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【書評】モヤモヤしない考え方

モヤモヤする正体は、自分のことを理解する力が欠けていたからでした。

”自己理解”という言葉、流行ってますよね?

人生100年時代。「生きがい」や「価値観」を重要視した一人ひとりの生き方が尊重される時代になりました。個性で生きていける時代になったことはいいことですが、「自分の強みってなんだろう?」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか?

何を隠そう僕もその一人です。数年前から八木仁平さんの『世界一やさしいやりたいことの見つけ方』やけんすうさんの『物語思考』などなど、自分を理解する系の書籍をこれまでたくさん読んできました。

読んで、ワークをやって、行動してきました…

でも、なんか、うーん。。。みたいな気持ちになることが非常に多いんですよね。「これ向いてるかも?」と感じることは多いので実践するのは早いんです。けど、ある程度できるようになると飽きてしまう……

その度に、「また俺はダメだ」ってモヤモヤする気持ちを抱えてしまう。こんなループをこれまで何回も味わってきました。味わうけど解決策がなくて、次のワクワクが見つかったら次に行く、みたいな感じに正直なってました。

なので本書を今このタイミングで読めたことは非常によかったです。

本書は、『この先ずっとモヤモヤしない私になれる』をテーマにした本で、ブッタの2つの考え方を元に心のモヤモヤを除去してくれる1冊になっています。

悩み解決法の2つの神髄

非我:すべてのものは自分のものではない(と知ること)
無明:苦しみの原因について知らない(または、知ろうとしない)

『モヤモヤしない考え方』P5より引用

モヤモヤから解放されて、スッキリした幸福感を感じながら生きていくために必要な概念が「非我」と「無明」です。

この概念を理解する上で大切なキーワードは「期待」です。人は生まれ育った環境で価値観が形成され、何かを判断する時には、この価値観をベースに意識、無意識関係なく判断して行動をとっています。

だから心がモヤモヤするのは、自分が無意識にしている選択が「期待」している結果に結びついていないから感じる、心からのSOSみたいなもんなんですよね。

落とし穴は、無意識の選択だから気づけない。ってところ。

例えば、

  • 仕事の評価は数字で見える結果に依存する

  • という価値観を持った人が

  • 仕事で失敗してしまった時

  • 事実は1つの仕事で失敗しただけなのに

  • 人としても失敗してしまった

  • 「自分には評価に値する価値がない」

  • と自己嫌悪に陥り、

  • 自信が喪失する

みたいなイメージです。

この人の中には仕事の評価=人間としての評価みたいな公式が無意識のうちにできてしまっています。でもこれおかしいですよね?

人間には得意不得意がありますし、そもそも人はエラーを起こす生き物。1つの失敗でその人の価値が決まるわけではありません。

でも、幼い頃から無意識のうちに集団の中で「役割」を見つけて成功を重ねていた経験から出来上がった価値観を持つ人は、偏った負の判断をしてしまう可能性が生まれてしまう可能性があります。

この一例は仕事に関することですが、人間関係のすべての場面において同じような事象はたくさんあると思います。

だからこそ、「非我」と「無明」の2つの概念が大切なんです。1つの失敗の背景には、自分だけではどうにもならないこともあるでしょう。自分でどうにもならないことについて悩んでも、時間と心の無駄です。

どうにもならないことではなく、どうにかなる部分に時間も体力も思考も使ってあげましょう。

そして、もう一つ重要なのが、原因とちゃんと向き合うことです。

失敗した時、どうにでもならないこともあるでしょう。しかし、その背景には自分の気づいていない執着、劣等感、依存の要素が隠れているかも知れません。

自分に期待しているからこそ、自分の理想の姿と比べて「なんで自分はできないんだ」とできない過去の自分に執着する。また、他人と比べて「なんで自分はこんなにダメなんだ」と劣等感を抱く。これらが悪化して、ダメな自分にしがみつくことで自分を保とうと変わらない自分に依存する。

これって、突き詰めると自分から逃げている証でもあると思うんですよね。だからこそ「無明」という概念が大事なんです。

過去のしんどかった出来事+その時に感じたことをセットで振り返り、丁寧に自分と向き合っていく。すぐに自分の奥底にある感情に気づくことは難しいかも知れません。

でも、丁寧に感情を言語化していくことで自分の判断軸、価値観の輪郭が見えてくるようになり、自分が本当に手に入れたいもの、他人に影響されて選んだ未来ではなく、自分の人生の軸が見えてきます。

本書には、自分の辛い過去と真剣に向き合ったことで、自分の本当の人生を見つけた方のエピソードがたくさん書かれており、自分と真剣に向き合う大切さを感じることができると思います。

  • 0か100かで考えてしまう人

  • 他人の評価に依存してしまってる人

  • もっと、もっとと本来の目的を見失って疲れている人

に読んでほしい。執着、劣等感、依存を手放し、今と未来を潤してくれる素敵な1冊でした。

本書は田中よしこ様@yoshikocreamよりご恵贈いただきました。 ありがとうございました!

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