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ちょい読み 2025/ 2/ 3



・ 『人生論ノート』 三木清 著(新潮文庫 1954)

  【千夜千冊関連】 124 / 171 頁。

感傷は、何について感傷するにしても、
結局自分自身に止まっているのであって、物の中に入っていかない。
批評といい、懐疑というのも、物の中に入ってゆかない限り、
一個の感傷に過ぎぬ。
真の批評は、真の懐疑は、物の中に入ってゆくのである。

感傷について P. 120 - 121

私は自分に止まっていることが長かった。自分のことばかり考えていた。
ずっと、心理学的な新書の類を手にしていたのだろう。
その状況で、他のジャンルの本を読んでも、頭に入ってこないのだ。
これは、私の方が「物の中」に入っていけてない、ということでしょう。

ところで、「物」とは何か?


・ 『官僚国家の崩壊 上』 ジョン・ラルストン・ソウル 著(ベネッセ 1997)


  【千夜千冊関連】 134 / 437 頁

二十歳のときに、リシュリーはローマで教皇を前にして
聖書の教訓について論じ、特殊な論点を立証してみせた。
そのすぐ翌日、彼は再び教皇の面前で同じ教訓を論じて、
前日と反対の論点を立証したものである。

ヨーロッパはまだ
近代の理性の誕生とおぼしいものに到達していなかったが、
盲目的な論理が将来どんな力をもつようになるかを示すヒントは
すでに散見していた。

第三章 理性の誕生 P. 95

「理性」を疑ってみよう。