【読書感想文】ちょっとお疲れのあなたが読むだけでフワッと癒やされる本
先日発売された精神科医で作家の樺沢紫苑先生の「ちょっとお疲れのあなたが読むだけでフワッと癒やされる本」を読んでみたので感想をまとめます。
表紙を見た瞬間から「心が軽くなりそう」と感じるこの一冊。
この本は「何か行動しろ!」と促すわけではなく「読むだけ」「見るだけ」で癒されるという今までに類を見ないコンセプトで作られています。
イラストが多めで見るだけで「ホッと」したり、文章は短く簡単な言葉で書かれているので「サラッと」読めたりと、本当にお疲れの人が読むのにはうってつけの本です。
まず、見開き1ページにお悩みと答えが書かれているのでそのページを見るだけで内容をすぐ理解できます。
また、章ごとにそれぞれの項目のまとめが書かれているので悩みに関する答えをすぐ復習でき、著者のアドバイスが頭に残るように工夫されているのも驚きです。
さらに、お悩みの項目ごとに著者である樺沢先生のYouTube動画へ飛べるQRコードも付いているので「文章読むのが苦手だな」という方も動画を見ることで書かれた内容を確認することができます。
さて、この本を読んでみて特に気になったところは「人生を楽しんでいる人の共通点はありますか」という質問の答え。
樺沢先生の答えは「人の言葉を素直にニュートラルに受け入れれば新しいチャンスが」というものでした。
何が言いたいのか?
まず、人生を楽しんでいる人はさまざまなことに挑戦して行動している人だということです。
楽しいことは待っているだけではやってきません。
自分から掴みにいかなければ楽しいことはやってこないのです。
だから、自分から楽しいことを掴みに行くよう行動することが大切になります。
この行動を起こすためには「素直にとりあえずやってみる」マインドが必要です。
「素直さ」とは人に何かアドバイスや助言をもらったら「とりあえず」行動に移す「フットワークの軽さ」のことになります。
この素直さを持っていれば今まで以上に人生を楽しむことができるのです。
この項目を読んでわたしも素直になることの大切さに気づいた出来事を思い出しました。
それは持病である統合失調症に苦しめられていた時です。
医者から「あなたは統合失調症です」と言われてから数年はなかなか素直に治療に専念することができませんでした。
「自分は本当に病気なのか?本当は違うのではないか?」
そんな疑問を持ったり、
「治療なんてやっても何も改善しないのでは?」
という諦めが頭をよぎったりしたからです。
要は素直に自分の病気を受け入れられず、また素直に治療を行うことを拒否していました。
しかし、素直にならず、アレコレ理由をつけて治療を避けていた数年間は地獄のように辛かったです。
意欲は出ないし、集中力や記憶力は低下していく、病気の容体は悪化の一途を辿るばかりでした。
「このままでは本当に再起不能になる」
そんな危機感を抱いて少し自分の閉じていた心を開くような、素直になることを試しました。
具体的には「病気について少し調べる、調べてみて効果がありそうなもの
は チョッと試す」と言った些細な行動。
以前より少し素直に行動するように心がけただけです。
そうしてたどり着いたのが樺沢紫苑先生の提唱する「朝散歩」でした。
まず、朝散歩を試してみようと起床してすぐ5分間散歩を試してみました。
「確かに前より若干気分がいいかも」
「じゃあ、次は10分歩こうかな?」
と、樺沢先生のおすすめすることを片っ端から素直に試していきました。
そのうちに「他に統合失調症を改善する方法はないか?」と興味が湧いていき、いろいろ本を読んだり、ネットを検索したりして情報を探して、それを素直に試していきました。
すると、どんどん病状が改善するので「病状が良くなったから何かチャレンジしたい」という気持ちも生まれていきます。
それから、「燻製を作りたい」とか「手芸をしたい」と意欲がもりもり湧いていきました。
そうして人生を楽しく生きれるように変わっていく自分に気づけたのです。
以上のように「素直に」「フットワーク軽く」「行動」すれば人生を楽しく過ごすことはできるということはわたしの経験からも明らかでしょう。
この本に書いてある内容はどれも確実に心をフワッと癒すものばかりです。
でも、ただ癒すだけではなく、読み込めばところどころに散りばめられた「アウトプットする」「朝散歩する」「情報発信をする」といった樺沢先生のメッセージを汲み取れます。
読者を癒すだけではなく今まで樺沢先生が伝えてきたメソッドもほぼ網羅して理解できるのはおそらくこの本が初めてではないでしょうか?
言うなれば「樺沢紫苑のメソッド大全」と言ったところ。
巻末にさらに詳しく知りたい人向けの読書案内も付いているのでこの本は入門書なのではないかと憶測しています。
日々の疲れを癒しつつ、樺沢先生の教えを学ぶのにもうってつけの本書。
ぜひ一読ください。
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