2023年 11冊目『未顧客理解』
「買わない人=未顧客」を理解する初めての教科書です。
まずこの本の冒頭にある本書の着眼点が面白いです。
日本の市場全体が縮小しているから、売上が下がるのは仕方がない
→NO:あなたのブランド顧客基盤が縮小しているだけ
→浸透率(特定期間中にブランドを1度でも買った顧客の割合)を伸ばしているブランドもある
ブランドのファンを育て、ロイヤル顧客を大事にしていれば、事業が成長する
→NO:ファンやロイヤル顧客だけ大事にしてもシェアは伸ばせない
→売上の半分はブランドに興味がないライトユーザーに支えられている
うちはニッチで勝負しているから、新規顧客の優先順位は高くない
→NO:ニッチで成長できたブランドはほとんどない
→自称ニッチブランドは、一部の顧客にしか受け入れられていない
ノンユーザやライトユーザに対しても、STPやペルソナが有効
→NO:無関心は顧客の属性やプロファイルとは無関係
→ペルソナではなくシャドウの理解とP→T→Sで考える
消費者は不合理。人に心理や行動は無意識だから、理解する事も変化させることもできない
→NO:消費者は(その人なりに)合理的
→我々部外者にとって不合理に見えるだけ
うちは経営陣がプロダクトアウトだから、顧客理解やCXは難しい
→NO:プロダクトアウトでOK
→無関心な顧客を動かす再解釈の技術が有効(この本に載っている)
顧客が参加しているゲームとそのルールを理解する
・未顧客に、サイコロを振ってもらう→その回数を増やす
→CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)を増やす
大切なのは購買行動の規則性や法則性に気づくこと
→満足度やロイヤルティは購買決定要因ではなく、むしろ誤差なのではないか?
→浸透率を増やすゲーム
ダブルジョパディの法則
→マーケットシェアが低いブランドは、購買顧客数も少なく、ロイヤルティも低い
wi(1-bi)=W0
bi:ブランドiの浸透率
Wi:ブランドiの購買頻度
Wo:定数
→購買頻度は、浸透率の関数
→他ブランドのデータを集めれば、これで良いニッチか悪いニッチか把握できる
未顧客理解の5原則
1 文脈が変われば意味が変わり、意味が変われば価値も変わる
鍵穴が文脈、カギがブランド
2 未顧客は本来戦うべき市場を見通すためのレンズである
カテゴリー内の未顧客は、カテゴリー外に広がる本来の市場の一角かもしれない
※ワークマン→機会に気づき、市場を作る
用途から、便益競合から、行動からCEP仮説を立てる
不合理、想定外、工夫や自助、極端、イベント、くり返し、など
3 行動の背後にある欲求、抑圧、報酬から顧客の合理を理解する
きっかけ→行動→報酬:いわゆる習慣の力
4 ブランドの特徴×未顧客にとっての報酬=文脈最適のベネフィット
簡単かつ確実に報酬を得られる
→ブランドの役割は、消費者に考えさせないこと
→ブランドと報酬が結びついている
5 モノの売り方ではなく、モノが使われる行動の増やし方を考える
理由→行動ではなく行動→理由と考えてみる
好きになると好きでい続けるは別
→考え方を変えるのではなく、行動を直接変える
ケースや事例もあって読みやすいです。