なめこ先生@ライター・旅人

小学校や特別支援学校で教鞭を取ってきた鉄道ファンの教員が、旅行記や語学などについて綴っていきます。 元私鉄車掌 あら竹駅弁友の会メンバー 乗り鉄、食べ鉄、駅弁鉄、海外鉄、語学鉄 ライター(幻冬舎ルネッサンス新書)、旅人 MSc in the British university

なめこ先生@ライター・旅人

小学校や特別支援学校で教鞭を取ってきた鉄道ファンの教員が、旅行記や語学などについて綴っていきます。 元私鉄車掌 あら竹駅弁友の会メンバー 乗り鉄、食べ鉄、駅弁鉄、海外鉄、語学鉄 ライター(幻冬舎ルネッサンス新書)、旅人 MSc in the British university

最近の記事

肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#8

#8本当の再開、そして復旧とは? 川村駅を訪れた後、車は人吉市内に戻ってきた。ここで、先生から「山江も見ていきますか?」と打診があったので、せっかくの機会、山江村ものぞいていくことにした。山江村は人吉市内の北側に隣接する村で、やまえ栗の産地としても有名な村である。やまえ栗は大粒の栗で糖度が高く、昭和天皇の献上品にも指定されたことがあるほどの名品で、最近ではななつ星のスイーツでも使われているブランド栗である。山江までは人吉からも車で10分から15分ほどと至近距離にあった。ここ

    • 肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#7

      #7、部分復旧間近のくま鉄沿線を辿る ブルートレインたらぎで宿泊した翌日、黒肥地保育園の先生に9時過ぎに迎えに来てもらった後は、多良木から人吉に向けて沿線を見て回ることにした。出発前、多良木駅付近の線路を見回してみたが、幸い路盤はガタガタにはなっておらず、線路の錆を落として表面を磨けばすぐにでも走らせられるコンディションであった。 線路は湯前まで伸びているが、多良木より東は比較的状態も良好であったので、西に人吉に向けて線路近くの道を走っていく。途中、おかどめ幸福駅で休憩を

      • 肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#6

        6、念願のブルートレインに宿泊 ブルートレインたらぎでの1日は、とにかく日常では味わえない昔懐かし夜行列車の空間を味わうことが出来た。自身、夜行列車に乗った回数はブルートレインよりも583系の方が多く、ブルートレイン乗車については、数えるほどしかないので挙げておく。 ・はまなす 青森→札幌(鉄研の合宿の往路) ・北斗星 札幌→上野(鉄研の合宿の復路) ・銀河 横浜→大阪(帰省) 振り返っても、2015年の定期列車廃止までに乗ったのは僅か3回のみである。これらの3回は

        • 肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#5

          5、多良木の子どもたちとの関わり この取材での宿泊先は多良木にあるブルートレインたらぎにしていたので、そのまま先生の車で現地まで乗せて頂けることになり、チェックインまでの数時間、黒肥地保育園と保育園に隣接する黒肥地小学校の学童に立ち寄ることになった。目的は子どもたちとの関わりとふれ合いである。自身は既にレールサイクルで園長先生と一部の保育教諭の方とは挨拶を済ませていたので、園内へもスムーズに入ることができた。曲がりなりにも積んでいた教員経験が熊本で活かせるとは思ってもいなか

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#4

          4,鉄路再開へのヒントは点在 渡駅の撮影と散策を終えて車は2駅西の一勝地へ向かう。車は球磨川の左岸を走るが、肥薩線はこれとは逆に右岸に線路が伸びている。しばらく走ると渡から先の第二球磨川橋梁が流された跡を見ることが出来た。橋桁は残りの部分も撤去されていて遠目から確認できたのは橋梁の土台部分だけである。撤去された橋桁については災害遺構として球磨村の防災教育などに活用される予定で、既にJR九州から譲渡され村有地に保管されているとのことである。これについては熊本日日新聞の記事にも

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#4

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#3

          3、壊滅的被害の肥薩線を見て 黒肥地保育園の年長さんのレールサイクル乗車を終えた後、子どもたちの昼食を見届けてから先生の車に乗せてもらい、肥薩線の線路沿いを一勝地駅にかけて向かう。当初予定していた計画は、人吉駅でレンタルサイクルを借りその足で渡まで向かうことにしていたのだったが、先生方の配慮によって引き続いて車に乗せて頂けることになり、折角の折ということで区間を伸ばすことになったのである。 肥薩線はくま鉄の状況以上に深刻で人吉から吉松に向かうループ区間でも被害の生々しさを

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#3

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#2

          2,くま川鉄道のレールサイクルを見る 黒肥地保育園の先生の車に駅弁のやまぐちさんで注文をしていた子どもたちのお弁当を積み込み、くま川鉄道のレールサイクルの受付を行っている十島菅原神社に程近い十島菅原第一踏切へ向かう。この踏切は駅間距離の長い相良藩願成寺~川村間の中間に位置する踏切で、幸いにも路盤の流失や崩壊もなくきれいな状態で残っていた。人吉駅からはレンタルサイクルで概ね20分ほど東に行った場所にある。 運休中の線路を暫定的に活用したのがレールサイクル。観光列車やトロッコ

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#2

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#1

          昨年の豪雨災害によって長期運休を余儀なくされている肥薩線とくま川鉄道。「川津波」と呼ばれた想像を絶する被害に襲われたあの時から1年。今の人吉・球磨地方の復旧の様子を写真と現地の方々の証言を多く交えながらありのままに伝えていきたい。また、今回の取材でお世話になったお店や施設、観光地の今の実態についても取り上げ、沿線の活性化に微力ながら寄与できればと考えている。 1,最初は駅弁のやまぐちさんへ 取材初日、前泊をしていた熊本市内から鹿児島本線とB&Sみやざきを使い、新八代経由で

          肥薩線とくま川鉄道、鉄路再開への道#1

          駅弁のお供、汽車土瓶とは?

          かしわめしで有名な北九州の東筑軒が創業100周年を記念して500個限定で発売した汽車土瓶付きのかしわめしは、販売開始から僅か4日で売り切れという大きな反響を呼びました。ここ最近、旅先で汽車土瓶を見る機会が増えていて、令和の時代で懐かしの逸品を見たり手にしたりすることは大変貴重になっています。 汽車土瓶は明治~昭和の食文化を語る上で欠かせない茶器で、駅弁の歴史と並んで鉄道史を彩るとともに、旅のお供として重宝されてきた鉄道の歴史そのものなのです。その汽車土瓶について歴史やそ

          駅弁のお供、汽車土瓶とは?

          鉄道ファンに投稿予定だった「奥出雲おろち号食べ鉄道中記」

          note開設しての初投稿です。既に皆様も報道でご存じかと思いますが、旧国鉄型のディーゼル機関車と客車を使ったJR西日本の木次線のトロッコ列車「奥出雲おろち号」が2023年で運行を終了すると発表がありました。木次線だけでなく島根県の貴重な観光資源として役割を果たしてきただけに、ローカル線の存続という観点でも考えさせられる出来事になるのは確実です。投稿の1回目は2018年の11月にこの列車に乗ってきたときの乗車記をまとめています。鉄道ファンに投稿予定だったのですが、家庭の都合で流

          鉄道ファンに投稿予定だった「奥出雲おろち号食べ鉄道中記」