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【読書録】四畳半神話大系

はじめに

 森見登美彦さんの四畳半神話大系を読了しました。最初は文体に少し抵抗感を覚えたものの、独特の世界観にすぐに引き込まれました。作中の舞台の京都でありこともあり、おそらく現代であるはずなのにどこか歴史小説を読んでいるかのような不思議な感覚を覚えました。
 主人公がいい感じにこじらせた青春を送っている大学生であり、少し自分の学生時代と重ねながら読むことができました。(自分はここまでこじらせた学生ではないと思いますが。。。。)
 簡単に感想を書きます。(※ネタバレを含みます)最後まで読んでいただけると嬉しいです。

一つの劇団を見ているような感覚

 本作は全4章構成となっており、各章がパラレルワールドのようになっています。登場人物は同じなのですが、起きる出来事がそれぞれ異なります。大きなターニングポイントとして主人公が大学に入ってから選ぶサークルが各章違います。また各章で必ず発生するイベントもあり、そこの文章はおそらくコピペされており、3章くらいになると読み飛ばしても問題ないくらいになります笑。
 登場人物が変わらないため、まるで一つの劇団を見ているような感覚でした。ルートが分岐し、それぞれの選択の結果見られるので恋愛ゲームに近い仕掛けなのかもしれません。あまりこういったタイプの小説を読んだことがなかったので新鮮でした。今まで読んできた本の中で近いギミックだったのは西尾維新さんの「りぽぐら!」ぐらいだと思います。

最終章でのメタ視点

 最終章は主人公の住んでいる四畳半の部屋が無限につながり、80日間その中をさまようという内容です。四畳半の部屋をいくつもさまよう中で主人公はパラレルワールドの自分の部屋がつながっていることに気が付きます。
 最終章にして主人公がメタ認知をするという構成に驚きました。また、この最終章によって各章で発生していた確定イベントの一つの謎が解けるという伏線回収も気持ちよかったです。3章までは特に章ごとのつながりはなく独立したパラレルワールドとして書かれているため、最終章でのいい意味での裏切りはとても面白かったです!!

さいごに

 メディア化もされている有名な作品なので読んだことがある方も多いと思います。今回私が読もうと思ったきっかけは今年の「カドブン夏フェア」にシリーズ最新刊の四畳半タイムマシンブルースが対象書籍となっていたことです。このながれで読もうと思っています!!またほかの著者の代表作夜は短し歩けよ乙女も読んでみたいと思いました!


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