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なべさん
2023年9月17日 15:01
「女性と二人で食事をするのはダメでしょ。」「いや、別に浮気とかじゃ無いって。あるだろ、流れで部下と飯に行くことくらい。」「ないでしょ。てか、あっちゃダメなのよそんなこと。」また父と母が喧嘩を始めた。我が家ではよくあることだ…そして、我が家では喧嘩を決着させる手段が決められている。「ハイハイ、二人とも、やりますよ。」私は、機材を棚から取り出す。「そうだな。」「そうね。」私がトラックを
2023年9月18日 19:34
「恋は理屈じゃないのよ。」大学のクラスメイトの田中が、ビールのグラスを傾けながらそんなことを言い始めた。「いや、おまえ恋愛経験ないだろ。」すかさず隣に座っていた島田がツッコミを入れる。「何で偉そうに語ってんだよ。」「別に語ったっていいだろ。理屈じゃないんだから。」「は?」「恋愛したことある奴しか恋愛のこと語っちゃダメとか言ってる時点で、理屈に縛られちゃってるのよ。そんな変な理屈要らな
2023年9月22日 12:40
「カントリーマアムって見る度に小さくなってる気がするよね…。」そう言って、裕香はゆっくりと目を閉じる。ベッド脇の心電図が直線となり、0という数字が表示される。「おまえ最期の言葉それで良いのかよ!」という俺の声と、心電図の「ピーッ」という音が、病室に響き渡った。「スマートフォンなんだから、『スマホ』じゃなくて、『スマフォ』って言うべきだと…思うんだよね…。」そう言って、裕香はゆっくりと目
2023年9月22日 17:32
もうすぐ、16時になろうとしている。あと少しで家に帰れる。仕事終わりにプリンでも買おうかな…などと考えながら商品の陳列をしていると、40歳くらいの女性に声をかけられた。「あの、すみません。」「はい。如何なさいましたか?」「この前この店で買った商品に、穴が開いてたんですけど。」「え、ほんとですか?大変失礼致しました。」「はい、この前この店で買ったレンコンに、穴が空いてたんです…。」「レ
2023年9月30日 14:39
「ろくな人生じゃなかったなぁ…。」天井を見上げ、呟いた。 小学校時代。俺はサッカー選手を夢見ていて、毎日サッカーの練習ばかりしていた。チームの中で明らかに俺が一番練習していた。しかし、俺は最後の試合にすら出させてもらえなかった。 中学校時代。サッカーが自分に向いていないことを悟った俺は、当時ハマっていた漫画に影響を受け、バレー部に入った。練習を一度もサボることなく、部活が終わった後も一人