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書籍「心の傷は遺伝する」解説-04 トラウマの先祖の範囲

このnoteはアメリカで心理療法の臨床をしているマーク・ウォリンさんという方が書いた「心の傷は遺伝する」という書籍について、阿含宗会員信徒ならではの視点で解説をする連載の第4回目となります。

他者への恨み、病苦、失敗した人生への後悔が、死の間際を迎える本人の心の傷・トラウマとして発生して死ぬと、その想いは阿含宗用語で言うと「怨念」、マーク・ウォリンさんの言葉で言うと「苦悩の衝撃波」となり、世代を超えて継承される。このトラウマを継承する現象を阿含宗用語で言うと「霊障」、マーク・ウォリンさんの言葉で言うと「トラウマの世代間連鎖」と呼びます。
「霊障」「トラウマの世代間連鎖」を受けると「運命の反復現象」、マーク・ウォリンさんは「同化」と命名している現象が発生します。これは恋愛・友情・職業・病気・死に方にといった人生のほぼ全ての出来事について、「霊障」を発している人と同じような人生を歩む現象です。
ここまでを第3回までに説明しました。

トラウマを与える先祖の範囲

直系の先祖

第2回で引用したマーク・ウォリンさんの文章を再び引用します。

私が自らの経験や、研修及び臨床から学んだ事は、答えは、自分の人生にではなく、両親や祖父母、ときには曽祖父母の時代にあると言うことだ。
新聞を賑わしている最近の科学的研究も、トラウマが世代から世代へ継承されることを語る。このような負の遺産は、「トラウマの世代間連鎖」と呼ばれ、最近見つかった証拠は、それがまさに現実の現象であることを示唆している。痛みは時とともに消えていくわけではない。トラウマに苦しんだ人がこの世を去り、その人生が忘れられた後も、その人の心や体に刻まれたトラウマは生き続ける。

心の傷は遺伝する P.7

マーク・ウォリンさんは豊富な臨床経験から、「トラウマの世代間連鎖」を引き起こすボリュームゾーンは「両親や祖父母、ときには曽祖父母の時代にある」としています。
この見解は阿含宗と同じです。阿含宗では親を1代前として数えて「2代前から3代前」を基本的な霊障の本体のボリュームゾーンとしています。ただし基本であって、もちろん、その上の世代も範囲に入ってきます。

ここで物理的にDNAの繋がりがある先祖、直系となる親の数を数えて見ましょう。
両親 = 2人
祖父母 = 4人。累計6人。
曽祖父母 = 8人。累計14人。
高祖父母 = 16人。累計30人。
直系の人物だけで、これだけの人数となります。

さらに実際には、この各々の人物に対して、それぞれ兄弟姉妹、おじ・おば、いとこ、おい・めいがいます。
霊障・トラウマの世代間連鎖という観点でみると、これらの親族も対象に含みます。
ちなみに、あなたは、何人の先祖の名前を知っていて、何人の生き様を確実に把握していますか?

養父母の家系も対象になる

また驚くべきことにDNAが繋がっていない養父母とその先祖も霊障・トラウマの世代間連鎖の範囲に入ることが、阿含宗では常識となっています。
養子入りした段階で、養父母の家系の霊障・トラウマの世代間連鎖を受けるのか、この養父母の家庭の養子になる運命となるように養父母の家系の霊障・トラウマの世代間連鎖を植え付けられて生まれてくるのか、それはケース・バイ・ケースなのでしょう。
DNAの繋がりが霊障・トラウマの世代間連鎖の必須条件ではないのです。

水子の霊障

恐ろしいけれど、こういう事例がありうることを理解してください。
例えば母方の祖母の弟が、どこかでレイプ事件を起こして女性を妊娠させたとします。祖母の弟は相手が妊娠をしたことは全く知らない。なぜなら、それっきりであるし、そもそも相手の女性が実際はどこの誰かもわからない。
でも女性側は妊娠して困ってしまって、結局、中絶したとします。
この中絶した胎児は、闇に葬られた子供であって、戸籍には当然載っておらず、存在を知っているのは中絶した女性(とその家族)だけであり、男性側の親族は誰も知らない。
でも、この誰も知らない中絶した胎児は、あなたの親族になる。たとえ胎児であったとしても、母方の祖母の弟などという存在すら知らない縁が遠い人物が引き起こした出来事と言えども、立派に血縁関係のある人物です。
阿含宗では胎児の霊障を水子の霊障と呼び、非常に強い霊障を発して、人生に大きな悪影響を与えると認識しています。この霊障を消滅させることは、その人の人生にとって急務です。

さらに言うと、この誰も知らない水子の胎児を通じて、この胎児の母親の家系も親族扱いになる場合があります。
「あの時、あんな事件が起きていなければ、わたしの人生は!」
「あの時、あんな事件が起きていなければ、うちの娘の人生は!」
という凄まじい怨念、凄まじい「苦悩の衝撃波」が飛んできて、あなたの霊障・トラウマの世代間連鎖になっている可能性だってあります。

例えば、あなたの親類縁者で日中戦争で大陸に渡っている人はいませんか?
頭のイカレた関東軍の暴支膺懲ぼうしようちょうという言葉を正義の旗印にして、色々とやらかした悪行の中のひとつに、上記の様な事件があるかもしれません。
あなたが知っているかどうか、お国のために立派に働いた軍人さんに失礼だという、あなたが信じたい夢想に合致するかどうかは関係ありません。真相は当事者が知っています。
当事者は普通は過去の悪事を人に話さないし、そもそも戦没者なら何も伝わらないままです。ですから戸籍だけを見て、あるいは親類縁者からの話だけを聞いているだけでは、極めてヤバい出来事が見えてこない可能性もあるのです。

ちなみにマーク・ウォリンさんの著書には、堕胎した胎児本人が発する「トラウマの世代間連鎖」については書いていません。
子供を失った親のトラウマと、そんな空気を感じて心の傷を拡大させる子供の話ばかりです。
もちろんボクが見つけていないだけの可能性はありますが・・・

書籍で事例を比較してみましょう

マーク・ウォリンさんは臨床心理学という立場の方ですので、書籍に記載のトラウマの世代間連鎖事例は心理学の面に偏っています。
ここに紹介する阿含宗開祖の書籍には霊障の事例が多く書かれています。宗教家の事例ですので、心理学の範疇を大きく超えるレベルで、読んでいるこちらも頭を抱える深刻な事例もあります。
ここまで読んで興味を持っていただけたならば、是非、比較して読んでいただきたいです。

某ゲームの某Pさんを心配している

ボクはカタギの世界では普通のゲーマーです。
ゲーマーのボクは、某有名ゲームのプロデューサー兼ディレクターを務めるゲーマーにとっては超有名な偉大な人物を尊敬しています。

彼は、ゲームの宣伝、ゲームメディアに対する記者会見、世界各国で行われるゲームショー、世界各国のゲームファンとの交流会、自身のゲーム開発の監督等々で自社の各国のオフィスに行くなど、世界を飛び回る必要があって、頻繁に飛行機に乗る必要があります。

しかし、この彼、飛行機が怖くて怖くてたまらないということを公言しています。怖くて怖くて、飛行機の中では一睡もできないそうです。飛行機に乗るときは、自分は飛行機が怖いのだと必ずCAさんにお伝えするそうです。
本人の話を聞いている限り、この怖がり方は異常です。
この、飛行機が怖くて仕方がないという衝動、本能的な恐怖はどこから来るのでしょうか?

また、彼はとても仕事ができる人なので、世界を飛び回る必要があり、怖くて仕方がない飛行機に乗らなければならない。これは仏教用語で怨憎会苦おんぞうえくと言って、憎くて仕方がない相手と会って一緒にいなければいけない苦しみのことです。
飛行機に乗りたくないのに乗らなければいけない仕事と立場、ここに非常に象徴的なものをボクは感じています。

霊障・トラウマの世代間連鎖は、理性では制御するのが難しい突き上げてくる衝動・本能のはたらきだけではなく、恋愛・友情・職業・病気・死に方にといった人生のほぼ全ての出来事について強い影響を与えています。

ボクの想像を言うと、彼の親類縁者に戦闘機のパイロットがいるのではないのか?ということです。そうであるならば、飛行機が怖い、でも立場があるので乗らなければならないという現状が職業上の「運命の反復現象」であるという説明ができます。
さらにボクが非常に心配しているのは、この親類縁者の戦闘機のパイロットが撃墜、あるいは特攻で命を落としている場合、死に方の「運命の反復現象」を起こしかねないということです。
阿含宗の専門用語では「横変死おうへんしの因縁」と言って、自動車等の交通事故や、ちょっと普通じゃない事故死も含む死に方をする運命です。
ボクの心配が杞憂に終わって欲しいと思っています。

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