スタートアップ広報3年間の振り返り
広報として3年3ヶ月働いたアクセルラボを退職しました。ほぼ未経験で入社してずっとひとり広報でしたが、周りの人に支えられながらなんとかやってこれたので、退職を機に振り返ってみようと思います。
入社のきっかけ
1社目は大手のマーケティング支援会社に入社。
入社当時は広報か営業になりたかったのですが、配属されたのは全く違う部署でした。学生時代からライターをしていて、まだ知られていないものを世の中に広げることに面白さを感じていたので、広報へのキャリアチェンジを目指して未経験ながらに転職活動。
経験値のほぼない転職活動は書類選考で落ちまくりました。そんな中拾ってくれた(?)のがアクセルラボでした。実績もなかったので完全にやる気採用でした(当時の上長にも言われたw)ですがその後、入社時に想定してたより成果を出してくれた、とも言ってくれたので嬉しかったです。
仕事内容
一人広報なので幅広くやってました。
プレスリリースの作成、取材対応、寄稿の執筆、メディアアプローチ、社内報立ち上げと更新、社内インタビューの記事作成、SNSの更新、Wantedlyの更新などなど、広報らしいことは何でも挑戦していました。
失敗と反省ばかりの初期
初めての広報は、失敗や反省の連続でした。
まず、ゼロからメディアとコネクションを築くことが本当に難しかったです。自分でお問い合わせフォームからアプローチしたり、他社の広報の方から紹介してもらったり、有料の広報コミュニティに参加したりして、じわじわとリレーションを増やしていきました。
しかも最初は、メディアの人と会っても何を話していいか分かりませんでした。就任1~2ヶ月目で運良く日経新聞の記者と会うことができましたが、せっかく広報として採用してもらったんだから、とにかく有名なメディアに出て会社に貢献したい!という想いが強く出てしまい、ただ会社の説明を延々と話してしまい、記者からつまらなそうな反応を受けてしまいました。笑
他社の広報の人たちがテレビに露出している様子をSNSで見たり、他社広報と一緒にメディアキャラバンした際のプレゼンの上手さに自信をなくしていました。
プレスリリースも苦戦しました。私はライターとしての経験は数年あったものの、プレスリリースのような公式文書でのお堅めな言葉選びや言い回しを使いこなせず、社内確認でいつも大量に修正をもらってました。
広報に関して専門的な知識のある人が社内にいなかったので、たくさん本を読んだり、他社の広報に相談したりして、試行錯誤しながら学んでいきました。多くの人々のサポートのおかげで、入社当初よりも広報としてのスキルはかなり向上したと思います。
スタートアップの広報は地道な戦い
スタートアップの広報は、メディアの興味を引く企画を考えて自分でアプローチしても、反応がないのが普通です。それでもめげずに別のネタで再びアプローチするという粘り強さが求められます。何通も送って、ようやく1通返ってくるような確率です。会社の知名度がないので、プレスリリースを書くだけで複数のメディアに掲載されるなんてことはありません。勉強会や記者会見を開催しても、特に行動を起こさなければほとんど人が集まりません。
「スルーされて当たり前」で、「大手企業より報道優先度が低い」という現実がある中で、それでも頭をひねってネタを売り込み続ける日々は、苦労を感じつつ、それ以上にやりがいがありました。
私は前に出るのが得意でもなく、トークやプレゼンが上手なタイプの広報ではありませんでした。それならば、メールの文章や企画書を磨いてメディアの方々に興味を持ってもらえるよう工夫しました。新規のメディアに何件も電話するのも得意ではなかったため、自社に関心を持ってくれた記者さんとの関係を長続きさせて、繰り返し取り上げてもらえるように努力しました。
初めて自分で取材を獲得した時の嬉しさは、今でも忘れられません。自分が売り込んだネタが新聞やWEBの記事になったり、テレビで放送された瞬間は、本当にやりがいを感じました。社内から感謝されたり、報道を見たお客様から問い合わせがあった時も、とても嬉しかったです。
3年間のいろいろ
印象に残っている出来事を個人的に振り返ります。
・他社と合同記者会見
連携先の企業さんが主導で行ったのですが、記者会見とはこうやるのか!という大枠を学ばせていただきました。
・報道関係者向け勉強会
先述の合同記者会見の流れを参考にし、初めて自分でもプレスイベントを企画しまた。PR会社には依頼せず、本やYouTubeを参考に手作り感のあるイベントを作りました。
・社長のラジオの出演
生放送で訂正ができない緊張感もありましたが、いい経験になりました。
・アワードへの応募と受賞
信頼度の向上のためアワードにも応募。ベンチャーグランプリを受賞し、第三者機関に会社のことを認められたのは嬉しかったです。
・メンバーへのインタビュー
サービスだけでなく、メンバーの露出も増やしていきました。いつも快く取材を受けてくれてありがたかったです。
・新聞やテレビへの露出も
広報活動を続けていくうちに、だんだんと大手メディアにも出られるようになりました。最初から狙っていくよりも、まずは業界紙やWEBメディアに露出することの大切さを学びました。
広報1年目の私に伝えたい、こうしておけばよかったこと
スタートアップで3年間と少し広報をやってきた私から、過去の自分に伝えたいことをまとめます。
交流会に行き過ぎない。最初は知識や人脈を広げるために参加するのも良いが、経験の浅い広報同士で悩みを相談し合っても解決できることは少ない。ベテランの広報やメディアの方が参加する場であれば、有益な学びが得られる可能性が高い。
他社広報と比べすぎない。サービスが目新しかったり、社長がユニークで注目を浴びやすいなど、メディアに取り上げられやすいものとそうでないものがある。画になりやすいかどうかもサービス次第。時流や法改正に左右されることが多いので、自分の仕事に集中する。
他社の成功事例に自社を全部当てはめようとしない。
「自社はすごい」「知られている」と思うのは、意外と社内の人間だけで、外部ではそうでないこともある。広報は片足を社内、片足を社外に突っ込んで自社が置かれているポジションを客観的に見つめる。
アドバイスに見せかけた自慢話をしてくる人は、真剣に受け止めすぎず、適度に受け流す(笑)
今後について
今後も広報の仕事です!SNSで公表している社員の方も少ないのでここでの公表は控えます。規模が大きい会社になるので、最初は戸惑うことも多いと思いますが、前向きにチャレンジしていきたいです🔥
自分が広報になりたての時に他社の広報さんやメディア関係者に助けてもらったぶん、これから広報になる方や、広報になって間もない方、広報に困っている企業にも何か還元できたらと思ってます。何か相談したいことがあればXのDMにご連絡ください🙌
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