- 運営しているクリエイター
記事一覧
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -9日目木曜日-
あの日の私に誰とも被らないアクセサリーを。今日は私の作品について
語ろうと思う。
私の作品のコンセプトは、
「世界に一つだけの物語を
あなたの手の中に。」
である。
限定品以外は
ひとつとして同じデザインのものは
作っていない。
また、一つ一つに物語があり、
それを手書きでショップカードに書いて
お送りしている。
何故そうしたのか。
それには訳がある。
世の中にはたくさんの同じ
とあるハンドメイド作家の日常(仮) ー8日目水曜日ー
週の真ん中は気分が落ちる。コンクリートから照り返す
暑い熱にやられながら
職場から離れていく。
辺りはすっかり暗くなったと言うのに
熱は朝方よりも
さらに暑い気がするのは何故だろう。
今日は色々と教わりながら
残業が長引いた。
覚えるのが遅いと言うのもあるが
何より現状、繁忙期に入った為だ。
毎日たくさんの案件をこなす。
頭がこんがらがるほどに。
些細なミスも増えていく。
だけれど前の職場
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -7日目火曜日-
美味いおかずを同時に何品も作る人は神様に等しい。お昼前になると
聞き取れはしないが
事務所内は一気に騒めきが広がる。
周りの飲食店が混雑するため
12時よりも前に移動することが
推奨されている為だ。
お昼のベルがなる頃には
外食派の方々は席には既にいない。
最近節約に目覚めた私は
お弁当を毎日持ってきているので
時間になると引き出しから取り出す。
おかずはいつも、
夜ご飯を多めに作って
1
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -6日目月曜日-
怒りは何も生み出さない。姦しい声で起きろと叫ぶスマホを
人差し指で黙らせて
扇風機で冷えた体を
ゆっくりと起こす。
昔ながらの水銀の体温計を
スナップを効かせながら振り、
脇へと挟む。
5分経過する間に頭を回し、
ボーッとした頭を無理やり起こす。
熱は正常、問題なし。
体温計を元に戻し、
少しボーッとした後、
朝ご飯の準備をする。
食パンを電子レンジに入れ
トースター機能で焼き始める。
そ
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -5日目日曜日-
再構築しなおすとよりイイものが出来上がる。UVライトのコンセントを挿し、
素材を収納しているBOXを座椅子の側に置く。
作り出された冷風で満たされた部屋の
ど真ん中に置かれた炬燵机の上に、
私の歯車たちがコトリコトリと置かれていく。
一昨日作って残っていた
インド風カレーを昼ご飯にして平らげ、
窓からまぶしいほどの光が差し込む午後、
製作を開始する。
8月限定品を1度作り上げたものの、
もう
とあるハンドメイド作家の日常(仮) ー4日目土曜日ー
掃除を始めると隅々までやり始めてキリがない。
家の中で暑さが抜けない部屋が
2つ存在している。
それはトイレとお風呂場だ。
古い上にイマドキ風に言えば
DIY風なうちの古いマンションは、
下に住んでいる大家さんの
知り合いの職人さんが
ちょこちょこと修繕を繰り返しているのか
かなりの手作り感満載のマンションで、
トイレは換気扇がなく、
お風呂の換気扇は
明かりを消すと回らない作りになっている
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -1日目水曜日-
初めて人間になれたと思えるようになった夜の帳はどっぷりと降り、
ジメジメした空気が
肌に纏わりつく夏も佳境に入った頃。
苛立ち隠せぬ会社員の方々と共に、
私は満員電車に揺られて帰路についていた。
20分強という短い電車時間でありながらも
8時間という長い間デスクに向かっていた足は
浮腫みとお友達になったかのように
パンパンに腫れ、
怠さと共に顔は苦痛に歪んでいた。
40歳という節目の年齢、
とあるハンドメイド作家の日常(仮) -2日目木曜日-
頭が破裂しそうなほど考えても何も始まらない毎朝毎夜、電車に揺られ、
たくさんの人々と
短い時間を共に過ごしているわけだが、
このたくさんの人々の中に、
「スチームパンク」という
単語を知っている人は
どのくらいいるのだろうと考えてみた。
おそらくはほとんどいないのだろうと
推測している。
何故なら今までかなりの人に、
私の肩書、
「スチパン魔導具製作家」
を説明した際に、
スチームパンクで