夢中になれることをみつけたい人へ（映画『蜜蜂と遠雷』を観て）

多くのひとが「情熱」に憧れるけれど、実は「受難」と「情熱」は同じ言葉。自分を幸せにしてくれる「情熱」が何かお伝えします。

映画『蜜蜂と遠雷』

「直木賞」と「本屋大賞」の史上初ダブル受賞で有名な、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を実写映画化した、映画『蜜蜂と遠雷』。

わたしたちは入籍したのが9月8日なんですが、結婚15年目を機に、8日を勝手に「夫婦の日」にしようと決めて（笑）、娘が学校に行っている間に、映画『蜜蜂と遠雷』を大音量でゆっくりと堪能しました。

映画『蜜蜂と遠雷』あらすじ
物語は国際ピアノコンクールを舞台に、国内外のジュニアコンクールを制覇するも、13歳のときに母を亡くし、ピアニストになることから長らく逃げてきた元天才少女の栄伝亜夜、社会人となり妻子を持ちながらも夢を諦めきれず、最後のチャンスと決意してコンクールにエントリーした高島明石、音楽エリートとして超名門音楽院に在籍し、優勝候補最有力の重圧に挑むマサル・C・レヴィ・アナトール、今は亡き世界最高のピアニストが遺した謎の少年・風間塵という世界を目指す若き4人のピアニストたちの挑戦、才能、運命、成長を描く。（ ※引用記事）

蜜蜂と遠雷

よい情熱と悪い情熱

ママたちに好きなことを仕事にしよう！とお伝えしていると、「好きなことがみつからないんです・・・」というご相談をたくさんいただきます。

確かに、仕事だけでなく「夢中になれるもの、情熱を感じられることがある人はいいな」と思っている方はとても多いですよね。

ところが「情熱」という意味でもっともよく使われる「パッション（passion）」という言葉はラテン語が語源で、イエス・キリストが磔（はりつけ）で受けた「受難」という意味で長く使われていました。

「受難」と「情熱」が「パッション（passion）」というひとつの言葉で表されるというと、驚くひともいるかもしれませんが、映画『蜜蜂と遠雷』を観ていると、あらためてそれを実感します。

イエス・キリストが神と、人々への愛を体現するために受難の道を選んだように、何かを強く愛し、情熱を傾けるとき、私たちはさまざまな苦しい感情を体験します。

パッション・パラドックス

スポーツ選手や大企業の幹部などにコーチングを行うブラッド・スタルバーグと、数多くの選手を世界選手権やオリンピックに送り出してきたスティーブ・マグネスによる『パッション・パラドックス』でも、「情熱は取扱注意」と書かれています。

「情熱」の取り扱いを間違えると・・・
　・目に見える結果と外的な評価の奴隷になる
　・情熱の追求以外にいっさい関心が向かなくなる
　・燃え尽きる
　・喜びを感じられなくなる

若手の登竜門とされる国際ピアノコンクールに挑戦するコンテスタント（出場者）たちは、ピアノや音楽への並々ならぬ情熱を抱いて集まってきます。

映画『蜜蜂と遠雷』では、4人の若きピアニストたちが、時に自分の情熱に焼かれてしまいそうになりながらも、それぞれのプロセスを経て情熱と向き合っていく様子が、すばらしく描かれていました。

自分を光り輝かせてくれるような「情熱」もあれば、自分を燃え尽き状態に追い込んだり、人生を火だるまにするような「情熱」もあります。

その違いは、いったい何なのでしょうか？

喜びを分かち合えるかどうか

誰がなんと言おうと夢中になれるような「情熱」に憧れる人は多いですね。

内側からあふれる「情熱」がある人は、いろいろなことにどんどんチャレンジをして、輝いているように見えます。

でも、この「情熱」が自分のためだけの場合、「情熱」に身を焦がして苦しんだり悩んだりしやすくなります。

一方でこの「情熱」やそこから湧いてくる「喜び」を、誰かと分かち合えるようになると、自分を幸せにしてくれます。

夢中になれることを探している人は、自分が情熱を感じられることを探していることが多くあります。

でも多くの場合「身を焦がすような情熱」を探しているのではないですよね。

それならば、まず「好き × 得意なこと」を探してください。

そしてその「好き × 得意なこと」で、誰を幸せにしたいか、誰に喜んでもらいたいかを考えてみてください。

これがイメージできるなら、それがあなたが「情熱」を感じられるもの、夢中になれるものになる可能性が高いと思います。

情熱や喜びのエネルギーを自分の中で完結させようとすると、自分のエネルギーに振り回されてしまいます。

それよりも情熱や喜びのエネルギーを誰かとシェアすることによって、一緒にエネルギーを大きく育てて行くほうが、

結果的に「情熱がもたらしてくれる恩恵」・・・

・夢中になれる
・行動的になれる
・たのしい
・しあわせになれる

を手に入れることができます。

あなたはあなたの「好き × 得意なこと」を通じて、どんな人と一緒に幸せになりたいですか？

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