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ココナッツミルクとトラウマ
ココナッツミルクにトラウマがある。
そんなエピソードを認めるに相応しい捻ったタイトルをつけようかと思ったけどやめた。
シンプルイズベストってよく言うし。
ベストってのはベターよりも上の最上級の単語だ。
つまり良きことこの上ないというわけ。
信じるぜ?
さて本題。
皆さんはココナッツを砕いた経験、もといその汁を実から直ですすった経験はお有りでしょうか。
ちなみに僕はそこまでアマゾネスな人間ではないので、そんな経験はありません。ごめんね。
その代わりと言っては何だけど、小さい頃に単純な
好奇心からココナッツミルク風加工飲料を飲んだことはある。
ココナッツミルク風ってのはそのままの意味だ。
ココナッツミルクではない限りなく
ココナッツミルクに近い何か。
ココナッツミルクってそもそもなんだよ。
ココナッツの中の汁=ミルクなんだろうか。
ココナッツミルクという単語の羅列をまじまじと見ることって、なかなかない。
そのなかなかが今来ている。直通で。
書いている僕ですら完全にゲシュタルト崩壊を起こしている。
まだトラウマについて何も書いていないのに。
全集中しよう。
トラウマの部分に触れるために。
ココナッツミルクに関するトラウマは実に単純明快だ。
件のココナッツミルク風加工飲料がびっくりするくらい美味しくなかったのだ。
あれから数年経つけど、未だに舌が覚えている。
よくない方に衝撃的な味だった。
甘ったるいとかそんなんじゃない。
口に含んだ瞬間、鼻腔を突き抜けるココナッツの微粒子(イメージ)。
飲みやすく加工されているにも関わらずそれを更に上書きしてくる独特のフレーバー。
甘さの奥に海が見える。
その側でくつろぐココナッツ農家のおじさん。
子供たちがヤシガニを追いかけている。
笑顔でカメラを回すお母さん。
家族なのだろう。
将来、娘さんの結婚式で流して皆で笑いながら涙を流して懐かしむんだろうな。
一家団欒とはこれまさに。
そんなひとときを遮る台風。
空が泣き、海が荒れ、大地が唄う。
少女の帽子が風に舞う。
立ち尽くすおじさんの背中にどこか切なさを感じる。
家族水入らずで過ごす久しぶりの休日は、自然によって崩されてしまった。
そんな味でした。
てへ。