- 運営しているクリエイター
記事一覧
複数のファンドを同時に運用するベンチャーキャピタルにおける利益相反問題は、実は2004年頃からずっと言われていた
Coinbase等への投資で有名なSozo Venturesの創業者、中村幸一郎氏が日本のCVCでよく見かける二人組合に対し、批判を投稿している。
二人組合とは、資金の出し手である事業会社が全額資金を拠出し、その運用(GP業務)は外部のファンドマネージャーが担うパターンである。
ここで中村氏が批判しているのは、この二人組合のスキームそのものについてではなく、運用を受託しているファンドマネージャ
かつて23億米ドルの評価額をつけたアグリテックスタートアップBoweryが倒産
https://pitchbook.com/news/articles/bowery-indoor-farming-agtech-company-ceases-operations
かつて23億米ドルの評価額をつけ、垂直農法で野菜を栽培・販売していたアグリテックスタートアップ、Boweryが倒産したとのこと。
運営する農場が病原菌に襲われてしまい出荷減を余儀なくさレアことが直接の要因であるよう
スタートアップ経営者が本業以外(SNS、講演会、会合etc)に時間を割き始めた場合の留意点
その昔、私が尊敬するとあるベンチャーキャピタリストの方から教えてもらったことがある。
それは「スタートアップ経営者がSNSやブログ、講演会等のメディア露出が増えるのはよくない兆候だ」ということである。
もちろん、会社の知名度を上げるため・資金調達を行うためといった意図をもったメディア露出は決して批判されるものではない。
ただ、スタートアップの事業目的から明らかにかけ離れた講演会やメディアに、
PEファンドのマネジメントフィーの水準は低下傾向にある(除くベンチャーキャピタル)、という記事をまとめた
昨年、PEファンドの一般的なマネジメントフィーの水準についてまとめた記事を書いたが(上記リンク先ご参照)、その後の直近の2024年のマネジメントフィー水準の動向がわかる記事とレポートをPreqinのウェブサイト上で見つけたので、以下要約したい。
現在のPEの資金調達環境はどうやら買い手市場のようだ。ファンドマネージャーたちは出し渋る投資家から資金を集めるために、マネジメントフィーの切り下げ(特に
【備忘録】主にファンド、サステナブルファイナンス関連の金融関連用語をまとめてみた
日々学んだ金融関連用語を以下にまとめてみました。完全に個人の備忘録用なのですが、ある程度用語が貯まっていったら、アルファベット順・あいうえお順に整理していきたいと思っています。
Conditions Precedent:先行充足要件のことで、貸付契約などに規定された各要件を債務者が満たさない限り、債権者は貸付を実行しない。
EPC (Engineering, procurement , con
スタートアップが失敗する割合はどのくらいか/Union Square VenturesのFred Wilsonのブログより
CoinbaseやTwillio等の企業に対して創業間もない段階に投資を行った実績のある伝説のベンチャーキャピタリストFred Wilsonが、自身のブログの中で、彼が所属するUnion Square Venturesにおけるスタートアップ投資の実績を綴っていた。
彼の記憶によれば、これまで彼が40年間のスタートアップ投資を行ってきた上でのリターンの分布は、おおよそ以下のようなものであったらしい
OpenAIの資金調達における交渉力が強すぎる件について
OpenAIの投資家は、AnthropicやxAI等の競合他社には投資ができないよう、契約で縛られているらしい。
投資家(ベンチャーキャピタル)とOpenAIとの力関係が如実に反映されている事例である。
特定領域の中での勝者総取り合戦を繰り広げるスタートアップにとっては、投資家の資金を独占する観点でも、競合他社を出し抜く観点でも、こうした条件は喉から手が出るほど欲しいだろう。今回の件を知ったス
パフォーマンスが悪くなったVCはどのような行動を取るか
ベンチャーキャピタルファンドを運用するファンドマネージャーは基本的に、LP投資家から、その運用成績にかかわらずコミット額に対する一定料率の管理報酬(マネジメントフィー)を約10年間のファンド存続期間の間もらい続ける。その条件は概ね以下の通りである。
投資期間中(一般的に、ファンド組成から5年間):コミット額に対し2%〜2.5%程度
投資期間終了後(ファンド存続期間終了までの期間):投資残高に対
ベンチャーキャピタリストから「日本のLP投資家はもっと”LP力”をつけるべきだ」と言われたが、これはどういう意味なのか
つい先日、日本の複数の事業会社や金融機関から資金を募り、米国でベンチャーキャピタルファンドを運用しているファンドマネージャーの方が来日し、面談する機会を得た。
その際、その方から複数の日本のLP投資家の課題をいただいた後、最後に「日本の投資家は米国のようにもっとLP力をつけるべきだ」とのお言葉をいただいた。
私は、「客観的事実は示さずに『日本ダメ、アメリカ正しい。すごい』理論を振りかざしてくる
スタートアップから評判の良いベンチャーキャピタルの特徴について、起業家から直接きいてみた
ベンチャーキャピタルといえば、スタートアップの株式を数%〜20%程度を保有し、自身を起業家の「伴走者」と呼びながら成長をサポートするリスクマネーの供給者、というのが通常のイメージだが、一点疑問が生じる。
「マイノリティ株主が、なぜ起業家の伴走者たりえるのか?」「マイノリティ株主ができるバリューアップとは何か?」という点である。
本当に運命共同体になるのであれば例えばバイアウトファンドのようにも
米中デカップリングの実態がわかる記事を発見
https://www.saa.or.jp/dc/sale/apps/journal/JournalShowDetail.do?goDownload=&itmNo=40608
証券アナリストジャーナルの「中国経済の行方」(冒頭URLご参照)が大変勉強になったので概要を以下メモしておきたい。
<Small Yard、High Fence>
今のG7の考え方はデカップリングではなくデリスキングだ
パフォーマンスが低調のまま終わってしまったPE /VCはどうなるか
もう数年前の話になるのだが、投資のパフォーマンスが低調なまま解散・清算を迎えたPE /VCの最後をLPの立場から見届けた案件が複数あった。
ファンドに対する出資当初は大々的なプレスリリースに始まり豪華なディナー付きLP年次総会等、華々しいイベントばかりであったが、その後10年超が経過し、パフォーマンス低調に終わったファンドの最期は極めて寂しいものであった。
PEやVCは、一度出資したら基本的に
アンドリーセン・ホロウィッツのAmerican Dynamism Fundが技キャピタリスト育成講座を創設
かつて、というか10年前まで、ベンチャーキャピタル及びテクノロジー系のスタートアップは権力を持つ為政者に対する挑戦者であった。
明確な法律やルールが出来ていない領域で事業を展開し、民意(顧客のニーズ)を味方につけ、その後の法律やルール作りを主導していた。
創業当時のUberは未だライドシェアに関するルール、ドライバーを個人事業主とみなすべきか社員と明確なルールがない中で事業を開始し、その後国に