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歴史小説「Two of Us」第3章J‐20

割引あり

~細川忠興父子とガラシャ珠子夫人の生涯~
第3章 本能寺の変以後から関ヶ原合戦の果てまで
    (改訂版は日本語文のみ)
    The Fatal Share for "Las abandonadas"


J-20 ~An Invitation From A President~

 朝鮮半島から、ようやく知らせの文が届いた。

 九番隊細川軍は、半島に一番近い島〈壱岐〉にて待機していたが、あまり出兵侵攻が長引くと、細川軍3500名の食料供給にも困窮を起して来る。

 九州征伐の折に飛び地で得た領土(現在の大分県)や、地元九州地区の武将領土からの生活物資は、今のところ枯渇はしないが終戦の目途や目先の情報も心もとない中で、島での待機は中々に、心持が急いてしまうものである。


 ましてや『癇癪持ち』の異名を取る、細川忠興。常々先陣を切って敵に乗り込む細川軍だが、今回の「役」は総大将は七番隊を率いる宇喜多秀家であるため、どうも勝手が違う。

 九番隊は豊臣秀勝が武将として統括する立場であるが、実質経験値の高い忠興が動かしてはいる。
 若さゆえ、血気盛んな面を抑えつつも冷静な判断を望まれる〈しんがり〉を任される事は稀であった。
 さらに、今もって「待機」の指示なのだ。



 そんな折に、ようやく弐番隊の伊達政宗からの書状が、半島からの伝令で、届いたのだ。
 4歳年下の政宗も、似たような立場である。本来単独で伊達軍を率いて活躍してきた政宗も、総指揮者が違えば、なかなかに実力を発揮できないまま従い、忠興に何度か伝令で知らせては来ていた。
 もちろん、愚痴の一つも〈コミコミ〉で。


 あやつも、別の意味で苦戦じゃのう。。。

 忠興は、島の端っこに立つ〈猿岩〉を眺めながら呟いていた。
 渡航によって、半島へ上陸している本隊からの書状が、壱岐の湾へ到着すると、細川軍の湾の番をしていた伝令者から、伊達政宗よりの書状が忠興の手元に渡される。

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