「私、ここにいる意味ありますかね?」 新しい環境で存在価値に悩んでいた話
「僕って、バリュー発揮できてますかね?」
突如、インターン生から言われた一言に私はハッとした。
当時NewsPicksプロアナを務めていた私は一人のインターン生から相談を受けた。それと同時に自分がアナウンサーになりたての頃、自身の存在価値に悩んでいたことをふと思い出した。
私が悩んでいた頃を振り返ると「何者かになりたい」「誰かに認められたい」そんな想いでいっぱいだった。
思い出すのも恥ずかしい話
新卒で大手アパレル企業で働いたのち、都内のベンチャー企業へ転職するも試用期間で解雇。身長が高いからという漠然とした理由でモデルとしての活動を始めた。
アナウンサー経験がない中、「年収1000万円」という触れ込みのNewsPicks番組オーディションに応募し、初代NewsPicksプロアナとなった。
番組収録の経験なんてゼロだった私はカンペすらまともに読めず、カンペに書かれた『次のコーナーへ』という指示書きすらそのまま読んでしまったことも、、、
はじめてMCを担当した番組はまさかのわずか4回で打ち切りになりその後は「X(旧Twitter)のポストをただ読むだけの係」へ。
出演はわずか数分……。完全に“お荷物状態”
これ以上不相応な報酬は受け取れないと収録時に出されるお弁当にも手をつけられなくなっていた。
しまいには自分の存在価値を証明するべく、
・SNSのプロフィールに少々盛った肩書きを書いてみたり
・奇抜な衣装でMCしてみたり
・うまくいかないことを名前の画数のせいにしてみたり
いま思い返すだけでも嫌気がさしてしまうような間違った方向への行動の数々があった。自分が認められたい。でもうまくいかないのは自分のせいではないと思い込み。
誰かに自分の存在を認めてほしいという思いで、空回りばかりしていた。
「私ここにいる意味ありますかね」
インターンの子が私に相談してくれたように、当時の私もプロデューサーにそんな言葉を投げかけた。
「奥井さんが番組に映っていることが、番組の緊張と緩和になるんです。それに、ツイッターを読むだけでも、どのコメントを選んで発表するかによって、議論の一手を変えることだってあります。奥井さんの選ぶ視聴者の意見が、思わぬ展開を巻き起こす起爆剤になるかもしれません」
この言葉をきっかけに、それとなく選んでいたコメントの選び方が大きく変わり、議論では出てこなかった切り口や聞きたかったけれど聞けなかったことをコメントを通して切り込んでみたり工夫するようになった。
自分なりに番組を視聴してくれるユーザーのことを考え行動することによってゲストがそのコメントに回答することで議論が深まったり、思わぬ方向に話が飛んだり、時にはその回の金言が飛び出たし始めたりした。
このときはじめて、自分ではちっぽけに思える仕事や役割であっても、実は全然ちっぽけではなく、大きな意味があるんだなと思えた。
私たちは案外、自分で自分の価値を決めつけてしまいがち。
それまでは番組における自分の存在価値はないと決めつけていたが、実は自分が思っている以外に価値があったということ。
たとえ与えられた役割が自分の望みと異なっていても、それに全力で向き合うこと。自分の利益だけを考えるのではなく、チームや顧客にどう貢献できるかを優先することが、結果的に自分の存在価値を高めていくコツである。
自分の存在価値に不安に感じている多くの人に届けたく、魂込めて書き上げ ました。
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