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チームビルディング×事業計画×OKR=人材育成
今週はお客様への訪問もスタートしています。新年最初なのでいいなぁと思ったことを書きたいと思います。
これまでの事業計画は・・・
まず前提を整理しておくと、このお客様は大きな組織でそこの販売部門に、コンサルの先輩一緒にと3年前からご支援しています。
今は次の4月から始まる中期事業計画とそれに伴う単年度計画を作成している時期です。それぞれの部で作成したものを、本社経営企画がまとめて精査して修正が入り、最終的な事業計画が完成します。
これまでは人員も少なく、前課長(現部長)が一人で計画の文言や数字を作成して帳尻合わせをしたものを下に下ろしていく形でした。
販売部門なので数字は大事な要素なのですが、「なぜこの数字が下りてくるのか」ということを本当の意味で理解しているメンバーはいませんでした。
なので、店舗からいろいろ言われても対応できないこともしばしばありました。
前年度はそれでも何年ぶりかで売上目標を達成することができました。そして2024年の4月に人事異動もあり新しい課長のもとスタートしました。
ところが、予期せぬ状況もあり本部機能が上手く機能しないことがあり混乱の中でのスタートでした。
OKRで状況を整理
この販売部門は、4つのグループに分かれいて外から見ていると個々でバラバラに仕事をしているように見えました。
それぞれが自分たちの都合で主張している部分もあったように思います。
そんな中、お互いにバラバラなことを言っていても部としての目標達成はできないので、OKRを使ってそれぞれがやっていることを整理していきました。
4つのグループが全部機能することで部として成果が出るということが理解できたようで、新課長から「自分たちのやっていることが整理できました。これがわかれば部下や店舗に指示を出す時に自信を持ってできます」というコメントが印象に残っています。
そして新課長から、中期事業計画を作成しないといけないけど、前課長のようなことは自分にはできないので、みんなを巻き込んで作りたいという相談がありました。
ポイントはOKRと事業計画をつなげること
これまでの事業計画を見せてもらうと立派な文言は並んでいます。しかしこれと単年度目標がどうつながっているのか理解できていませんでした。
新課長には事業計画の表現をいかに、自分たちが普段からやっている仕事に通じる表現にできるかがポイントですということをお伝えしていました。
私たちコンサルが定期的にお邪魔する日程は決まっていましたので、新課長の指示で、その日程は各グループのリーダーは必ず会議に参加するようアナウンスされました。
みなさん忙しいことに変わりはありませんが、そこだけは全員で事業計画を話し合う「場」として設定されたのです。
最初はみなさん戸惑いもありましたが、話し合いを重ねるうちにだんだん自分たちのものになっていったようで、あるリーダーが「これを出しても経営企画にひっくり返されるかもしれない。でも、自分たちの想いをまずは乗せようぜ!」と言っていたのが印象的でした。
上から降ってきたものをやらされるのではなく、自分たちが決めたことをやる。この変化は大きかったと思います。
チームビルディングが目の前で起こっていた
そして前述の年明けの訪問となっています。
売上目標等はほぼ固まっていましたが、利益管理をするために本社からの予算取りもあります。かかる経費などを精査して最終的な数字をくみ上げる段階でした。
今回は4つのうちの一つ、事務課のリーダー層が大活躍でした。
普段は表に出ることはないのですが、それぞれのグループを裏方で支えている人たちです。
「〇〇は値上がりがキツイから、1.3倍の予算を入れておくべきだ」
「この時期に××の費用がかかった。金額が大きいから今回はきちんと入れておいたら」などなど。
他のメンバーが思っていなかった視点で、どんどん意見を投げ込んできます。みんなすごい!という表情で耳を傾け、ワイワイ言いながら数字を完成に近づけていきました。
事務課の方のお話によると、毎年数字目標が出た後に経営企画の精査が入り、辻褄が合わないところがあると「ミスがあるから確認しろ」と言われるそうです。この作業がとてつもなく不毛な作業で時間がかかるのだそうです。
「だからこの数字の作成の段階が理解できていれば、何かあっても対応ができるから、この話し合いの時間は惜しくない」と言っていました。
チームビルディングの話をする時に、個々の強みを掛け合わせるということをお伝えしているのですが、今回は本当にそれぞれの専門分野の知識が掛け合わさって、目標ができあがっていく様子を目の前で見せていただきました。
これが本当のチームビルディングだと思います。
それを人材育成と言うのです
会議が終わってみなさんの様子を見ていると
「大変だったけど、自分たちで触ってみないとできないよね」
「ポイントがわかったから次はもっと早いかも」
若手リーダーの方が
「事業計画なんてどうやって作るのか、さっぱりイメージつかなかったけど、みなさんとやりながら、こうやって作るんだということが理解できました」と話されていました。
ウンウン、それを人材育成って言うんですよ~と心の中でつぶやいていました(笑)
この様子をずっと見ていた部長(前課長)が「なんかみんな急にスイッチ入ったみたいだね」と笑っておられました。
たぶん、この姿を求めていたのだと思います。
この流れが出来上がれば、コンサルとしてのサポートは終わりです。
自分たちで考えて動いていける集団になるでしょう。