを活用しており、リモート下でも稼げる人材育成に取り組んでいる真っ最中で、それが案外上手くいっているとのことなんです。社員からすれば、研修中、画面越しに社長のお部屋がのぞけるってちょっとレアでいいですよね。
しかし、吉田さんはオンボーディングと呼ばれる新人教育やチームビルディングは、対面がいいとのことでした。また、大企業こそオフィスに行くべきだと。今までの会社は、新しい可能性を広げる作業をオフィスという場で担っていました。リモートになることで失われる機会設計が今後の日本企業に必要になってくるのです。
一方、佐々木さんは「No」。それもその筈、日本ではリアルでないとできない仕事が8割を占めており、リモートでもワークする業種の人はごくわずかに限られています。リモートでも稼げる2割の条件は、プロフェッショナルで、デジタルリテラシーが高く、チーム内での信頼関係がある人。佐々木さんの肌感覚ではリモートワークのみで稼げる人・企業はごくわずかだと言います。
それではこのリモートワークで稼げる会社にするための戦略とは?
皆さんの意見はこのようになりました。
笹本さん Win-Win-Win
吉田さん 自由・約束・気づきの場としてのオフィス
明石さん 動画
及川さん 人材育成→主体性。マネジメントの進化
佐々木さん 50:50 編集思考
笹本さんのWin-Win-Winとは、従業員・顧客・環境が変わっても成長する企業の3つのWinがそろった上でリモートワークでも稼げる企業になります。
負ける(不利益になる)セクターがどこにもいないというのは良いことだと、会場は一致。
オンラインであろうが、ツールや手法が変わっても、「三方よし」というビジネスのベースは変わらないということです。
一方、明石さんの
「動画」という一見するとポジショントークにしか聞こえませんが、笑
歴とした理由があります。
明石さんが代表を務めるワンメディアでは、コロナウイルスの感染拡大を受けて、売り上げがかなり落ちてしまったそうなのですが、現在は一変してリモートワーク下でのプレゼン術が好評で、新規案件を取りまくっているそうなんです。
その極意が「動画」。
リモート下での打ち合わせではまさに動画のような、キャッチーで惹き込まれる、エンタメ要素が成功の鍵であり、物語性が必要であると。その為にはカメラやマイク、スタッフからのカンペ用にモニターなど、あらゆるガジェットを取り揃え、クライアントがまるでひとつの物語(=動画)を観ていたかのごとく、リモートプレゼンを演出されていました。
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こちらが明石さんのリモート打ち合わせスタイル。従業員さんがパンチラインを書いたカンペを別モニターから出すなどして、チーム総出で提案プレゼンに挑んでいます。
そしてキングオブコメントは及川さんの
「リモートを前提とする、ではなく、出社を前提としない に変える」
が選ばれました。
従業員が自分の意思で働き方を選べるようになりました。特にポーラは女性が多い会社で、お子さんがいらっしゃる方はフレキシブルな体制が求められます。従業員の満足というのが、稼げる会社になるひとつの要因であることは間違いありません。
「リモートを前提とした働き方」と「出社を前提としない働き方」。
言い方の違いで、与える安心感は全く変わることに気づかされました。
そして、オフィスの役目が旧来「戦いの場」で在ったのが「憩いの場」に変わりつつあります。
Twitter Japanでは隔週ティータイムとして、カジュアルに話す場をオンラインで設けているそうで、これからのオフィスの役目は、従来の「集う場」という定義の上、新しい価値を提供していく存在になるであろうと。
吉田さんのインタビュー記事を引用させていただくと、今までは理由なく一つの場所(オフィス)にいたことで、一体感やカルチャーが生まれました。しかしリモート下では、目的がないと一つの場所に集まることをしません。
なので経営側がしなくてはいけないことは、従業員の意識的に可能性を引き出す、今ここにない価値を知るために、会うという設計をすることが必要な時代であると仰っています。
また、キングオブ奥井共感コメントは
明石さんの
「クライアントが拍手をするプレゼン」
に決めさせていただきました。
これは人を説得させたり、願いを聞いてもらいたいときに、明石さんのような動画のプロフェッショナルでなくても「相手が拍手をしてくれるくらいのプレゼンか?」というのはひとつの良い軸になると思います。
余談なのですが私の友人のスタジオジブリで働く関係者曰く、ジブリ作品では「地下2階に届ける」ことを意識しているそう。地上が物質の存在、地下1階が感動や怒りで、更にその下の「魂が揺さぶられるレイヤー」のこと。
思わず観客が拍手をするよう作品はこの「地下2階」にあるらしいです。
それをアニメというアウトプットで実現させているのがジブリのすごいところですよね。
ご一読くださりありがとうございました!本編が気になった方はこちらからご覧いただけます!
本編はこちらから▶︎https://bit.ly/2CBuN3j