ここぞという切り札がある<うつくしが丘の不幸の家>
うつくしが丘の不幸の家 著者:町田そのこさん
サスペンスのにおいがしそうなタイトルですが、読み始めると北風ではない太陽の光のようなポカポカのあったかさがありました。💕
”不幸”という言葉は何を意味するものなのか。人間の営みはそんなひと括りで表すものではないんじゃない?
転んでぶつかって、立ち上がっての繰り返しの中に”幸”があるんじゃないかなということを感じました。
うつくしが丘に建てられた三階建ての一軒家は築25年。その25年の間に入れ替わりに住んだ5つの家族が登場します。現在から過去の住人の暮らしへとバトンタッチしていき、笑顔のエピローグへとつながります。
著者の町田さんはどん底の状況でもここぞという切り札をちゃんと用意してくれて何があるから良くないという考えは一旦脇に置いて「そうなんだね」と終わらせてくれます。なんと言っても、5編連作の調和が取れているところが素晴らしい!
卓越した魅力を感じる、町田そのこさんの本をもっと読みたくなりました😄
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書き続ける楽しみを感じています、その想いが伝われば嬉しいです~