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晴れの日も雨の日も#278 意思vs感情

人には意思と感情の両面がある。どっちの方が大事か、とか、どっちの方を優先すべきか、という問いはあまり意味がない。どちらも大事であり、いわば「ひと」という車の両輪だからだ。

コーチングは目標達成のためのコミュニケーションスキルと定義づけされることが一般的だ。「目標に向かって何をやっていきますか」という問いはいわば定番だ。どんな目標を選択するのか、それに向かってどんな行動を選択するのか、選択という「意思」を問うことがコーチングの手法だと言えるだろう。

しかし、それだけで相手がどんどん前進していければ、苦労はしない。意思だけでスパスパ割り切れるほど人間は単純ではない。感情を扱うことは極めて重要なのだ。

たとえば、こうしないといけないのはわかっているが、そっちに向かって一歩が踏み出せないというケースも少なくない。それは心のなかで何かがひっかかっているからだ。何をするかということの前に、まず、その引っかかりを扱っていくことが必要になる。
なんか気が重い。なんかやる気が出ない。なんかどんよりしてしまう。そんな話を丁寧に聞くことは、感情を適切に扱うこととかなり密接な関係がある。

あなたの目標はなんですか。そのために何をやっていきますか。そういう定型的な問いを相手に投げかけていくことはいずれAIでもできそうな気もする。
むしろ、上記のようなスパッと割り切れないところを相手に寄り添うこと。
そういうことこそ、血の通った人間ならではのコーチングなのではないか。

さらには、心の中のことにきちんと向き合おうとすると、まさにケースバイケース✕その場その場だ。今見えたものに臨機応変に対応するしかない。それは相手の全てを自分の全てで受け止めることと言ってもいいかもしれない。これぞAIコーチングではない人間コーチングだと思う。


そんなことを考えているせいか、結果的に、相手の目標を聞くより、今の思いを聞き、オブラートを一枚一枚剥がすようにその本質に迫っていくようなことに今の私の軸足がある気がする。
何をするかという意志よりも、今、どんなことを感じているのか、心の中ではどんなことが動いているのか、そっちの方により強い関心がある感じだ。

会社の中では、何をいつまでにするのか、ということばかりを会話しがちだ。感情や心の中のことは置いていかれることが多い。
仕事を前に進めて成果や実績をあげる、ということが求められている以上、それも無理もない。が、やっているのは人間だ。機械ではない。モノづくりをやっているのは機械だという場合でも、その機械を動かしているのは人間だ。人間をきちんと扱おうと思えば思うほど、私は意志より感情のほうが気になってくる。


さらにややこしいのは、感情の扱いは後回しにされがちであるがゆえに、本人が自分の心の中の動きにきちんと気づいてないことが多い。なんかムカつくと言っても、何にムカついているのか、あるいはそれは本当に怒りなのか、実はハッキリしなかったりする。
ましてや、なんかモヤモヤするんだよなあ、なんて話になってくるとますます話に霧がかかっている感じだ。その霧を取っ払うには一人でグズグズ考えているよりも誰かと会話して、思いを口にするほうがよっぽど早い。

相手が自分の心の中を整え、前進力を生み出すことにつながるような、そんな会話をしていきたいと切に思っている。

今年も田植え始まる。歳々年々相似。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之

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(続く)

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