
選択のジレンマの救世主、WOWOW
我が家はエンタメについて恵まれている家庭だと思っている。
動画サービスはNetflix、アマプラ、U-NEXTのファミリー会員で、テレビはWOWOWを契約している。
それもこれも母親が韓流好きなことが理由だけど、自分はそれをありがたく利用させてもらっている。
自分が使うサービスの比率は大体Netflixが7割くらいであとはアマプラかWOWOW。
最近はNetflixが値上げをする告知がされていた。確か1人あたり100円ちょっとの値上げらしい。コンテンツをさらに拡充させるためというのが目的とのこと。
数千万人の会員から100円ずつ取ったら単純計算で何十億円も月利が増えることになる。巨大コンテンツすごい。
でも、ここのところ自分にはある悩みがある。
「コンテンツが多過ぎて選べない」ストレス
映画だけで数万本、ドラマもそれくらいある。アニメは本数でいえば下手するとそれ以上。ドキュメンタリーだけでも数百本はあるだろう。それもグルメに歴史に…多すぎるんだよ、配信コンテンツ。
そんな中から自分が観たいものを選んで観る余裕が、最近無い。
もちろん(あっ、あれ観たいな。ネトフリに入ってるかな?)とか思って自ら選択することもあるけど、最近は観たことあるものを観直す方が多くなってきている気がする。
この前も既に10回以上観てるシンゴジラを流してた。
何万本も観たことがない映画が用意されているのに。
一昨日の昼にテレビの番組表を久しぶりに見た。それもWOWOWの番組表。
前は(番組表にしかない映画を観るとかw)みたいに、時間を決められてそれをわざわざ観るみたいなことについて時代遅れだと冷笑していた節があったことを覚えている。
配信であるならそれ今観たらええやん。みたいな。
それが今や、選ばなくていい便利さを自覚してしまった。
うちのテレビの番組表は1週間先までしか番組を見ることができない。ぽちぽちとリモコンをいじりながらどんな映画が放送されるのかを流し見してたら意外なタイトルが放送されることが分かったりして面白い。
とりあえず観たい映画をいくつか録画予約しました。
もうすぐアカデミー賞の時期だからこれまでの過去作をがっつり特集組んでやってくれるのありがたい。
とりあえずパラサイトで知られている、ポンジュノ監督の過去作を特集されるそうだったのでいくつか予約した。
一回ゆっくり観てみたかったんですよ、グエムルとスノーピアサー。
まぁ、ここまで今WOWOWを推していたのは今から書きたかったことの導入なんですけどね。
選択のジレンマ
人って選択肢があればあるほどいいって思ってません?
スーパーも品揃えが多ければ多いほどいい。とか、ネットショッピングも品揃えがあればあるだけいい。みたいに思っている人、多いと思うんです。
ところがどっこい、人って逆に選択肢が多い方が選ぶのに苦痛を感じるそうなんです。
ある実験があって、3種類の違う価格帯のジャムを店頭に並べるケースと、30種類の価格も味も種類も違うジャムを店頭に並べるケース、それと1つだけしか商品を置かないケースの中でどれがいいかを選ばせるものが行われた。
「ジャムを買う」という行為の中にどういった思考が必要か?
それはモノを買う時に共通してあることだと思うけど、値段とか中身とか量とかいろいろ考えて買うはず。
1つしか置かれてなかったら、他には?みたいなことを考えてしまったり、この店は品揃えが悪い。みたいに感じてしまう。
それが3種類でも、まぁせいぜい3種類の中から1種類を選ぶだけ。イチゴジャムが3種類でもまぁまだ選ぶことにそこまで疲れはしないはず。食べ比べとして2つ買う人だっているかもしれない。
これは甘めで、こっちはちょっと高いけど賞を獲ってるらしい、でもこれは量が多い。みたいな感じで比べて買うことができそう。
それが、およそ10倍の商品の中から1つ選ぶことになると、一体どうなるのか?
めちゃくちゃストレスになるらしい。選ぶだけでストレスになって、最終的に買わない選択肢をとる人も多々いたそうな。
結論としては、選択をさせるには選択肢が多ければ多いほど良いというわけではなく、かといって1つしかないのもそれはそれで良くない。ということ。
選択肢が多ければ多いほど、人はストレスを感じてしまう。
それを「選択のジレンマ」と心理学では言われている。この前習った。
ちなみに、あのAppleのジョブズが毎日同じ服装をしていたり前オバマ大統領が自分で服を選ばなかったこともこの、「毎日自分が着る服を選ぶストレス」を軽減するためにしていたことが理由だそうです。
そう考えると制服ってめっちゃ楽だった気がする。自分の高校は私服の学校だったから毎朝選ぶのめっちゃ時間かかってたし制服が欲しかったの思い出した。
これって、さっき書いてた配信サービスにも言えないか? と感じているのでちょっと先に説明を書いた。
そう、人って、選べるものが多過ぎたら逆に選ばなくなっちゃう傾向がある。
それに対して、「今月はこれを放送するよ〜!」と教えてくれるケーブルテレビ、CS、なんて優しいんだ。
ごめんよ今まで見下していて。
それに下手すると配信サービスよりも映画の取り扱いが強い。
どこにも配信されていないミッドサマーとかがしれっと今月の放送リストに載ってたの驚いてる。そして見逃したのめっちゃショック。
まぁ、ヘレディタリーとミッドサマーをこの前の日曜日に連続で放送していた企画についてはマジでWOWOWは人の心がないし、かなり、とても、えっげつないことしてると思う。
これらの映画を観たことない人にどれくらいの極悪非道なことをしていたかを説明すると、感情のフルマラソン走らされたあとに数分の休憩時間を与えて安心している直後に、「今からトライアスロンね」みたいなことを笑顔で言ってる感じです。わかりづらいけどネタバレを回避するならそうなる。
怖い映画ではないんですよ、両方とも。
ミッドサマーはね、いいぞ……カップルが観たら別れを検討する映画。とまで言わしめる傑作、バレンタインにいかがでしょうか?
ヘレディタリーは心が交通事故起こす感じで楽しめます。疲れてる時に観たらダメなタイプの映画ですね。『ミスト』みたいに心をゴリゴリ削ってくる感じのやつです。
そしてこの選択のジレンマを真正面からねじ伏せている強さの理由が、「毎月放送するものが決まっている」ということ。
観たことあるような映画と微妙な放送ラインナップではなく、ちゃんと多くの新作旧作を取り揃えて、さらに飽きがこないようにジャンルも混ぜて、特集まで組む。
ここまで親切にしてくれているWOWOWの優しさに最近気がついた。
ありがとうWOWOW。これからはもっと使います。
選択を享受することが社会における最大の権利とまで言われてたりしてたのが、今や選択を放棄していることが便利とまで言われるようになっているの、時代を感じる。
ひとまず数週間前にWOWOWで録画したまま観ていないジョジョラビットを近いうちに観たいと思います。
タブレットのちっせえ画面で観るよりもやっぱテレビの大画面で観ないと映画って面白くねえんですわ!!の気持ちです。
映画館、行きたいなぁ……
今回の記事についてスタエフで喋っています。まだまだ不慣れなのでそれっぽさはないですがよければどうぞ。