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私の父は躁うつ病⑤

父は真面目で綺麗好きだった
そんな父が病気になり
寝込む毎日
だらしない父になった
ただ生きているだけ
食欲だけはあり痩せることはなかったが
筋力も体力も落ち見た目も年寄りになった
あの頃の父はもういない

うつの日々はひきこもっている
そんな父を見たくなくて
実家に顔も出さない冷たい私だった
ただ母の愚痴を聞くだけの
近況報告だった


たまに父は母に突拍子もない事を
言ったらしい

あのカーテンレールに紐をかけたとか
死にたいような意思表示を
わざわざしていた
母に相手をしてほしかったのか
父の本音はわからないが
母はビックリしただろう
本当に死ぬんじゃないかと
家にいたとしても心配だったらしい

躁は躁の大変さ
うつはうつの大変さ
どちらも母は気が気でなかっただろう
幸い母はひどく落ち込む事はなく
母は母の楽しみがあり
発散できる場があったのが救いだ
しかし発散できたにしても
父にはイライラと当たっていた
そんな母のイライラに落ち込まず
父は生きていた
よかった よかった

私は父の力にはなってあげられず
母を守るしかなかった


弱った父を何年も何年も
見て見ぬふりをしてきた


冷たい娘でごめんなさい


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