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『輪るピングドラム』考察① ピングドラムの正体と次元上昇

はじめにお断りしておくと、今回の考察はあまりにマニアックすぎて多くの方にはピンとこない内容になると思います。

『輪るピングドラム』という作品は数多のアニメ作品の中で個人的に一番好きな作品です。
謎が謎を呼び序盤では想定し得ない重く深い展開も、清廉潔白とは言えないのに知れば知るほど愛情が湧くキャラクター達も、美しい音楽も、個人的に大好きな「銀河鉄道の夜」や村上春樹の作品が作中の重要なモチーフとしてちりばめられているところも何もかもが心をとらえて離しません。

その中でも特に私がこの作品を、そしてその他の幾原邦彦監督の作品を人生で最も愛するアニメ作品たちとして選ぶ理由は、描かれていることがとても本質的だからだと思います。

まず、タイトルであり主人公たちが手に入れることを課される『ピングドラム』の正体について。

ピングドラムというのは造語で【ピング】の部分は中国語の苹果(píngguǒ)(日本語での林檎)を指しています。
昔、中華圏に住んでいたので、ピングが苹果(ピングオ)を意味しているだろうなというのは割と序盤から認識していたのですが、何故ピングドラムがリンゴでないといけないのか明確にピンときたのはこの作品5周目くらいの時でした。

あれ、リンゴってそういえばトーラスエネルギーと同じ形だな、と。

というよりトーラスの形そのものと言えます。
トーラスエネルギーについて検索していただくと色々と説明がありますが、トーラスは万物の循環と無限のエネルギーであり、愛のエネルギーともいわれます。そしてこの形は幾何学の観点では四次元的なものです。

元々、幾原監督はかなり高次の視点からスピリチュアルな作品を作られるなあとおもっていたのですが、リンゴ=トーラスをきっかけに色々なことがつながってきました。

『ピングドラム』のピングは苹果(=トーラスエネルギー)だとすると、ドラムとは何なのか。ドラムというのはDrum(太鼓・鼓動)と同義だと考えますが、太鼓や鼓動は振動であり、振動は周波数です。

すなわち、プリクリ様が作中で手に入れろといった世界を救うための『ピングドラム』とは【愛の振動・周波数】のことなのだと思いました。

そうするとプリクリ様の名前も気になってきます。
作中ただの一度も名乗らないのに公式で『プリンセスオブクリスタル』と紹介されている彼女の名前。
クリスタル、というのはケイ素ベースです。
3次元に生きている人間は炭素ベースの生き物ですが、意識を変え周波数が4次元にアセンションするとケイ素ベースになるといわれています。
そうするとプリクリ様が言う「わらわは運命の至る所から来た」という言葉から『運命の至る場所』というのは4次元かまたはそれ以上の次元のことを指すのではないかと思います。

そしてこの作品を見れば見るほど、きっとこの考察はある種的を得ているのではないかと思うのです。

ウテナもしかり、この作品もしかり、
幾原監督の作品は内的な意識革命によって外側の世界を変えていくことをテーマにしているところがあります。
そしてそれは量子力学的に周波数との関係性を考えるととても理にかなっています。

この世の万物は波長で出来ていおり、自身が使っている意識と同じ周波数帯の現実しか接続することはできません。

身近な例で言うと、携帯電話のSIMと一緒です。

今いる建物から移動して景色が変わったとしてもお持ちの携帯会社のSIMが持っている周波数帯以外の電波とは接続することが出来ません。

同様に、使っている意識の周波数帯が変わらなければ接する人を変えても、景色を変えても、それ以外の環境を変えても、共鳴する現実は大きく変えることが出来ないのです。

その状況から抜け出す唯一の方法というのが、意識を変えて、接続する周波数を変えること。作中での『ピングドラム』を手に入れる、とはそういうことを指していると思います。

今回の記事では前提の用語考察に終始してしまいましたが、次の記事では、ストーリーを踏まえて『ピングドラム』を手に入れる目的である『生存戦略』について考察していきたいと思います。

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