となりの脳世界(読書感想文)
奇妙な現象。私はこの村田沙耶香さんのことがとっても好きになった。でも、この方の作品は私にとってはちょっと怖い。順番として作品を数冊読んでからのエッセイ2冊だったので「なるほど、そういうことであの作品なんだね」ってなりそうだけど、逆だったらショックを受けていた気がする。
エッセイは「そうそう!」って思うことが多くて、こうして人の話だと思って読むと「変わってんな」って思うことも、自分ではどう変わってるのかわからない、そんな感覚が何度もやってきて面白かった。
でも、同じように感じてもそれを濾過して表現する方法は人それぞれ。それもまた面白い。その時に何に注目するか。それもまた面白い。村田さんをとても身近に感じつつも、こうして人それぞれ微細な違いで成り立っているんだって思った。ずばり「となりの脳世界」。同じ場所にいて同じように見ている景色が、実は全然違う。全く違うから面白い。出来たらとなりの人の見える景色を見てみたい。そんな気持ちになった。
私はこの「みんな違う」っていう前提が大好きだ。
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