「四大悲劇」の最高傑作🌟シェークスピアの『リア王』②
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第1作目には、シェークスピアの『リア王』を取り上げます。
シェークスピアといえば、世界文学を語る上で絶対に名前の挙がる方。
『ロミオとジュリエット』をはじめとする四大悲劇を世に生みだした世界的文豪です。
現在でも、舞台ではシェークスピア作品が上映されていることを考えると、実に400年以上もの間、人々に作品を愛されてきた方になります。
今回、ご紹介する『リア王』は、シェークスピアの四大悲劇(『ハムレット』『オセロー』『マクベス』『リア王』)の一つ。
シェークスピア作品のなかでも最も残酷な結末を迎える悲劇とも言われています。
『ロミオとジュリエット』『ハムレット』などの悲劇がよく知られていますが、『リア王』は、二十世紀後半には、シェークスピア作品の最高傑作と称された作品です。
それでは、『リア王』の世界へ入っていきましょう!
『リア王』
――人間の飽くなき欲望、許しと回心を描いた悲劇の傑作
ウィリアム・シェークスピア(1546~1616)
【書き出し】
ケント:王はコーンウォール公よりオールバニ公をご寵愛だと思っていたが。
グロスター:みんなそう思っていたのだが、こうして王国をご分割されるとなると、いずれを重んじておられるかわからなくなった。
【名言】
【あらすじ】(後編)
グロスター伯には、正妻の子である長男のエドガーと、妾の子である次男のエドマンドがいた。
エドマンドは、兄が相続するはずの領地を奪うため、「兄のエドガーが父の殺害を企てている」という偽の情報を父のグロスター伯に伝える。
濡れ衣を着せられたエドガーは荒野に逃亡し、身分を隠して狂人に扮し、トムと名乗っていたところ、リア王と出くわす。
そんな折、ゴネリル、コーンウォール公、エドマンドが一堂に会していたところに、フランス軍がブリテンに上陸したとの知らせが入る。
父の窮状を耳にしたフランス王妃コーディーリアが、父を復権させるために進軍したのだ。
ブリテン軍はオールバニ公とコーンウォール公を立てて立ち向かった。
このとき、グロスター伯は、もともとリア王の重心であったため、コーンウォール公の命令に背いて、命を狙われる危険があったリア王の救出のため荒野に向かう。
そして無事、フランス軍が陣営を築くドーバーへとリア王を逃がすことに成功するが、自身の次男エドマンドの密告により、コーンウォール公に捕えられ、両目をくり抜かれてしまう。
一方のコーンウォール公も、「主君の蛮行をとどめることこそ、いちばんの忠義」と考える自身の召使いから、その場で反撃を受け、その傷がもとで、命を落とすこととなった。
このとき、グロスター伯は、リーガンの言葉から、「”長男エドガーの陰謀”が実は濡れ衣だった」ことを知った。
盲目となったグロスター伯は、リーガンにより荒野に放り出されるが、身分を隠したままの長男エドガーによって、ドーバーのリア王のもとに導かれる。
ドーバーのフランス軍陣営では、コーディリアが父王を迎え入れ、恨みなど微塵も示さずに、狂人となっていた王の回復を祈った。
ほどなくリア王は正気を取り戻し、涙を流すコーディリアに、
「どうぞ泣いてくださるな。お前が毒を飲めと言えば、わしはそれを飲もう。
おまえはわしを愛してはおらんはずだ。
おまえにはわしを憎む理由がある」
と言うが、コーディリアは
「何の憎む理由がありましょう」
と答える。
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