強迫症の家族:巻き込まれることから距離を置く
こんにちは、心理士のなべたです。
強迫症は、その症状が本人だけでなく、周囲の家族にも影響を及ぼすことがあります。
家族全体が一緒に戦っているかのような感覚になることでしょう。
本記事では、強迫症を持つ家族とどう向き合い、サポートを提供すべきかについて、考えてみます。
家族全員がこの挑戦を乗り越え、より良い日々を送るための一助となれば幸いです。
参考にした書籍はこちらです。
強迫症については以下の記事がわかりやすいです。
強迫症の家族
強迫症の人が回復する過程で、本人ではなく家族が巻き込まれて困り感を抱えることが多くあります。
家族が巻き込まれるタイプの強迫症では、本人は自分の抱える強迫観念(勝手に繰り返し頭に浮かぶ思い)に対する安心感を得たいため、家族に何かの確認を求めたり、手洗いなどの特定の行動をしてほしいと求めることがあります。
もし家族がその要求に応じなかった場合、本人が感情的になることがあるため、家族は本人の求める行動をすることで事態を収めようとしてしまうことがあります。
家族自身が良い関係になれるか
家族が強迫症に巻き込まれてしまっている場合、「本人の問題をどうにかしたい」という視点から、「どうすれば自分たち家族がより良い関係になれるか」という視点に変えてみると良いでしょう。
家族は家族として問題に対処してきた歴史があるので、その努力は尊重されるべきです。
行動を見直すときは、現在の対応が過剰ではないか、あるいは逆に足りないのではないかを考えてみることが大切です。
例えば、手洗い強迫の本人がいるご家庭では、家族も手洗いする回数、本人の話を聞く回数や時間が多くなっているかもしれません。
一方で、自分のために過ごす時間や家族間で冷静に話す回数が少なくなっているでしょう。
過剰な部分と不足している部分を理解することで、何がうまくいっていて何がうまくいっていないのかがはっきりし、それを基に家族で協力し合って問題に取り組むことができるようになります。
家族から本人へ
巻き込まれていた家族間のコミュニケーションを変えることができてくれば、その関わり方を強迫症の本人に対してもできるようになってきます。
ここで大切なのは、「正しい対応」を求めすぎないことです。
理論的に正しいとされる対応よりも、実際に相手に伝わり、関係に良い変化をもたらすコミュニケーションが最も望ましい対応なのです。
家族自身も自分の変化を積極的に受け入れることができれば、本人に伝わる、より効果的なコミュニケーションが自然と行なえるようになるでしょう。
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