ままならないからわたしとあなた(読書感想文)
幼児の頃から私のホンシェルジュである娘から勧められた本。いやはや、朝井さんはもう読まないって言ったじゃん、しんどいのよ。本当に。心をぐちゃってされる感じが苦しいのよ。でもね、最近それを欲してる自分がいる、というか普段の生活の中でふと思い出してしまうんですよね。朝井リョウさんの描く方々を。実在の人のように。
以前より同じことを言い続けていますが。朝井さんの人の描写がリアル・オブ・リアル。語り手の登場人物のみならず、そこに出てくる人たちの気持ちがググッと心の中に入り込んできて居座るから、苦しい。
これは娘とも何度もして、その度にうーんと考え込まざるを得ない話題だった。これから(いや既に)AIが人間のコピー、またそれを超えたことを出来るようになった時、私たち人間らしさって何になるんだろう。何をもって私たちは人間なんだろう、みたいな。
それをなんとなく人生の先輩方との雑談で投げかけてみたら「え?それはね、人間だから失敗だらけの未完成ってところよ〜わっはっは」と笑い飛ばしてくださった。深い。深すぎる。さすがは愛すべき先輩方。なんか深刻に考えてたのがバカバカしく感じる。AIと張り合うんじゃなくてさ、この遠回りしたり道草食ったり失敗ばっかりしたり、そこでガハハと笑うことこそが人間...か。
「いや、AIだって失敗するプログラムにしたらちゃんと失敗もできますし、未完成にだってできます」って言いますか?そしたら逆に「じゃ、それはそもそも何のためのAI?」ってなるよな。わざわざお金かけて労力かけて失敗だらけの未完成作る意味がわからないし。
あれ?あれ?っておっちょこちょいな自分、探し物に時間をいっぱい使ってしまう自分。次の場所に行くのに緊張してしまって、体が動かずに遅刻してしまう自分。優しくしたいのに気を遣い過ぎて何もできなかったことを悔やむ自分...
全く合理的ではなくて無駄だらけに見えるけど、それが自分らしさ、人間らしさだとしたら、そんな自分のことがとっても愛おしくなりませんか...って自分に甘過ぎ?
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