Nagare

PE/VC出資業務全般を担っています。過去、海外駐在した経験が2回あります。主にLP出資目線からのPE/VC、趣味(NBA)に関する記事をアップしています。

Nagare

PE/VC出資業務全般を担っています。過去、海外駐在した経験が2回あります。主にLP出資目線からのPE/VC、趣味(NBA)に関する記事をアップしています。

マガジン

  • PE/VC関連

  • 仕事について、日々の生活について

  • Venture Deals

  • 読書・講演記録

  • NBA関連記事

最近の記事

3段落日記:これから世に出て、頭角を現すであろう人

今日は、とある投資会社の知人と久しぶりにお会いした。その方とお知り合いになったのはもうかれこれ10年近く前になる。その10年間、その方は着実に投資の世界で実績を出し続けてきた。そしてついに、その会社の社長の後継者候補になった、との嬉しいお知らせを本日聞いた。 思えば大企業でも中小企業でもスタートアップでもプロフェッショナルファームでも、ようやく出世して初めて世に名前が出る頃には、「誰それ?すごい人なの?」と全くの無名である人が多い。だがその人は、それまで人知れず着々と成果を

    • 世の中には自由に行動するより指示されるのが好きな人(含む自分)が沢山いる

      上記のような投稿を見るたびにいつも思い出すのはエーンリッヒ・フロムの「自由からの逃走」である。 皆が自由になりたがっているのに、一度自由を手に入れるとそれが重荷となり、せっかく手に入れた自由を手放してしまう。なぜドイツ国民は自由を捨ててナチスに従ってしまったのか、という思考の過程が描かれている、あの歴史的名著である。 ナチス政権下のドイツ国民に限らず、せっかく手に入れた自由を簡単に手放してしまう、ということは日常茶飯事で起きている。 昔、営業部門にいた時、営業目標達成に

      • 複数のファンドを同時に運用するベンチャーキャピタルにおける利益相反問題は、実は2004年頃からずっと言われていた

        Coinbase等への投資で有名なSozo Venturesの創業者、中村幸一郎氏が日本のCVCでよく見かける二人組合に対し、批判を投稿している。 二人組合とは、資金の出し手である事業会社が全額資金を拠出し、その運用(GP業務)は外部のファンドマネージャーが担うパターンである。 ここで中村氏が批判しているのは、この二人組合のスキームそのものについてではなく、運用を受託しているファンドマネージャーについて、そのファンドマネージャーが別に運用するファンドとの間で利益相反が生じ

        • かつて23億米ドルの評価額をつけたアグリテックスタートアップBoweryが倒産

          https://pitchbook.com/news/articles/bowery-indoor-farming-agtech-company-ceases-operations かつて23億米ドルの評価額をつけ、垂直農法で野菜を栽培・販売していたアグリテックスタートアップ、Boweryが倒産したとのこと。 運営する農場が病原菌に襲われてしまい出荷減を余儀なくさレアことが直接の要因であるようだ。 米国の垂直農法関連のアグリテックスタートアップ大手で残っているのはソフト

        • 3段落日記:これから世に出て、頭角を現すであろう人

        • 世の中には自由に行動するより指示されるのが好きな人(含む自分)が沢山いる

        • 複数のファンドを同時に運用するベンチャーキャピタルにおける利益相反問題は、実は2004年頃からずっと言われていた

        • かつて23億米ドルの評価額をつけたアグリテックスタートアップBoweryが倒産

        マガジン

        • 仕事について、日々の生活について
          106本
        • PE/VC関連
          52本
        • Venture Deals
          58本
        • 読書・講演記録
          62本
        • NBA関連記事
          27本

        記事

          スタートアップ経営者が本業以外(SNS、講演会、会合etc)に時間を割き始めた場合の留意点

          その昔、私が尊敬するとあるベンチャーキャピタリストの方から教えてもらったことがある。 それは「スタートアップ経営者がSNSやブログ、講演会等のメディア露出が増えるのはよくない兆候だ」ということである。 もちろん、会社の知名度を上げるため・資金調達を行うためといった意図をもったメディア露出は決して批判されるものではない。 ただ、スタートアップの事業目的から明らかにかけ離れた講演会やメディアに、しかも高頻度で出るのはよくない、というのがそのキャピタリストの考えであった。

          スタートアップ経営者が本業以外(SNS、講演会、会合etc)に時間を割き始めた場合の留意点

          ジム・ロジャーズ著「2030年のお金の世界地図」を読んで、自分の頭で考えて投資を行うことの重要性を学ぶ

          ウォーレン・バフェットやジョージ・ソロスと並び世界三大投資家の1人に挙げられる米国の投資家(今はシンガポールに在住)、ジム・ロジャースによる2030年までの世界の経済見通しが語られた本を読んだ。 端的に言って、一般的な世界経済の見通し・こうあってほしいと通常思う経済見通しとは全く違う、ジム・ロジャース氏独自の世界経済の見通しが語られている。まさに「投資は自分の頭で考えろ」とはこのことだ、と思わされた本である。なぜなら、周囲の常識から距離をとり、自分の頭で考え、冷静に事実と向

          ジム・ロジャーズ著「2030年のお金の世界地図」を読んで、自分の頭で考えて投資を行うことの重要性を学ぶ

          「超アウトプット入門」を読んで、今後は一層のアウトプットを心がけようと思った

          元デロイトのコンサルタントで常に舌鋒鋭く、時に冷徹な投稿をしている安達裕哉さんの著書「人生がうまくいかないと感じる人のための超アウトプット入門」を読んだ。 私自身が学べたことは主に以下の通り。 アウトプットを心がけることで、仕事における人間関係、人事評価等は劇的に改善する。ここでいうアウトプットとは、「成果」のみならず、上司への報告・相談等、日々の細かな発信を含む。 ビジネスマンとして独り立ちするためには、アウトプットだけでは不十分。中長期的には成果を出さなければならな

          「超アウトプット入門」を読んで、今後は一層のアウトプットを心がけようと思った

          2024年大統領選挙を振り返ったオバマ元大統領の温かい言葉が胸に沁みる

          この数週間から選挙当日にかけて、何百万人ものアメリカ人が大統領選だけでなく、あらゆるレベルの指導者に投票した。 共和党とは多くの問題で深い意見の相違があることを考えれば、この結果は私たちが望んでいたものではないことは明らかだ。しかし、民主主義の社会で生きるということは、自分の意見が常に勝つとは限らないということを認識することであり、また政権交代を平和的に喜んで受け入れるといことだ。 私の妻であるミシェルと私は、カマラ・ハリス副大統領とティム・ワルツ州知事という、素晴らしい

          2024年大統領選挙を振り返ったオバマ元大統領の温かい言葉が胸に沁みる

          「人の本棚を見ればその人の伸び代がわかる」論について

          少し前から自分もなんとなく思っていたことを、うまく言語化していたXの投稿を見つけたのでシェア。 その人の本棚を見て、もし分厚い専門書・マニアックな書籍が並んでいたら、その人はプロフェッショナルとして、専門家としての未来はある。一方で流行り物の自己啓発本や「金持ちになるための15のルール」とか「年収1億円の人はこれしかやらない」とかいう類の本ばかり並んでいる人は、まだまだ修行が足りず、自分が何をしたらよいかわからない悩める子羊である。 これに加えて、本屋に行ったらどこのコー

          「人の本棚を見ればその人の伸び代がわかる」論について

          ダーウィンの進化論と、VUCAの時代の総合商社の強さについて

          ダーウィンの進化論によれば生き残る者とは「自ら環境に適用しようと努力し、変化できる者」ではなく、「たまたま持って生まれた形質が環境に合っていた者」であるという。 キリンが首が長いのは、高い場所にある食べ物をとろうと努力して伸びたわけではなく、たまたま首が長く生まれたとある個体が生き伸び、その個体の子孫が繁栄したためである。決してキリンが環境に適用しようとして自助努力で首を伸ばそうとしたわけではない。 もしキリンの中に首の長い個体が1匹もいなかったとしたら、キリンという種は

          ダーウィンの進化論と、VUCAの時代の総合商社の強さについて

          ほぼ三段落日記:とある起業家の誕生会に参加して、真のお金持ちたちに出会う

          今日は起業家の知人の誕生会に参加した。場所は六本木ヒルズクラブであった。その方は大手企業を10年ほど勤務した後に退職し、自ら立ち上げた会社を上場させた成功者の方である。巨額の資金を稼いで経済的な自由はもうすでに十分達成している方である。 その方および友人のお金持ちの方々と触れ合って気づいたことを述べておきたい。 健康に気をつけている:私は卑しくも六本木ヒルズビールや響きを何杯も飲んでいた傍ら、私の知人の方々は炭酸水やノンアルコール飲料を飲んでいる方が大半であった。そしてメ

          ほぼ三段落日記:とある起業家の誕生会に参加して、真のお金持ちたちに出会う

          睡眠時間の確保には自制心がいる。 深夜まで起きてダラダラとお菓子をつまみながらYouTubeを観たい欲望を切り捨てベッドに入る自制心が必要なのである。 最近は深夜まで起きる悪癖を徐々に断ち切りつつある。これからも継続したい。

          睡眠時間の確保には自制心がいる。 深夜まで起きてダラダラとお菓子をつまみながらYouTubeを観たい欲望を切り捨てベッドに入る自制心が必要なのである。 最近は深夜まで起きる悪癖を徐々に断ち切りつつある。これからも継続したい。

          ライオンキングと大海人皇子と

          先日、とある高校の文化祭に足を運び、とあるクラスの演劇で「ライオンキング」を観た。 そう、偉大なる父ムファサの後継争いを行った、ムファサの子供シンバとムファサの弟であるスカーが登場する物語である。 若い頃何度も読み、そして観てきた物語であるが、年を取るにつれて観たあとの感想もだいぶ異なってきた。 40を手前にした私がライオンキングを観て思い出したことは、天智天皇の子供である大友皇子と弟である大海人皇子が皇位継承巡ってあらそった「壬申の乱」であった。 壬申の乱では、僧侶

          ライオンキングと大海人皇子と

          PEファンドのマネジメントフィーの水準は低下傾向にある(除くベンチャーキャピタル)、という記事をまとめた

          昨年、PEファンドの一般的なマネジメントフィーの水準についてまとめた記事を書いたが(上記リンク先ご参照)、その後の直近の2024年のマネジメントフィー水準の動向がわかる記事とレポートをPreqinのウェブサイト上で見つけたので、以下要約したい。 現在のPEの資金調達環境はどうやら買い手市場のようだ。ファンドマネージャーたちは出し渋る投資家から資金を集めるために、マネジメントフィーの切り下げ(特にファーストクローズまでに参加した投資家に対し)、共同投資時のフィー削減、等のイン

          PEファンドのマネジメントフィーの水準は低下傾向にある(除くベンチャーキャピタル)、という記事をまとめた

          三段落日記「歴史と他国にみる通貨防衛策」を読んで

          https://www.saa.or.jp/dc/sale/apps/journal/JournalShowDetail.do?goDownload=&itmNo=40716 証券アナリストジャーナル2024年6月号に掲載されていた内田稔氏の論文を読んだ。2022年9月の約9兆円に及ぶ大幅な為替介入を経て、2024年8月以降は一時期140円台まで円高に触れる等、紆余曲折はあったもの2024年10月現在、円ドル為替相場は円安に向かいつつある。円安が続けば主に輸入財を中心とする

          三段落日記「歴史と他国にみる通貨防衛策」を読んで

          相次ぐ強盗事件を受けて今後起こりそうなこと

          まず、最近相次いでいる強盗事件の被害に遭われた方、特に尊い命まで奪われた方には心よりご冥福をお祈りしたい。人命を奪うほどの凶悪犯罪は断じて許されるものではない。 こうした悲劇を踏まえて今後世の中で起きそうなことを今日は綴ってみたい。 金持ちは金持ちであることを誇示しなくなる:金持ちは、自分が金持ちであることを誇示することの危険性を今回の事件で実感した。高級外車を自宅の駐車場に置く一軒家は狙われやすい。金持ちにとっては、外見は質素に、内面は豊かに暮らすことが一番安全である。

          相次ぐ強盗事件を受けて今後起こりそうなこと