瞑想としてのランニング
下手な瞑想を毎日しています。5-10分が限度で、しかも内容もイマイチです。「今ここに集中する、無心になる」と教科書には書いてますが、頭に浮かぶのは「今日の会議のAgenda・気になったNews・食べたいもの・次Amazonで買うもの…」といった近視眼的な事ばかり。
瞑想は思考や心のトレーニングとも言われていますが、なかなか集中できません。
しかし、ランニング中は似た効果があると実感しています。しかもかなり。
今回は瞑想という切り口でランニングの良さをお伝えします。
この記事の概要:
「ランニングには瞑想的な効果がある。思考が整理され、行動もしやすくなる。その理由と、そのための走り方の工夫。」
ランニングの瞑想的な効果
多くの方が感じられていると思います。「なにかスッキリする」感覚です。有酸素運動に共通する感覚です。体を使っているけれど、心や頭もスッキリする感じ。これをもう少し説明してみます。
大事なことが見えてくる
多量の情報と、自分の大切な事
今の世の中、私達は多くの情報にさらされています。現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の1年分だそうです(引用:https://dime.jp/genre/603611/)
スマホ・ソーシャルメディア・多量のメール…。情報自体はどんどんコモディティ化してます。もはや情報があることは価値ではなく前提だと思います。
これからは「自分視点で大事な情報・自分の考え方」にいかに集中できるかが大事だと思います。でないと些末な情報に覆い隠され、本当に大事なことに気づかない。
宿坊で住職に言われたこと
以前、ちょっとつらい時期があり、宿坊(お寺に宿泊)にいったことがあります。宿坊自体始めてで、住職のお話を聞いたりお寺のお勤めしたりしました。
座禅のアドバイスとして、住職が話した事が本質的だったので印象に残っています。
「自分の心は”海”だとイメージしなさい。海の表面は波立っていて流れも速い、嵐の時もある。けれど、その奥深く深海の部分は常に穏やかで動いてない。そこに下がっていくイメージを持ちなさい。そこが自分の一番大切な場所で、大事なこと・本当に考えるべきことはそこにある。」
(実際に泊まったお寺。霧深い山奥でした)
ランニングと思考
1:絞られる
走り始める直前、頭の中にはたくさんの情報や思考が優劣なく散らばっています。走り始めくると、大事なことだけが残ってくる感覚があります。それは仕事のことだったり、家族のことだったり、色々です。些末なことは姿を消し、大切なことに絞られて行きます。
2:整理される
その絞られたことについて、更に走りながら少しだけ考えてみます。「どうすべきか」「何をしたいのか」「そもそもなんで気になっているんだっけ?」等。
すると一気に事柄が整理されます。例えば「仕事でA or Bで検討してたけど、Cというよりよいオプションがある」という新たな気づきもあります。これは机の上で考えている時にはあまり起きません。
3:行動につながる
有酸素運動の爽快感もあり「じゃあやろう!」という前向きな気持ちになりやすいです。
また、そもそもすべきかどうか迷っていた事も、走っていると「やっぱりやりたい」と思うことも多々あります。
帰宅後にすぐにTo DOリストに書いて、その日のうちに行動に移してしまうことで、物事も前に進んでいきます。
なぜランニングにこの効果があるのか?
自分なりに考えてみました。
オフラインである
今の世の中、オフラインになれる時間限られています。スマホがあれば常にオンライン。私達の思考はいつでも中断したり拡散します。
ランニング中は基本オフラインです。60分だけ走るとしたら60分オフライン。普通に生活していて60分オフラインのことって、少ないですよね。「オフラインかつ1人」という状況は更に少ないです。
オフラインになると、外からの情報が遮断されるので、自分の中に感覚が集中できます。そうすると、脳が自然に考えやすくなる、と解釈しています。
また瞑想では”自分の体の感覚に集中する”ことが効果を高めるそうです。ランニング中も、自分の体を繰り返し動かすことに脳が集中します。静と動の違いはありますが、「自分の体に集中する」というのは共通ですね。
苦しいと多くは考えられない
これは自分の感覚ですが「少し苦しい」ときは大事なことだけしか考えられなくなります。「どうでもいいことをあれこれ考えている余裕が無くなる」ということかもしれません。物事の優先度が自然に付いて、取捨選択される、感じです。
酸素と血流
有酸素運動をすると、脳への血と新鮮な酸素が送り込まれます。脳が活発になり頭の回転が速くなりやすい、状況ができます。
「オフライン、絞られた大事な事柄、脳の活性化」という状況が、大切なことをに集中して考える、ことを促進するのだと思います。
走り方の工夫
このような効果をより感じるための走り方・注意点です。
ゆっくり目で
息が上がるようなペースで追い込んで走ってしまうと、余裕が無くなり、同時に考えることはできません。よく言われるジョギングペース(会話ができるペース)が良いです。
これは絶対的なペース(例:キロ6分)ではなく、人により異なるので主観(感覚)で意識しましょう。むしろペース数値を見ない方が良いと思います。
交通量・信号が少ない安全な道
周りの状況に注意が必要な状況だと、なにか考えが浮かんでもすぐに気が逸れて忘れてしまいます。交通量や信号の少ない、かつ安全な道をできるだけ選びましょう。もちろん、安全な道でも周りの方々への配慮や交通マナーは維持しましょう。
朝ラン
「交通量が少ない・脳が疲れてない(眠いが走ると覚める)・朝のほうがポジティブに考えやすい」 という点でおすすめです。
日の出の朝日があるとさらにいい感じに盛り上がります。
スマホは通知オフ
オフライン時間が効果を高めるので、スマホを見るのは我慢しましょう。スマホ通知が多い方は、走っている間だけ、通知はオフにしましょう。iPhoneなら「おやすみモード」をONにしておけば、その間だけ通知はきません。あと、アラームや目覚ましの解除も忘れずに。
(おやすみモードはランニング中以外にも、集中したいときに使えます。勉強とか仕事の資料作成とか。)
ランニングで思考を深める
瞑想から少し逸れましたが、ランニングには思考を深める力もあります。
様々情報が飛び交う昨今、自分は本当はどう思っているか、自分は何を大切に思っているか、なんかもランニングの最中にフッと気づいたりもします。
迷ったり、悩んだり、なにかモヤモヤするときは、少し走ってみるといいかもしれません。